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みんなと手を取り合いながら歩んでいく。コスメのまち、唐津市に。<前編>

みんなとチョイス」のnoteでは、ふるさと納税を通じて、地域をもっと元気にするために頑張るヒトの声を、ふるさとチョイススタッフとの対話を通して、お伝えします。


4月22日(土)、佐賀県唐津市と「みんなとチョイス」のファンミーティングを開催しました。

今回のファンミーティングは、佐賀県最北端にある、『加唐島(かからしま)』でつくられる椿油の魅力に触れ、その可能性について、みんなと考えることがテーマ。

そして、ファンミーティング終了後、唐津市のふるさと納税担当者と、加唐島の椿油を使ったコスメをプロデュースする事業者、そして、ふるさとチョイススタッフが、当日の様子を振り返りながら、これからのまちの未来について話しました。

その様子を、<前編><後編>の2回に分けて、お届け!
このnoteは、前編。唐津市が、『唐津コスメティック構想』を掲げて、これまで取り組んできた活動や、それに対する想いを中心に紹介していきたいと思います。

藤井 謙策さん
佐賀県唐津市役所 経済部 からつブランド・ふるさと寄附推進課
佐賀県唐津市出身。2000年4月に唐津市役所に入職。2022年4月にふるさと納税担当者となる。現在は、ふるさと納税業務全般を行う。

松尾 聡子さん
株式会社バーズ・プランニング代表取締役
佐賀県唐津市出身。総務省 地域力創造アドバイザー。
広告・デザインを手掛ける傍ら、地域の活力となる看板商品を開発するプロジェクト「地域まるごとデザイン」を2016年にスタート。加唐島の椿油を使用した化粧品「TBK COSME」を生み出し全国のコスメアワードなど受賞歴多数。

水谷 智貴 
ふるさとチョイス事業本部/地域ソリューション統括部
埼玉県さいたま市出身。2020年にトラストバンクに入社。主に、ふるさと納税業務に携わる自治体のサポート業務などを担当。

佐賀県唐津市の取り組み

唐津市全体で盛り上げる、『唐津コスメティック構想』

水谷:今日のファンミーティング、お疲れさまでした!松尾さんが講師を勤めた、椿油を使ったコスメづくり体験、すごく楽しかったです。

松尾:お疲れさまでした〜!私もすごく楽しかった!!

藤井:正直、開催が決まってから1ヶ月半で、こんなに濃密なファンミーティングが開催できると思っていなかったので、水谷さんと松尾さんのご協力に、感謝しています。

水谷:こちらこそ、ありがとうございました。今年の2月末に、唐津市役所から、ふるさと納税担当の藤井さんと、コスメティック産業係の担当者が揃って、私たちのオフィスに来ていただいて。その時に、唐津市で推進されている『唐津コスメティック構想の取り組みについて、お話を聞かせていただいたのが、今日の開催に至ったきっかけです。

『唐津コスメティック構想』とは
唐津と玄海町を中心とする佐賀県に、美容・健康産業の集積地をつくる取組み。
その実現のため、佐賀県・唐津市・玄海町・民間企業・大学などが連携し、設立された「ジャパン・コスメティックセンター(JCC)」が推進母体となり、産学官連携のもと、地域資源をいかした経済活動の活性化と、雇用の創出を目指した取組みを進めています。

唐津市役所HPより引用

藤井:私が所属する部署の中に、『コスメティック産業係』というチームがあり、この『唐津コスメティック構想』をメインで推進してくれています。そして私も、ふるさと納税担当として、この“コスメ産業”を、唐津市全体で盛り上げるために、連携したいと思っていました。

水谷:2月末に、コスメティック産業係の担当者とお越しいただいた際に、「一緒に盛り上げたい!」という熱意がすごく伝わりました。

藤井:あの時、伺って良かったです。

水谷:僕はこれまで、様々な自治体のふるさと納税担当者と接してきましたが、「他の部署と連携してPRしたい気持ちがあるけど、なかなか協力体制を組むのが難しい」と悩まれている担当者の姿を、何度か目にしたことがあります。だから、唐津市は、横の連携がしっかりできていて、すごいと感じました。

コスメティック産業係の担当者と、藤井さん

藤井:市役所内だと、どうしてもそういう連携が難しいんですよね。でも、私たち『からつブランド・ふるさと寄附推進課』と『コスメティック産業係』は隣の席でもあるので、相談がしやすい関係なんです。

水谷:物理的な距離の近さは、大事ですね!

