キャリアにおいて転職『出来ない』は最も悲惨
僕の先輩に転職活動したけど納得のいく転職先に受からなかった人がいる。
転職活動した結果「転職しない」という判断は「負け」ではない。
転職マーケットに出て、そう判断したのであればそれは1つの合理的な判断であり、キャリアにとってもその知見はプラスだ。
ただその先輩は明らかに「転職しなかった」のではなく「転職出来なかった」ように見えた。
先輩の転職理由は「年収を上げたい」だ。
ランチで一緒にしてる時も、現年収に不満を見え隠れさせるような話が多かった。
そして転職活動を盛んにしているときは明らかに現職の仕事の質が落ちてたし、モチベーションも低かったのが分かった。それは周囲にも伝わり評価にもつながっていた。
僕も転職活動を何回か経験しているから分かる。
転職活動中に現職のモチベーションを保つ事は結構難しい。
しかもその先輩は初めての転職活動だったので勝手が分からず、より多くのエネルギーを消費したと思う。
そしてその結果、転職出来ず(内定が取れず)に、仕事も繁忙期に差し掛かってきたこともあって転職活動を一旦ストップするような状況だった。
現職のモチベーションが落ち、社内の評価も落ち、かつどこにも転職する候補がない現実を目の当たりにして先輩はかなり苦しそうだった。
何度もデスクで頭を抱え顔をうずめるような仕草を目撃した。
話をかなり端折るが最終的には気持ちを入れ直し、現職で転職市場に響くようなスキルセットを磨くためと言って仕事に打ち込んでいた。
なので結果的には良い経験になったんだと思う。
ここで先輩が感じた事は恐らく転職出来るような実力がないと「不幸になる」という事だと思う。
転職の本質は自分のなりたい姿に近づくための手段だ。
年収を上げてたくさん旅行に行って楽しみたいのかもしれない。家族とちょっと豪華なディナーに行って満足したいのかもしれない。美容整形して美しくなりたいという人もいるだろう。
業界を変えて単に別の世界を見たい人や人間関係をリセットしてストレスフリーになりたい人も多いはずだ。
先輩は自分の人生設計において、転職出来ない事への「危機感」から、現職に「本気」になるしかないと判断したのだ。
そうでないと人生の選択肢が狭まる、なりたい自分になれず「不幸」になる。そんな考えがよぎり「不安」だったんだと思う。
先輩はまだ20代後半なので全然立て直せる年齢だ。このタイミングで気づけて幸運だったとも言っていた。
これが30歳になると難易度があがるのは間違いない。転職市場は待ってくれないし、残酷な現実を容赦なく突き付けてくる。
サラリーマンである以上、転職は人生を変える手段であり、キャリアの選択肢がないと不安になる。
たとえ転職活動の結果が悲惨でも、人生が悲惨になものになるよりずっといい。
転職『出来ない』状況を早めに気づけた先輩にも、その話を聞いていた僕自身も良い経験となった。
「良い経験」で済んでよかった。
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