見出し画像

ある小学4年生の英検準2級体験記 & 英検を受けさせる親の心境

昨日、2次試験の結果が出て合格していたので、忘備的に振り返ってみます。

英語育児(おうち英語)をされてきた子どもが、英検準2級をどんなふうに受けたのか、という1つの体験談です。

Lucasは、試験勉強らしきことはやっていません。試験対策の情報を求める方には、全くお役に立てない内容であることを、先にお断りしておきます :)

別の記事で、姉Leahの英検1級の体験記もあります。ご興味あればあわせてご覧ください。



小学生の英検受験、親の心境は

小学生の英検受験にはドラマがつきものです。

当日になって、やっぱり行きたくない、と言い出したり、試験会場に着けば、異様な雰囲気に圧倒されて、気分が悪くなったり。

どんなにしっかりした子でも、合否の出る試験となると、親は気を揉みます。ましてや、年齢のわりに幼さの残る子なら、なおさらです。

英検に申し込むのは親です。受けるかどうかの判断は親がする訳です。たとえ、何かをきっかけに、子ども自身が「英検を受けたい」と言ったのだとしても、全責任は親にあります。

だからこそ、子どもに無理をさせていないだろうか、そもそも受ける必要もない試験を受けさせて、わざわざ不合格の経験をさせ、本人をガッカリさせることにならないだろうか、と毎回気持ちが揺れることになります。

しかし、そんな親の心配をよそに、英語を聞き、英語を読む練習が習慣化できている子どもは、リスニングでは、高得点(あるいは満点)を獲得し、リーディングでは、分かる部分をつなぎ合わせて「何となく」理解し、いとも簡単に合格水準に達してしまう。今回もそのような結果となりました。

小4Lucasの最近の様子

Lucasは小1で5級、小2で4級、小3で3級を受験してきました。
毎回がドタバタ劇でした。

小4になり、今度は準2級にチャレンジ。

これまでと違うのは、4年生から中受塾に通うようになり、家で英語にふれる時間が減っていること。
また、姉Leahが受験生なので、何かと姉優先の毎日で、母Minnieの英語サポートがほぼなくなっていること。

ふだんの英語の取り組みは、リーディング(Raz KidsやOxford Reading Clubなど)と動画視聴(Little Foxなど)を細々と続けるのみ、となっていました。

英検準2級1次(筆記)

過去問練習、直前の様子

Lucasはそもそもペーパーテストが嫌い。
「もうすぐ英検だ」と口にはするけれど、それとなく誘っても、過去問をやらないまま、試験の1週間前に。

そこで、いつもの小出し作戦
「今日はこの3問をやってみようか」
「今日はリスニングのこのパートを2つ練習してみようか」

親としては、英語の理解力としては達しているだろうと踏んでいるものの、問題の形式が分かっていなければ、大ヘマをしかねない。とにかく形式を「知る」「慣れる」ことに専念しました。

小4にもなって、相変わらず「消去法」ができないLucas。パッと見の「勘」だけで、いきなり1つの答えを選んでいる。「違うと思ったらcross outしよう。残った中から答えを選ぼう」と、何度伝えたことか。もう少し立ち止まって考えれば、正答率は上がるだろうに、もったいないこと。思えば、姉Leahは、小1で当たり前のように消去法ができていました。これも個性というか何というか。

長文読解の問題では、パッセージの長さに圧倒されがちです。準2級では、読解問題で問われる内容が、ほぼ、1パラグラフにつき1問となっていることに注目して、1つの長いパッセージではなく、数行のパラグラフに対して1問、と見るようにしました。
パラグラフの区切りが一目でわかるように、パラグラフの境目に横線を引いて、その範囲から答えを探す、という練習をしました。

しかし、直前の練習だったため、本番の試験では、案の定、すっかり忘れてしまったそう。一番最後の長文にたどり着いてはじめて「線を引く約束」を思い出したとのこと。まあ、最後のパッセージが一番長いので、そのときに思い出せただけ良かった…。

時間配分と解く順番の確認

英検の前日は、時間配分と解く順番について説明。

取り掛かる順番は、大問1→2→5→3→4の順。
まず、短文の大問1と2を解き、調子が出てきたところで、大問ライティングを20分以内で書いて、残った時間で、大問3と4長文読解に取り組む、という作戦を立てました。

