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「アルコールや薬」を手放したその後の回復

こんばんは。最近、アルコール・薬など特に「依存物質」を断って間もない方々に出会う機会が増えて、主要な物質依存・アディクションをやめたあとの回復について書いておきたいなーと思いました。
アルコールや薬やめるための本はたくさんありますが、やめたあとにやめ続けるための本ってあまりないな・・と思います。いったんやめるより、やめ続けることの方がはるかに困難です。 

そういう本は自助グループのAA(Alcoholics Anonymous)の「どうやって飲まないでいるか」などです。NA(Narcotics Anonymous)では、「Living Clean 」という本が英語で出ています。あとは、英語の本が多く、そのために私はアメリカ版のkindleでよく書籍を購入しては読んでいます。瞑想と回復についてもたくさん英語ではあり興味深いです。 


やめたあとに気をつけたい気分の浮き沈み

女性は、そもそもある「うつへの対処法」としてお酒を用い、男性はお酒をやめるとうつ病がでてきやすいことが指摘されています。依存症の診断とともに、合併している、気分障害、双極性障害やうつ病などの診断がつく方は多くいらっしゃいます。

依存行動は、そもそも、誤ったセルフケアですので、自分自身の生きづらさに対する自己治療として用いている場合が多いです。

本人ははっきりとは意識していないかもしれませんが、よりエネルギーを感じるためにアルコールや、覚醒剤などを利用する方もいらっしゃいます。一方で、よりリラックスして、楽になるためにアルコールや安定剤・睡眠薬・市販薬などを利用する方もいます。

自分の場合は、アルコールなどを断ったあとは、しばらくぼんやりしていましたが、その後むしろエネルギーにあふれで(出産もあったのでよくわかりませんが)あれやこれやと動きすぎて、マルチタスクをこなしていたつもりが、数年後に育児と仕事と回復のトリプルタスクに疲れ果て燃え尽き、一時的にうつっぽくなりました。そこで、マインドフルネスに出会い、気分の浮き沈みに早めに気づくようになりました。

少し、こういう瞑想を癖付けるだけでも、自分の状態に気づきやすくなります↓


生きづらさはなくならない(汗)が、扱えるように少しずつなる

お酒や薬をしばらくやめたからといって、色々な生きづらさが根こそぎよくなることはありません(汗)むしろ、お酒や薬で誤魔化していた、見ないようにしていた、麻痺させていた本質的に生きづらさ(トラウマや、過剰適応や、合併精神障害、睡眠障害、発達障害など)がより明確に少しずつ前面にでてきます。

お酒や薬で問題を複雑にさせていた分、本質的な問題・課題にアプローチできるようになります。これは人によっては時間もかかりますが、必要な投薬治療を専門の医療機関に繋がって受けたり、自助グループに通うなど、より多くのサポートとつながりながら、お酒や薬でなんとか保っていた均衡からの頑張りを少し緩める必要があります。

一人で何とか「物質」を頼ってやってきたことから、「人」「ケア」「治療」「サポート」に頼るようにシフトしていくことが必要です。その一つに瞑想・マインドフルネスもあります。

「恋愛は1年は控えよ」と言われている自助グループ

物質を断った自助グループのメンバーが気をつけろと言われているのが「恋愛」です。依存症の中には、極端に恋愛を嫌うか、常にパートナーがいるというように両極端なパターンが多い印象があります。いずれの場合の真の親密さへの恐怖が元にあるように感じます。 

12ステッププログラムは、12のステップから構成されていますが、メンバーから13ステップと揶揄されているものがあります。それは、「メンバー同士の恋愛」です。そこに突入してしまうと、多くのメンバーが早かれ遅かれまた再飲酒するような破滅に向かいはじめます。中にはそうならない方もいらっしゃるのかもしれませんが、回復初期の恋愛は、お薦めはできません。なぜなら、回復より恋愛に重きを置いてしまうからです。

お酒や薬という最愛のパートナーを失ったあとです。その依存心を他の助けてくれそうな人間やプロセスなどに向かうのはごくごく自然な流れです。お酒をやめて、ゲームにハマるとか、買い物や仕事に依存することもよくあります。それが人に向かう場合もあり、精神科医などの治療者に陽性感情が向く場合もあり、それを陽性転移といいます。悪いというよりは、自然なことです。私もそうなりました。

