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かなり微妙なお年頃

認知症グループホームに入居している人は、90歳以上の人が多い。
次いで80歳後半。
だから、70代になったばかりの人が入ってくるとカルチャーショックと受ける。

転ぶと危ないから

90代で転ぶと骨折する危険が高い。
だから真面目な介護職員は転ばないように、ベッタリ横について歩く。
椅子から立ち上がると「トイレ?」「どうしたの?」「どこ行くの?」「座っててくれる?」
などと言う。

で、70代になったばかりの人に同じことをすると怒られる。
「年寄り扱いするな!」と。
ちょっとした物忘れと身の回りの整理ができなかったり、感情の起伏が少しあるくらい。
ただ、一人暮らしだからってだけで入居している。
で、まだまだ社会で働ける。

でもシルバー人材センターさんへの就業は難しい。
ボランティア活動は、誰かのサポートがいる。
このまま90代の方と施設の中で共同生活をするだけ??

仕事する?

あ、そうだB型就労ってあったよね、とふと思いついた。

B型就労は、介護保険制度とは別。
障がい者手帳がなくてもいい。
50歳以上が利用できる。
自治体に障害福祉サービス受給者証を発行してもらえば利用できる。
送迎サービスがある。
施設の介護職員が付き添わなくても、作業所に職員がいる。

要件そろってるやん!

で、「仕事する?」って聞いてみた。
するとなんか、嬉しそうにはにかむ。

過剰反応ちゃうか?

で、いつものごとく「言うだけタダやし聞いてみるね」と彼に伝え、上司に聞いてみた。
少しの段差でも気になる真面目な介護職員。
まず最初に「転んで怪我したら」と心配する。
少しの段差はあるけど、足が不自由な人も80代の人も利用してる。
で、作業場に職員がいるから大丈夫。

次に「一人で外に出てしまうんじゃない?」と心配する。
二重扉で玄関の前は駐車場。
作業場には人がたくさんいるし、それぞれのリズムで仕事ができるように職員が見てくれているから大丈夫。

と、言ったけど。
「やっぱり一人付き添いで見守りしなきゃ。」
だと。

職場に親がついていくかぁ?
保育所に親がついて一緒にいるぅ?

お役所仕事

とりあえず、申請用紙をもらいに市役所へ。
「あの~、代理で来たんですけど。」と書類だけもらおうとした。
「年齢は?」
「お名前は?」
と根掘り葉掘り。

70代と聞いた瞬間から、書類を渡そうとしない。
あの、書類だけ欲しいんですけど。
「ケアマネージャーさんに、連絡してもらって」と門前払い。

申請用紙って誰でももらえるよね。
自分たちの仕事が増えるから?
チャンスすら与えない。

65歳になる前に

「80歳の人も利用してるんですけど。」と伝えると
「65歳になる前に申請して、高齢になってもそのまま利用してる人もいます。」だと。

65歳になったら、書類は何度か突き返されるのが普通らしい。
「生涯現役で働きたい!」と80歳で2回書類を突き返された人がいた。
その後、B型就労の施設の人が熱心に説得してくれて、やっと受理されたらしい。

60歳、定年退職して認知症って診断されたのが65歳。
70歳少しこえて認知症グループホームに入居した。
作業場で体験した時の彼は、「職安か?」って嬉しそうやったのに。

これって、アウトなんやろか?
なんだかなぁ…。。。