Lucasの場合、大問1と2は勢いよく進むので、時間が不足することはない。ライティングは何も書かなければ当然failするので、とにかく何か書くように。ただし、読解問題の時間を確保するため、ライティングは20分以上の時間をかけない(この時だけ時計を見る)、と約束する。苦手な長文は残り時間のある限り解く。

準2級のリーディング&ライティングパートは75分、リスニングパートは25分。
それぞれのパート全体を通して問題を解くということを、一度もせずに本番に臨んだため、途中で集中力が切れて、投げ出してしまわないことを祈るのみでした。

本番、ライティングで何を書いたか

今回のお題は、「コンビニでランチを買うのは良いことか」というもの。

Lucasは、はじめは「convenience store」の「convenience」が読めず、ボーっとしているうちに、母との約束の20分のうち15分が過ぎてしまったとのこと。
conven… conven… conveni… convenien… convenienc…
「あ、コンヴィーニエンス・ストアか」とようやく気づき、慌てて書き始めたそう。

「良いことかどうか」なんて、あれこれ考えたら、作文できなくなりそうですが、Lucasの場合、その心配はゼロ。

Lucasの作文。「良いと思う」としたうえで、挙げた理由は、「1つには、おにぎりがうまい。例えば、鮭おにぎりがうまい」「2つには、サンドイッチが安い。例えば、ツナサンドが安い」。「したがって、良いと思う」。

小学生は、物事をシンプルに考えるのが得意!!

英検準2級2次(面接)

直前の準備

時間がないなか、母が注目したのは、Question No. 3のPicture Bの問題

「Please describe the situation(この状況を説明してください)」
いかにも、ダラダラと説明して、まとまらなくなってしまいそうな問題です。
そうならないように、型を覚え込みました。

Lucas was hungry, so he ate pizza.
Lucas ate pizza because he was hungry.

Picture Bの説明は、このどちらかの形を使って話すように、と説明。
(もちろん、実際には、これ以外のパターンも出題されうる訳ですが、今回は省略)

Lucasには理屈を説明しても通じないため、身近な例文を頭に入れて、その型をマネして話すようにすることで、ようやく本人が納得し、できるようになりました。

本番、答えられなかった問題

面接試験で、難易度が高いと思われるのはQuestion No. 4No. 5

しかし、準備に付き添うはずの母に時間がなく、とにかく無言にならないように!とのアドバイスだけでのぞむことに。(かなりムチャな対応)

予想のとおり、本番では、No.5の質問の意味が、いまいち理解できなかったそう。Lucasは、なんとなく意味を想像して「Yes.」と答えたものの、「Please tell me more.」に対しては、言葉に詰まる。問題に対する答えではなく、「It is…. difficult….」とつぶやいてしまったとのこと。

この1問は大きく減点されたはずですが、他の4問にはなんとか回答し、合格水準に達したようです。
アティテュードが3/3と満点だったので、何とか回答しようとする姿勢が評価された?のかもしれません。

まとめ

英検準2級は、中学生を想定した英検3級までと違い、高校生が受けることを想定しているため、内容的にかなり難しくなる印象を持っていました。

たしかに、語彙問題では、抽象的な意味を持つ単語も入ってきますし、長文問題では、日常生活やその延長の話題に限らず、社会的な内容なども入ってきます。

しかし、今回のLucasの体験を通じて感じたことは、やはり小学生は、小学生として分かる範囲で取り組めば、対応できてしまう、ということ。

抽象的な単語や、長文の高度な内容は分からなくて当然。分からないところは気にしない。その代わりに、分かるところに専念して、分かる部分をつないで読み進めていく。小学生としての読み取る力、理解する力を総動員して問題を解いていく。

英語育児(おうち英語)で、英語の音を聞く練習を積んできた子どもは、海外経験のある子ども(帰国子女)と同様に、とにかくリスニングが得意。リスニング力で、リーディングの内容の理解が及ばない部分をカバーしつつ、ライティングとスピーキングでは、シンプルな内容シンプルに書き切る・言い切ることが、1つの有効なアプローチと言えそうです。

各技能のバランスはかなりいびつですが、成長とともに整っていくものだろうと考えています。



最後までお読みくださりありがとうございました。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?