やめたほうがいいよ・・といっても、突き進む方がアディクションの方には多い印象があるので(汗)「13ステップ、再発、そして自助グループにカムバック」となります。自分自身の体験によって心から「13ステップはやめよう」となるまでは、いくら言葉で止められても、難しいかもしれません。

恋愛は最古の依存症・・って話を最近読んだのでまた別記事にしますね。

たくさん遊ぶ

お酒や薬は瞬時に気分を変えてくれます。それがなくなった今、手間暇を多少かけて自分にご褒美や楽しみを与えてあげる必要がでてきます。そのため、趣味や遊びを増やすことがオススめです。

仲間と遊びにいく、お茶をする、温泉にいく、スーパー銭湯にいく、サウナにいく、サーフィンする、ヨガをする、マインドフルネスを学ぶ、マッサージを受ける、エステを受ける、ハイキングにいく、ゴルフやテニスをする、バーベキューする、登山をする、キャンプをする、写真を楽しむ、占いにいく、食べ放題にいく、美容を楽しむ、おしゃれする、雑誌を読む、音楽を聞きに行く、ドラマにはまる、映画をみにいく、小説を読む、回復本を読み漁る、デートする、心理学の本を読む、ブログをはじめる、SNSで発信してみる、SUPやカヤックを体験、外国語をはじめる、海外のミーティングやコンベンションにでてアディクションがワールドワイドであることを知るなど。楽しみは無限に広がっています。今までは、ただ、気づかなかっただけです。

ハートランドしぎさん長先生らのグループが作ったセルフケア大全。参考になります!ちょっと罪悪感があるものをするのもよい・・とのことでした。

そして、なんでもやりすぎるのもあるあるです(笑)カメラを趣味にしたら、カメラ機材にお金を使いすぎいました。何回かアウトドアフォトコンで賞を取って、テントをもらいました(笑) 私はキャンプを始めたら、キャンプ依存症になりました。そして、カメラもキャンプももう飽きました(爆)

おすすめは、自然の中で過ごすことと、多くの仲間に会うことです。近しい仲間は、瞑想と公園を散歩を日課にしています。

稀にいくガチ過ぎる登山(汗)


何度でもやり直す

覚えておいていただきたいのは、たとえ再発・再飲酒となったとしても、絶望せず、また1からやり直せばよいのだということです。そのために、依存症の回復がわかっている誰か一人でもいいので、徹底的に正直に話せる(失敗も恥も再飲酒も)相手を見つけて置くことです。多くの場合は、専門家や、自助グループのスポンサー(相談役)などがそれにあたります。

男性の方は、仕事復帰を頑張りすぎる傾向があってケアがおろそかになったり、女性は、仕事や、主婦業や、母親であることを過去の罪悪感から過剰に頑張る傾向があるような印象があります。頑張りすぎると結局どこかで頑張りを緩める必要がでてきて、そのために馴染みのある依存行動となりがちなので、急がないで、ゆっくりやっていきたいですが、焦るのですよね(汗) 

回復は一筋縄ではいかず、失敗を繰り返しながら、成長していきます。私も散々転んでは這い上がりましたし、回復して11年たった今もさすがに飲みはしませんが、結構小さくたくさん転びます(笑) そのような話を家族、スポンサー、自助グループで、正直に話します。なぜか、話すと依存行動の進行は止まる気がします。

仲間もそのようにして回復しています。大事なのは転んでもそれを正直に認め、再び起き上がることです。そして、諦めずに再び助けを求め、同じような困難を抱える仲間とともにあることです。孤独にそこにとどまらないで、抜けていくことです。

頭ではわかってるんだけどなあ・・繰り返すのが依存症。

回復を続けている自分に思いやり、優しさを、、、向けながら、ズッコケを笑って共有しながら、完璧じゃない自分を受け入れる。 
仲間と共有できる確かな絆や奇跡は、自分にとっては、得難い財産です。感謝。



マインドフルネスと回復について書きました。




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