震える空気の旅 -3-

静寂のなかで弾ける
ミクロのバブルは
真の静寂が何かを
教えてくれたんだ

以前は目を開けていたら
その音に気づくことは出来なかった

微かに
震える空気は
ゆっくりと

あなたのもとへ向かいました

遠い遠いあなたの場所へ

時には偶然、赤いバスに出会い
峠を上り
窓から見える青々とした絨毯に
銀色の糸の束を放り出したような
美しき滝の音に
かき消され
旅した震える空気は
消えることもあります

チ..チ..

いままで聞こえなかった秒針の音が
ふと耳元で鳴りました

私は手紙を引き出しのなかに

あなたからもらった手紙を
引き出しのなかに

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