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寒い日の”豚汁”から学ぶ、上手な文章の書き方

文章がうまくなりたいな・・と最近思うことが多い。だからこそ、WEBや雑誌で人様の書いた文章をまじまじと読んでは「なんでこんなに上手く書けるのか」と絶句してしまう機会も増えたように思う。


そんな中、そもそも、私にとって上手な文章とは?

という問いを考えてみた。

きっとこの答えは人それぞれだと思うけれども、

私は数分ほどして、

「寒い日の”豚汁”みたいな文章かな」という答えが浮かび上がってきた。


上手な文章とは、「寒い日の”豚汁”みたいな文章」


雪国富山で育った私は、からっ風が吹く寒い日に学校から帰ってきて食べる祖母の豚汁が大好きだった。

家の近くで豚汁の匂いがすると、ランドセルを投げ出して、本気ダッシュで台所に向かっていた。


祖母のつくる豚汁には、サツマイモや大根など体に良い野菜がゴロゴロ入っていた。

たった一碗でお腹も心も満たされる。


残り物の野菜だったのだろうが、たまに普段はあまり入れない里芋類も入っていることがあり、それを見つけることも子供心ながらに楽しみだった。


私の家は農家だったので、豚汁に必要なネギ、大根、人参、里芋など殆どの野菜が、台所の横にある畑で採れていた。

贅沢食材は一切入っていないけど、半径5m以内の食材で作られた豚汁が私は小さい頃から大好きだった。

そんな一品を思い出しながら思う。
私にとって優しい文章とは、カサカサした心を温めてくれる豚汁みたいな文章なのだ。

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文章を書くために大切なこと


では、どうやったら、そんな文章が書けるのか?

どこを探しても「寒い日の”豚汁”みたいな文章の書き方」なんてノウハウ本は本屋にありはしない(笑)

そんな時、

本屋をブラブラしていると「暮らしの手帖」初代編集長の花森さんの遺し「実用文十訓」に出会う機会があった。

「実用文十訓」


・優しい言葉で書く
・外来語は避ける
・目に見えるように表現する
・短く書く
・余韻を残す
・大切なことは繰り返す
・頭でなく、心に訴える
・説得しようとしない(理詰めで話をすすめない)
・自己満足をしない
・一人のために書く
(松浦弥太郎「自分で考えて生きよう」より抜粋)

この中で一番刺さったのが「一人のために書く」ということ。

WEBで文章を書くことが当たり前になると、すぐに「いいね」やPV数で自分の文章への反応を見られる一方で、「一人の読み手」への思いを忘れがちになる。

だからこそ、この訓が私の心に深く残った。

あったかい文章を書くために


私にとっては、なんであの豚汁が”温まる”代表格になっているかと振り返ってみる。

それは、私の祖母が、寒い中帰ってくる孫たちがすぐ温まるように、また栄養がとれるように、おいしくなーれと、心をこめて、作ってくれたからだ。

身近な素材を使って毎回ちょっとずつ美味しくなる工夫をしてくれていた。

味噌が多く濃いときもあったし

豆乳が入っているときもあった。

きっと小手先の術やノウハウではなく。

誰かひとりの顔を思い浮かべて、その人が喜んでくれたらいいなと工夫してくれていたのだろう。


そんな祖母の背中を思い浮かべながら、

私の文章も、誰か一人が喜んでくれるように書けばいいと思うようにした。そう思うと、「上手く書きたい」と思っていた自分の肩の荷が下りた気がする。

何事も人が温かいと感じるものは、
「たった一人のため」に注がれた時間が形になったものなのかもしれない。

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(写真:弟の結婚式にて、ハレノヒの祖母)


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Mino@元ダブル正社員/夢は三拠点生活 (@Mino__Megu) | Twitter
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