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幸せを呼ぶ自己犠牲と悲劇を招く自己犠牲 THE LEGEND OF THE BLUEBONNETより


前回の記事、THE LEGEND OF THE BLUEBONNET を通じて
心に浮かんだことを書き綴ります。


この本の大きなテーマは、「少女の自己犠牲」です。

自己犠牲には、大きく分けて二種類あります。
タイトル通り、幸せを呼ぶ自己犠牲と、悲劇を招く自己犠牲。
その違いは何でしょうか。

自分の経験を振り返って書いてみます。


|皆を幸せにする自己犠牲


“一人ぼっちの彼女” と「Those Shoes」のジェレミー。
この二人の自己犠牲には、共通点があります。

二人共、誰から強制されたわけでもなく
状況を見て、自分で判断して、自分の決心で
自分の大切なものを手放しました。

ちゃんと、腹をくくっているのがポイントです。

そのような自己犠牲は、人々や自分を幸せに導きます。


|自分以外が動機の自己犠牲が生んだ悲劇


かつての私は
自分の決心に拠らない自己犠牲をしていました。

妊娠してから息子が2歳半になるまで
産休の3ヶ月間を除いて
フルタイムで会社勤めをしていました。

心の奥底では、せめて最低でも1年は
子育てに専念したい思いがありました。

でも、家計の状況的にどうしてもそれは難しく
私は自分の本当の思いを押し殺して

「状況的に仕方ないから」働く選択をしたのです。

当時の自分は、本当の気持ちを抑えていることに
気付いていませんでした。

そのしわ寄せは、出産時に心不全という形で表れました。
(周産期心筋症という、妊婦特有の稀な病気です。)

出産直後に集中治療室行き、その後2週間の入院生活となり
赤ちゃんの世話はできず、夫が見舞いに来るときだけの
短い面会時間でしか会うことはできませんでした。

母乳育児をするぞと張り切って
事前に色々本も読んで準備していただけに
とても辛い思いをしました。

(ここでは詳細は省きますが、2週間後には退院して
その後はどんどん回復に向かい、完治しています。)


|腹を決めない自己犠牲


そう、私は、「こうするべきだから」という
自分の決心ではない、納得しきれていない状態で
世間体 (集合的無意識) を主にして
ものごとを決めていたのです。

私がわがままを言ってはいけない
家族のために、自分を犠牲にしなくては、と。

夫よりも、私の方がはるかに
割りの良い仕事状況だったからです。

産休を終えて職場復帰したときも
子供を置いて家を出る毎日が本当に辛かった。
 
夫が子供の世話をすることになり
でも、彼は私の意向通りにはしてくれない。

職場から何度もメッセージを送ったり電話して
状況を確認しようとすると
夫は監視されてるような気分になって嫌がる。

ケンカや言い争いが絶えない日々となり、
私の内には夫に対する失望感、不信感が募っていきました。

「どうして私ばかりが働いて、
食事の世話も全部やらなきゃいけないの?」

「あなたが仕事をして、私は家にいるはずでしょ?」
そんな思いを抱えながら毎日出社し

「仕事を辞めたい、辞めたい、でも辞めたら生活に困る・・・」
心の中で、毎日同じ呟きが繰り返され
何度も泣きそうになりました。

夫と腹を割って話すのを、どこかで恐れていました。
自分の要求を通そうとするのは
わがままなんじゃないか、と遠慮して。

かといって、腹を決めて働くという覚悟も持ちきれない
中途半端な状態でした。

これは、誰も幸せにならない、残念な自己犠牲の一例です。

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|見返りを求める自己犠牲


そんな気持ちでいると、こういう言葉が出てきます。

「私はこんなにがんばっているのに。」

認めてくれない、わかってくれない
不公平だ、相手は楽をしている。。。

もう、相手の立場を考える余裕はありません。
自分のことでいっぱいいっぱいです。

「これだけやってるんだから、○○してくれて当然でしょ?」

そんな風に思っても、その求めている○○を相手はくれない。

だから怒りが募る。そして悪循環に陥る。


|腹をくくったプチ自己犠牲体験 


そのような苦い経験を通して、私は学びました。

今では当時の自分の状態の
何が良くなかったのかが痛いほどわかるので
同じ過ちは繰り返さないようにしています。

ぶつかることを恐れずに正直な気持ちを伝えること
遠慮しないこと、相手の立場を考えること、etc.

