見出し画像

出版120周年のピーターラビットを楽しむ ①絵本編 & テキストレベル高めの名作絵本について

世界中で愛されている、ビアトリクス・ポター(Beatrix Potter)のピーターラビットの絵本。

シリーズの1作目、The Tale of Peter Rabbit (邦題:『ピーターラビットのおはなし』)は、今年10月に出版120周年を迎えるとのことです。

これにちなんでMinnie家でもピーターの絵本を読み返したり、改めてアニメや映画を観たりしました。

これらのコンテンツを、英語育児の観点から振り返っておきたいと思います。



ピーターラビットの絵本、テキストレベルは難しめ

ピーターラビットの絵本は、子どもに英語の絵本を選ぶとき、手に取る方も多いと思います。

私も5年ほど前、丸善の洋書バーゲンでみつけ、やさしい水彩画の挿絵に惹かれて、シリーズの1作目を購入しました。
ハードカバーで手のひらサイズのオリジナル版ではなく、イラストも文字も大きめなペーパーバック版でした。

さて、この手の名作絵本を英語育児に取り入れるとき、少し注意が必要です。

「幼児に読み聞かせる」ことが想定されており、お話の「対象年齢」よりも英文の「テキストレベル」が高めになっているためです。

1作目のThe Tale of Peter Rabbit では、

であるのに対して、英文のテキストレベルは、

*AD (Adult Directed)=読み聞かせに向いている絵本につけられるコード

と、なんと、3学年も上の、Grade 2~4となっているのです。

Source:  
Lexile Hub https://hub.lexile.com/find-a-book/book-details/9780590411011
Scholastic Book Wizard https://shop.scholastic.com/teachers-ecommerce/teacher/books/the-tale-of-peter-rabbit-9780590411011.html


対象年齢よりテキストレベルが高めの名作絵本について

ピーターラビットのように、テキストレベルが高めの絵本は、英語育児でも、想定どおりに「乳幼児に読み聞かせ」するのに最も適しています

幼い子どもは、意味が理解できないところがあっても気にせず、雰囲気を感じて、絵を見て楽しむことができるからです。

しかし、このような名作絵本を使って「自力読み」につなげようとするとき、難しさが出てきます。

まず、英語の絵本が少し読めるようになってきた子どもが、自分で読もうとしたとき。案外、難しくて読めない、ということになります

さらに読みの練習が進んで、このレベルの文章が読めるようになった子どもの場合。今度は、小学生向けの英語の児童書が楽しめるようになっていますから、幼児向けのおはなしであるPeter Rabbitの絵本に興味を示さなくなる、ということになったりします。


Minnie家では、出版120周年ということを知って、本棚の奥から引っ張り出したところ、子どもたちがその絵本を懐かしみ、改めて自分で読んでみる、ということになりました。
そのようなきっかけがなければ、ピーターラビットの絵本は、読み聞かせだけで出番が終わっていたことでしょう。

実際、本棚を見渡すと、読み聞かせのあと、出番がなくしまい込まれた絵本がたくさん…
Curious George(レイ夫妻によるオリジナル絵本)シリーズしかり、Frances the badger(アナグマのフランシス )シリーズしかり。


読みの練習、特に導入時期においては、子どもの読みのレベルに合ったテキストレベルの本がどうしても必要です。しかも、数もたくさん必要になります。

名作絵本を親子で楽しみつつ、読みの練習としては、別途リーダー本などを組み合わせて、段階的に進めていくことが、習得の一番の近道であると感じています。

手のひらサイズのThe Tale of Peter Rabbit オリジナル版Frederich Warne & Co.)より:

The Tale of Peter Rabbit ペーパーバック版(Penguin Young Readers)より:
(イラストは、ビアトリクス・ポターの挿絵をもとに、別のイラストレーターが描いたもの)


お読みくださりありがとうございました。

ピーターラビットのアニメと映画については、別記事にしたいと思います。


※本記事は他ブログから移行したものです(元の投稿日:2022.07.18)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?