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なぜみんなサリンジャーを探したがるの?『ライ麦畑でつかまえて』

PASSAGEの一棚店主、峯丸ともかです。
なんと、【峯丸ともかの本棚】から2冊目が旅立っていきました!

『ライ麦畑でつかまえて』(講談社英語文庫)です。

そう、これ英語版なのです。
「ライ麦」は、原作で読んでみたいなぁとずっと思っていた本で、5年くらい前に書店でみつけて購入しました。

物語はすでに知っているから、英検2級の峯丸でも、なんとか読めました(^_^;)

高校生の頃、はじめてライ麦の翻訳本を読んだのですが、その当時はあまり響かなかったのです。なんとなく、「ライ麦はオシャレ」という流行に流されてしまっていたのが良くなかったのでしょう。

だからいつか原作本を、きちんと読んでみたいと思っていました。
今回、旅立っていってくれて嬉しいです。
購入してくださった方、ありがとうございます。

今日はもう一つ、映画の話をしようと思います。

サリンジャーの小説は、許可がおりないので映画化するのが難しいのですが、本人に関しての映画は、近年複数制作されています。

今年の5月、日本でも公開された映画『マイ・ニューヨーク・ダイアリー』もそうです。
この映画は、ジョアンナ・ラコフの自叙伝『サリンジャーと過ごした日々(My Salinger Year)』が原作です。

サリンジャーを担当する出版エージェントで働く若い女性が、サリンジャーの電話を受けたり、ファンレターの返事を出したりして、作家のサポートをするのが、「羨ましい!」映画でした。

サリンジャーは、「ライ麦」後、公の場をさけるようになり、ニューハンプシャー州コーニッシュで暮らしていたと言われています。
一般的には、どこに住んでいるのかも秘密だったので、会うこと自体が珍しすぎる体験になるわけです。
映画の中でも、エージェントで働く人ですら「めったに会えない謎の存在」になっていました。

謎だから、多くの人がよりサリンジャーに憧れて、「あいたい!」と思ってしまうのでしょうか。想像が膨らんでしまうというか、「どんな人物なのか知りたい!」という欲が抑えられなくなってしまうのかも。

サリンジャーのエージェントで働いていたり、会いに行ったりした人のエピソードが小説や映画になってしまうくらい、サリンジャーというのは、アメリカ人にとっては特別な存在なんですよね。

高校生のときに、サリンジャーに会いに行ったことを大学入試のエッセイにして出したら、ハーバード大学に合格した人もいます。
ジェームズ・サドウィズ監督の自伝映画『ライ麦畑で出会ったら(Coming Through the Rye)』(2016)で当時の出来事が語られていて、とても興味をひかれました。

人生、心から「やってみたい」と思ったら、ハードルが高くてもやってみるべきなのかも?と思わせる、好奇心の良い効果と可能性を感じるエピソードでした。




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