と言いつつも、できないときは未だに多々あります(汗


“一人ぼっちの彼女” の自己犠牲とは
比べものになりませんが

先日食事のことで、夫に対して
いつもとは違う対応ができたエピソードをご紹介します。


私が食に対して真摯に向き合っているのに対し
(ヘルスコーチの資格まで取るほどですから)
夫は無頓着です。

気が向いたときに、その時に食べたい物を食べる人なので
用意しておいた食事を食べなかったり
用意してない時に突然食べたいと言い出したり

それまで美味しいと言って繰り返し食べていたものに
ある日突然文句をつけ始めたり

私が朝早く作ったお弁当を平気で食べ忘れて
持ち帰ってきたときにはもう傷んでいたり

そんなことがよく起こります。

私が毎回どれ程、食材も調味料も良い物を選んで
夫の好みに合うように心砕いて用意してるのか
彼は知ってるのに

そういうことが起こる度に
私の労苦や愛を踏みにじられたような思いがして
怒りと悲しみで、かなりブチ切れたくなります。

時間も、心も、食材も、犠牲しているわけです。

丁寧にやっている分、痛みは大きい。


先日また、このようなことが起こりました。

朝食にスムージーを作ったのですが
夫は後で飲む、と言って
テーブルの上に置きっぱなしでした。

冷たすぎるのは嫌だから、と冷蔵庫に入れるのは拒否。

でも、お昼をすぎでも手を付けないので
冷蔵庫に入れました。

翌日の朝は飲むかと思って出しておいたら、また飲まない。

また何時間も放置してたので、冷蔵庫に入れました。

その翌日の朝、彼がようやく飲もうとしたときは
さすがにもう傷んでいました。

一瞬の間に脳裏に、スムージーに入れた
オーガニックの食材
色んなウェブサイトを駆け巡って厳選した
高価なスーパーフード
ミネラルドロップ
ビタミンのサプリ
などのリスト一覧が
ファンファーレのように鳴り響き

「また無駄にしやがった!!!」

という怒りが湧き起こりそうになりましたが
そこはぐっとこらえて


「また新しく作ろうか?」

と、にっこりして伝えてみたら

「い、いや・・・大丈夫。君に負担をかけたくないから・・・
ごめんね、無駄にして・・・」

と言って、ハグしてくれました。


彼は、若いときに摂食障害で苦しみ
未だに完全には癒されていません。

私がどれほど、彼の食事事情をわかろうと努めても
本人さえどうしたいのかよくわかっていないのです。

だから彼にとって、食欲や、何をいつ食べたいかを
コントロールするのは困難なようです。

私にはどうしても理解できない苦しみを、彼は抱えています。

私がいかに犠牲を払って作ったスムージーであったとしても

今目の前にいる彼が求めていること、
必要としていることに目を向けることの方が
よほど大事なのだ、ということに

ようやく思い至った瞬間でした。

そして、私も彼も、平和な思いに包まれました。


|自分の選択で状況は変えられる


これが言えて良かった・・・!


ここで、今まで通りにまた怒りをぶつけていたら
二人共苦々しい思いになり、
関係は幸せから遠ざかっていたでしょう。

これまで、それをやり続けていました。


夫婦や家族という近い関係性だと
どうしても甘えが出やすくなり
相手の立場を考えることよりも、どうしても
自分の満たされない思いや感情をぶつけてしまいがちです。

でも、そこを踏みとどまることで
平和や感謝を生み出すことに変換できる。

幸せを生むのか、不幸を生むのかは
自分の選択にかかっているのです。


夫婦関係って、修行だと思います。
 

こうやって七転八倒しながら
学ばせてもらい、気付き、
関係をより良くすることに努めることが
世界平和につながるのだ、と信じて
毎日を大切に過ごしていきたいと思います。

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最後までお読みくださり、ありがとうございます。

あなたの毎日が、あたたかな光に包まれて
良い氣に満ちて過ごせますように。

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