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日常生活のマインドフルネス:コーヒーを丁寧に淹れる

マインドフルネスというと、特別な方法で瞑想を行うと思っている方は少なくないと思われる。

マインドフルネスストレス低減法(MBSR)では、インフォーマルな練習と、フォーマルな練習が行われる。


インフォーマルな練習とは日常生活のなかのマインドフルネスであり、フォーマルな練習とは、正式に時間をある程度行う瞑想練習のことである。

インフォーマルな練習には、日常生活で行われる様々なワークがある。

この記事では、丁寧にコーヒーを淹れる所作をマインドフルに行う、日常生活におけるマインドフルネスをご紹介したい。

日常生活のマインドフルネス

マインドフルネスとは要するに、心を込めることだと理解している。丁寧に今ここにとどまりながら生きることだ。

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ティックナットハンは、こう述べている。

ゆっくりと敬虔(けいけん)な気持ちでお茶を飲んでください。まるでそれを軸に地球が回っているかのように ゆっくり、落ち着いて、先を急がずに。今この瞬間を生きてください。ただこの瞬間だけが生なのです。

ホーム・プラクィスでもよく出される日常生活におけるマインドフルネスでは、「お皿を丁寧に洗う。お皿の手触り、泡の感触、匂い、水の感触などを味わいながら行う」「シャワーを丁寧にあびる。髪、泡、地肌、シャワーの感覚や音、匂いを味わいながら丁寧にあびる」などもよく出される。

急いで、目を覚ましたいとき、とりあえず、インスタントコーヒーとお砂糖にお湯をそそぎ、自動操縦的に、味わいもせず、カフェインをただ摂取するために急いで飲むことはないだろうか・・ 私はよくあった・・(汗)

というわけで、以前はピンとこなかったが、ごく最近この本当に丁寧に所作を行うこと・・・で、瞑想と同じような落ち着きや、幸福を味わうことができると感じる。

大体、日本人は、お茶や生花など、所作を丁寧に行う活動が存在し、馴染みがある方も多いのはないだろうか?

アメリカに行くと、一番驚くのがプレゼントにもらった包装を「バリバリと破ってあける」ことである。こういってはなんだが、雑なのだ・・(汗)

ところが、日本人は包装紙を丁寧にあけて、またたたんだりする。そして、そもそもの包装も器用にきれいにしてあることが多い。日本人は比較的器用なのではないだろうか。

私は、習い事というと「ねばならない」が多く、怒られないかどうかに萎縮してしまいそうで手を出さない・・が。最近は自分流に丁寧にお茶をいれる、花をいける、お湯を沸かすなどにハマっている。

どうしても、ホーローケトルで丁寧にマイルドなお湯を沸かしたくて、琺瑯のケトルをわざわざ購入してしまったほどだ。

丁寧にお湯を沸かす

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まず、琺瑯に、浄水したお湯をそそぐ。

そして、ガスにかける。蓋は開けたり、開けなかったりするが、ぐらぐら沸騰するまで火にかけている。そして、このお湯を沸かす行為のときに、余裕があれば、他のことはせず、お湯が沸くのを見ている。

お湯が湧いた。

コーヒーを丁寧に淹れる

今度は、ドリップ用に使っているカリタの「ときめきポット」(自分の中での呼び名)にお湯を移し替える。

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カリタのときめきポットは、お湯を注ぐ口が非常に小さく、コーヒーをドリップするのに最適なのだ。だいぶ古びてしまったが、色といい、形といい最高に可愛い。


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ときめきポットを使って、挽きたてのコーヒーの豆にまず、少しお湯をかけて、時間をあける。

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そして、少しずつ、全部が落ちきらないくらいのところで、またお湯を足していく。ゆっくりと。目の前のコーヒをただ淹れることに集中する。


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こうして、じっくり淹れたコーヒーができあがった。


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そして、来客用にと、実家からゆずり受けたウェジウッドのカップ&ソーサーで自分のためだけに、コーヒーを淹れる。もちろん、カップもお湯で温めておく。こうすると、コーヒーがあつあつでいただける。このご時世では、来客もないので、食器棚に眠っているお客様用食器はこの際思う存分使おうと思っている。

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心を込めて淹れたコーヒーである。美味しくないはずがない。

道具にも気分によって、ネルドリップと、ペーパーフィルターを使い分けている。今回は、ネルドリップで淹れた。個人的には、ネルドリップの方が味に深みがでて、ペーパーフィルターのほうがさっぱりした味になる印象がある。

この5年位で少しずつ買い集めた、コーヒー関連グッズを総動員して、自分のためだけに、淹れたコーヒーをいただく。何という贅沢だろう・・ 

個包装のドリップコーヒーなどともまるで違う、芳醇な香りに包まれる。

こうして、淹れたコーヒーを飲んでから、一日をスタートすると、なにかいいことが起きそうだ。

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こうして丁寧にいれたコーヒーは本当に美味しい。家族にも丁寧に淹れて出したところ、大変好評。最近だと、毎日「美味しいコーヒーを淹れて!」と言われる。それはどれで、義務になりかねない(汗)

いささか、道具に凝りすぎだが、コーヒーアイテム集めが好きなのだから・・仕方ない。食器棚などにもっとスペースがあれば、サイフォンで淹れるコーヒーにも挑戦したい・・

そんなわけで、個包装のコーヒーを飲む機会も減り、我が家では、挽きたてのコーヒーで、ガスで沸かしたお湯で、丁寧にドリップして淹れることが多くなってきた。

ほんのひと手間だが、それによって喫茶店で飲むようなコーヒーが飲める。間違いなく、○ターバックスのコーヒーよりも美味しい。 手前味噌だが、○フェラミルくらいは美味しいと感じている。

ただ、丁寧にコーヒを入れて、それを一人で、あるいは大切な家族に淹れてあげる。ささやかだが、幸せである。

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コーヒーを飲みながら、一日のスケジュールを立て、はじめる日は、課題にぼんやり追われて過ごすよりも、「能動的に自分が生きている」感じを深く味わえ、豊かになると思っている。




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