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春散歩 疲れ腰掛け 緑地にて 石の並びが 合わせ鏡か 

春の散歩が心地よい。天気も良く気温も上がっている。これは上着も途中で脱ぐほどの日差しだ。もう夏を思わせる暑さを感じていたが、途中で雲が広がってきたようである。
「休憩しよう」そう思って休憩する場所を探すが、ここは古い町並みが続く場所だった。古民家を利用したカフェくらいしか休憩できそうなところがない。
「カフェか、うーん、お金かかるし」と思っていたら、意外なところに小さな公園を発見した。

「こんなところに?」名前は緑地と言うだけあって芝生のようなものに覆われている。歴史を感じるような木が立っていた。
「ちょうどよさそうだ、ベンチもあるぞ」ということでベンチに腰掛けて休憩する。

「古い町並みのすぐ隣だ。ということは」ベンチから眺めると公園の木にしては年季がありそうな気がした。まるで庭を構成しているようにも感じる。元々は邸宅だった跡地なのかもしれないと想像した。ところがいったん想像が始まると、どんどんと想像が膨らむもの。緑地内に無造作にあるふたつの大きな石に注目した。

「石が向き合っている。もし鏡のように表面が研ぎ澄まされていたら合わせ鏡のようになるやも」
ありえないと思いつつもう一度石を見る。目にバイアスがかかったのか?見ていると本当にふたつの岩が対峙しているように見えた。「え?」一瞬目を疑う。さらになぜか両方の岩の正面に小さな鏡が見えるのだ。そしてその鏡の間に光が往復するように見えた。「ええっ!」目をこすってもう一度見る。

その時少しがっかりした。なぜならばやはり自分の頭の想像により現れた幻覚だったようで、改めてみたら単なるふたつ岩が並んでいるだけに過ぎなかったからだ。

春散歩 疲れ腰掛け 緑の地 石の並びが 合わせ鏡か
(はるさんぽ つかれこしかけ みどりのち いしのならびが あわせかがみか)

山根あきらさんの青ブラ文学部に参加してみました。(テーマ:合わせ鏡

今日の記事「富田林の若松町緑地」を参考にしました。

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