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【毎週ショートショートnote】みんなで動かない②

時は戦国時代、ここ甲斐にある寺子屋『武田学園』で、理事長の武田晴信たけだはるのぶは頭を悩ませていた。

毎年体育祭のメインイベントである騎馬戦は、とても迫力があって魅力的なのだが、最近の新入武士たちは、泥まみれの競技にあまり興味を示さないのだ。なので、武田理事長は教務主任の山本勘助やまもとかんすけ先生に相談した。

とりあえず新入武士にアンケートを実施したところ、演舞ダンスなるものが流行っているとの事。そう言う理由から、創作演舞そうさくだんす対決も加わり、演舞団として風組、林組、火組、山組と分けられ、各組は本番まで練習を重ねた。



本番当日、演舞の刻にて、創作演舞が披露された。

初めは風組。キレキレのヒップホップ演舞で素早い動きが特徴的。

次の林組は緩やかに流れる様な流線で、ゆったりとした演舞…まるで太極拳の様な動き。

3番目は火組。なかなかの攻め姿勢なブレイク演舞で会場が最高潮に盛り上がる。

そして大トリの山組の番だ。

「あれ? みんなで動かないんですけど…」


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