藤井:唐津市のふるさと納税というと、”佐賀牛のハンバーグ”、“呼子のいか活造り”などの、お礼の品が人気。ですが、食品以外にも、唐津市の魅力を感じられるお礼の品を探していました。

松尾:そこで、「コスメがある!」と思ったわけですね。

藤井:そう。唐津市全体で取り組んでいることだったし、一緒に情報発信をしよう!という話になって。あと、コスメだったら常温で展示ができるので、唐津市をPRするイベントへの出展がしやすいだけでなく、その中で「唐津コスメティック構想」の情報発信もできるのでは?と思ったんです。

松尾:私も、ふるさと納税をされる方にとって、「唐津市=コスメ」というイメージは、まだ無いと感じていて。だから、このファンミーティングのお話を聞いた時、「チャンスだ!」と思って、コスメ作りワークショップをすることを、すぐ引き受けました。

藤井:こういうお声掛けをすると、松尾さんはいつも協力してくださるんです。本当に感謝しています。

『唐津コスメティック構想』で描く未来

水谷:「唐津市=コスメ」という認知を進めていくうえで、現在はどのような取り組みを考えていますか?

藤井:そもそもですが、“コスメ”以前に、唐津市自体の認知度がまだまだ足りないと思っています。

松尾:最近、“長崎県唐津市”と書かれていたことも、あったんでしょう?

藤井:はい。“唐津焼”とか、“唐津くんち”は、認知度が上がっているのかなと感じますが、やっぱり、唐津市全体の魅力発信が必要だと思っています。その上で、『唐津コスメティック構想』のような取り組みを伝えていく、という順番なのかなと。

松尾:そうですよね。その結果、「唐津市=コスメ」というイメージがついて、ふるさと納税にも繋がるといいですよね。

藤井:コスメの魅力を伝える時にも、「浅く広く」ではなくて、「深く狭く」浸透させるのがいいと思っているんです。だから、今日のようなファンミーティングの規模感で、私たちの取り組みや、唐津市のコスメに触れていただく時間は、理想的でした。

松尾:少人数でも、丁寧に伝えることで、その方々の記憶に深く残るはず。そして、家族や友人に良さを伝えていただいて、唐津市のイメージや魅力が、徐々に広がっていくといいですよね。

唐津市の豊かさまで見据える、『地域まるごとデザイン』

水谷:今日のファンミーティングの時間の中で、松尾さんの、唐津市への愛を感じる瞬間がたくさんありました。

松尾:ほんとですか!?うれしいです。子どもの頃は、地元に目を向けていなかったのに、デザインの仕事をする中で、唐津にある地域素材の魅力に惹かれて、いまこうして唐津市で仕事をしているのが、不思議で仕方ないです。

水谷:松尾さんは、デザイン会社を営みながら、唐津市加唐島の椿油を使った化粧品をプロデュースされていますよね。椿油に出会ったきっかけを、教えてください。

松尾:私は、これまでもデザイナーとして、ポスターやグッズを制作していました。たくさんの経験の中で、その先にある、その人たちの豊かさまで考えることがあって。その時に、『地域の人がどう在るべきなのかまで、デザインする』、という考えに行き着きました。そして、『地域まるごとデザイン』というコンセプトが、自分の中に生まれたんです。

藤井:『地域まるごとデザイン』。いい考え方ですよね。

松尾:その考えが漠然とあった頃に、ものづくりをするための素材を探していました。すると、ある日、父から「加唐島の椿油はどげんや(どう)?」と言われて。とりあえず船に乗って、加唐島まで行きました。

水谷:お父さまの言葉が、椿油との出会いに。

松尾:加唐島に着いて、椿油を作っていた、島のおじいちゃんやおばあちゃんに、話を聞きました。そしたら、「この作業を何のためにやってるか分からない」、「虚しい」など、マイナスな言葉が返ってきて。

水谷:良いものを作っていても、その価値を感じられずに、とりあえず伝統を継いでるような感じだったんですね。

松尾:島のおじいちゃんの「虚しい」という言葉が、本当に悲しすぎて…。その時に、「ものづくりの素材は、絶対に、加唐島の椿油にしよう!」と決めたんです。

水谷:では、「椿油の成分の魅力に惹かれてコスメ作りをしよう」と、最初から決めていた訳ではなくて、その状況を変えるために、椿油の価値を高める取り組みが始まったと。

松尾:はい。こんなに頑張って作っている、椿油の魅力に気づいていない人に、気づいてもらいたい。そして、自分の取り組みを通じて、島の人や地域の人が、豊かになるなら本当に嬉しい。まさに自分が求めていた、『地域まるごとデザイン』ができると、確信しました。

加唐島の椿油から生まれる、循環社会

藤井:松尾さんは、加唐島の椿油を使ったコスメTBK cosmeのプロデュースや、ドレッシング食用オイルなど、食べる椿油なども展開しています。

水谷:椿油がもつ可能性を、どんどん広げていらっしゃるんですね!

