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おもちのちから

前話:「三原山事件」をモチーフにした恋愛ミステリ『五月の死神』 / 次話:夢に龍を斬る――わたしの『西遊記』


餅は力そのもので、これを食べれば力が付くという素朴な心意があった。

宮田登『民俗学への招待』ちくま新書

古来、「餅」は「力」——人体のパワーそのものであるという考え方があり、それは今でもわたしたちの中に、信仰のように残っていると言えます。

「力そば」とか「力うどん」と聞くと、わたしたちはごく自然に「餅が入っている」と理解するわけですが、考えてみれば、それはけっこうすごいことですよね!

――というわけで(どういうわけなんだか?)、モチモチ星人の南ノです。

台湾では日本殖民地時代の影響で、「餅」のことを台湾語(閩南語)麻糬モァ・チィーと呼び、華語では同じ漢字を麻糬マァ・シュウと呼ぶということは、以前にこのエッセイシリーズでもご紹介したと思います。

日本にいた時も、おもちが大好きだったわたし。台湾でも、けっこういろいろ麻糬モァ・チィーを食べております。

最近、SNSで話題になっている灑白甜サァ・バイ・ティエンというおもち専門店があり、ずっと気になっていたのですが、場所がちょっと遠いこともあり、昨日やっと買うことができました。

これです。

包装がクリスマス仕様。おもちに付ける粉は、ピーナッツ(上)とゴマ(下)

SNSでこのロゴをひと目見た時から、「かわいい!」と思っていたのですが、今は包装がクリスマス仕様になっており、かわいさが倍増していました!

ちなみに、灑白甜サァ・バイ・ティエンという店名は、一種の言葉遊びです。

ドラマなどのヒロインによくある性格を表すネット用語に、傻白甜シャア・バイ・ティエンというのがあります。

シャアというのは、ここでは「おばかさん」みたいな意味です。

ちょっとおっちょこちょいな性格だけど、色が白くて雰囲気のあまやかな、そういう典型的な「かわいいヒロイン」ーー出てきますよね、ドラマの中に!

まあ、まったく同じというのもアレですから、店名の方では、シャアと音の似ているサァの字を使っているのでしょう。

さて、この灑白甜サァ・バイ・ティエンのおもちですが、鮮奶麻糬シエン・ナイ・マァ・シュウ」(ミルクもち)という、香りのよい、真っ白なおもちを使っています。それを甘い粉にまぶして食するのです。

おもちに付ける粉は、台湾人の大好きな花生ホア・シェン」(ピーナッツ)が看板メニューになっていて、他には芝麻ジー・マァ」(ゴマ)もありました。

初めてきたことですし、次はいつ来られるかわからないので、花生ホア・シェン芝麻ジー・マァ、両方買ってしまいました。

一箱160元(現在のレートで約750円)でした。

こんなふうに食べます。

ピーナッツもゴマもパウダー状ではなく、キメが粗目。

写真でもわかるかと思いますが、花生ホア・シェン芝麻ジー・マァも、パウダー状ではなくキメが粗目で、それがぷるんぷるんのおもちの食感と相まって、とてもおいしかったです!

おもちって、食べる時はつるつる食べられても、食べすぎると後で胃がもたれたりすることがありますが、このお店のそれは消化がいいのか、昨日けっこうたくさん食べてしまったわりには、そういう感じもなくて、その点も高評価の理由です^^

リピーターになりそうな予感……。

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