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自由と逃走 1

だいぶ長い間このNOTEを更新していなかった。

と言うのも店を閉めてからのご縁が重なって年明けに新しいプロジェクトのお話しをいただけたからだった。

当時はそのプロジェクトがすぐに動き出しそうな雰囲気だったので出張料理&ラーメンの予約を打ち切り、このプロジェクトに注力するために時間を空ける事にした。

そしてすぐにそのプロジェクトについて発表できると考えていたし、今頃はそのプロジェクトは動き出している腹つもりをしていたから、次のNOTEの投稿はそのプロジェクトについての文章にしようと決めていた。

しかし今現在(2023年5月27日)、そのプロジェクトは一向に動き出す気配がない。

そのプロジェクトとはなんなのか?
なぜ動きだせないのか?

その事について今は何も書けない事がもどかしい。

しかし、こうして時間ができた意味を考える事はとても有意義に思えるので、久しぶりにNOTEの更新を再開したい。

NOTEは基本的にはFacebookやInstagramには書きにくい少し突っ込んだ自分の内面や考えについて書き綴ってきた。

これからも基本的にはそうなる。

だから本当に僕の活動に興味のある方や共感の感情を持ってくださっている方のみに届く内容になりますが、どなたかに届けば嬉しく思います。

初めてなことかも知れない

ラーメン屋に修行に入ったのが2000年。24歳の時。初めて自分の店を持ったのが2003年で27歳だった。

あれからちょうど20年が経った。

自分でこんな事はあまり言いたくないが、はっきり言って苦労しかなかった。

多くの成功者がかつての苦労を語り、『あの頃の苦労があったから今の私がいる』と語る。

だが僕はいまだにその【苦労】からは抜け出せていない。

何一つ成功などしていない。

未だ社会の底辺、落伍者のままだ。

情け無い感情は常に自分の胸の奥に…まるでワインボトルの奥底に沈む澱のように溜まっている。

毎日が理想と現実との狭間で自分との葛藤との戦いの日々だ。

「俺はこのまま終わってしまうのか?」

そう考えると眠れなくなる夜は何度もある。

だが今、こうして走り出すはずだったプロジェクトが止まってしまってある事に気がついた。

「こんなに時間に余裕があることは、27歳で店を持ってから初めてかも知れない」

自分と向き合える事はラッキーなのかも知れない

出張料理&ラーメンも止まり、予定の目処は立たないが、時間だけはある。

今まではずーっと走り続けてきた。

見切り発車の連続だったこれまでは走りながら考え続けていた。

常にプロジェクトの始まりは失敗と批判と非難の連続で、その状況をどう打破するか?と悩み考えながら対応をしてきた。

その結果、よくミシュラン掲載まで辿り着いたな…とも思うけど、これだけ時間があるのだから、思いっきりこの時間を味わい尽くそうと考えることにした。

つまり、【自分と向き合う】

自分の可能性や才能とも、自分の悪い癖や歪んだ性格とも、真正面から向き合おう。

一般的な47歳ならば家庭での責任であったり社会人としての責任、しがらみ、所属する組織や環境での通俗的な常識などに縛られて本当の自分と向き合う事なんて難しいのかも知れない。

だか幸いに僕は独身で、今現在は借金もローンもない。

幸か不幸か自己破産も経験している事で今のところ金を借りる事すらできない。

僕はしがらみどころか、何一つ持たない自由の身なのだ。

その点で僕は未だにモラトリアムのトンネルの中にいることを許される大人子供なのだ。

逃げることだって可能


19歳で京都から石川県に引っ越しをした時、石川県に馴染めずに人にも社会にも迷惑をかけ、24歳の時に石川県から逃げるように神奈川県藤沢市へと移り住んだ。

現実から逃げたことの後ろめたさはあったが、湘南の風に吹かれて、誰も自分のことを知らない町で人生を新しく切り開くことに自由を感じた。

そして15年住んだ湘南で強烈なしがらみに巻き込まれて、また、逃げるように石川県に移り住んだ。

ふと思う。

また逃げたって構わないんだな。

背負うものを何も持たないまま中年になった自分。

海外へと一人旅をする友人のSNSを見ながら、俺は旅をしたとしても石川県に帰ってくる必要などないと感じた。

また誰も知らない町へいき、ラーメン屋である自分も捨ててしまい、また名もなき男としてゼロから始めることだって可能なんだな…

そう考えると途端に肩の力が抜けた。

そもそもなんで俺、ラーメン屋やってんだっけな?

あれ?そもそも俺、ラーメンなんて好きだっけか?

ラーメン屋でいなきゃいけない理由なんてどこにあるんだ?

俺は決めた。

もう一度、逃げだそう。

俺は自由だ。

(次回に続く。…かどうかはわかりません。笑。でも多分書きます)

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