松尾:プロジェクトを始めてから、徐々にですが、加唐島の椿油の価値が上がりました。その結果、「虚しい」なんて口にしていた島の人たちも、やる気を出してくれるようになりました。

水谷:それは嬉しい!きっと、島の人たちも喜んでいますよね。

松尾:きっと喜んでくれていると思います。敬老の日には、必ず島に行って、私がプロデュースした商品を、島民全員に配るようにしています。「あなたたちが頑張って作った椿油が、こうやって商品になっているんだよ」って。

藤井:そうやって形になったものを見ると、嬉しいですよね。

松尾:島のおばあちゃんが、泣きながら「ありがとう」って言ってくれて。その姿を見ると、やって良かったなと思います。

水谷:泣ける…。

松尾:でもこれは、私だけの力じゃない。唐津市のコスメティック産業係、佐賀県のコスメティック構想推進室、ジャパン・コスメティックセンター(JCC)の皆さんと、協力してできたことです。

水谷:『唐津コスメティック構想』を推進する同士のつながり、本当に強いですね!

松尾:はい。これに留まらず、もっとたくさんのことをやって、島の人たちのやる気を高めていきたいです。そして、椿油の可能性を世の中に発信しながら、本物の椿油を求める人が増える。結果的に、新しい産業も生まれたりして、島にお金が入るような未来を目指したい。

水谷:『循環型の社会』ですね。まさに、地域の人のその先の未来まで見据えてデザインする、松尾さんらしい考え方。

水谷:このプロジェクトを通して、松尾さん自身の変化はありましたか?

松尾:うーん。「何事にもめげない強さ」を手に入れましたね(笑)

藤井:どんどん、パワーアップしていますよね。

水谷:確かに、松尾さんと接していると、すごくエネルギーを感じます!今日のファンミーティングの参加者の中にも、松尾さんの”強さ”に共感されている方もいましたよ。

藤井:松尾さんは、賞も多数受賞されていたり、いわば唐津市の女性起業家の中でもリーダー的な存在です。松尾さんに続くような方が、どんどん出てくれば、唐津市も、もっと元気になっていくと思っています。

松尾:嬉しいです。でも、私だけの力じゃ、全然足りないので、一緒に盛り上げていきたいですよね。

水谷:『唐津コスメティック構想』を推進する上でも、一緒にまちの取り組みに協力してくれる、松尾さんのような存在は不可欠ですね。唐津市役所内での連携、そして事業者との共創。最高のパートナーシップを感じた1日でした!


”みんなと共創しながら、『唐津コスメティック構想』を推進する”

市役所内における、ふるさと納税担当と、コスメ担当の、チームの垣根を超えた、情報発信。そして、まちの取り組みに協力的な事業者の存在。

みんなと手を取り合いながら、まち全体で、「唐津市=コスメ」という認知を広げ、まちの未来に繋げていく、強い意志を感じました。

<後編>では、東京都内で開催した、ファンミーティング当日の内容を振り返ります。また、これから唐津市が目指していきたい “まちの未来” について話す様子もお届けしますので、おたのしみに!

※<後編>を公開しました(2023.05.29)


佐賀県唐津市をふるさと納税で応援

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▼松尾さんが手がける「TBK cosme」のお礼の品一覧


「みんなとチョイス」とは?

私たちは、ふるさと納税ポータルサイトを運営している「ふるさとチョイス」です。私たちは、寄付者の想いを地域に届け、地域の変化を寄付者に発信しています。

その活動の一つである「みんなとチョイス」では、地域で活動するヒトの想いに触れ、地域の魅力や課題についてみんなと一緒に考えるファンミーティングなどを行いながら、持続可能な地域の未来をいっしょに考える場をつくっています。

そして、ふるさと納税を通じて地域をもっと元気にするために頑張るヒトの声を、もっとたくさんの方と共有したいと思い、このnoteで、ふるさとチョイススタッフとの対話を通してお伝えしています。

そして6月は、茨城県境町と「近未来モデルを体験!境町の取り組み見学ツアー」というテーマで開催が決定!

全国初となる「自動運転バス」定常運行の体験乗車。そして、地域商社・自治体・事業者が共に新たな産業を生み出すようなまちづくりの取り組みを、見学しに行きます。

干し芋を製造している見学や、ワインの試飲会も実施予定!

また、ツアーの中で発見した「境町の推しポイント」をみんなと共有しあい、ふるさと納税をきっかけに境町に行きたくなるためには?について、意見交換するワークショップもおこないます。

下記から、ご参加をお待ちしております。

※申し込みは、6月5日(月)まで






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