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肥後百景#25【通潤橋】

ゴゴゴゴゴゴゴゴーーーーーーー

物凄い轟音と空気の振動を伴って勢いよく橋の中央から下を通る川へ向けて水が放水される光景を写真や映像などを通して見かけてことがある人もいるのではないか。

全国的にも有名な熊本の観光スポット
通潤橋

先人の叡智と努力の結晶としてこの地に造られた話は地元だけでなく全国区の伝説となっている。小学校の道徳の教科書にも載っている。

そんな有名なだけあって、社会科見学での見学地にもよくなっている場所なのだが、例に漏れず僕も見学で行った。

この放水、初めて目の当たりにした時、事前に学習していたとはいえ想像以上の迫力で度肝を抜かれた。

晴天で、放水された水飛沫に太陽光が綺麗な虹を演出するのも含め小学生の僕たちのテンションは爆上がりしていた。マイナスイオンという言葉はその時知らなかったけれど、知っていたら連呼していただろう。

ただ、僕は長時間のバス移動でトイレを我慢していた。それを一瞬で忘れさせる眼前に広がる光景とマイナスイオン。

あっという間に終わった見学時間とそこからまた始まった長時間の移動。
身体は正直だ。
膀胱が悲鳴を上げ始めた。

マイナスイオンをたっぷり浴びた僕は全身で水分を含んでいたのかもしれない。
変な汗が出るぐらいには我慢した。
しかしとっくに限界を超えていた僕は、飲み干した水筒の中に放出するか、エチケット袋の中に上手いこと放出するか、いろいろ考えたが下半身を露出する抵抗感があまりにも強すぎて断念した。こんなところでモロ出ししたら末代までバカにされる恐れがある。

勇気を振り絞り、担任の先生に伝え、近くにSAやPAもなく路肩に寄せてもらうことになった。

立ちションを余儀なくされた。

背に腹は変えられない。

思いっきり放出した。

ジョボボボボーという音は自分の中ではゴゴゴゴゴゴゴゴーーーーーーー

ぐらいの勢いだった
虹がかからなかったのだけが唯一の救いだった

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