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着付教室の光と影。

三連休。

チビは3日ともサッカー。
ダンナは昨日今日とトレイルランで
山の中を走っています。

私は昨日
サッカーの後で
チビを連れて
私の所属する着付教室の
着物の展示会へ。


訪問着の生き洗いを2着
お願いしたくて。


展示会でクリーニングを
お願いすると、
職人さんが見ているところを
確認できますし
一般的なお値段よりずっと
お値打ちなのです。


一着は
チビの七五三と
私の七五三で
子どもでも大人になってからも着た
こちらの菊立涌文様の綸子。

今ね、私のスマホケースも
こちらの着物です。

SUZURIで作りました。
写真の色が悪いですが、思ったよりいい感じ✨


2つ目はこちら。
菊と牡丹のお気に入りの訪問着。

職人さんにお見せしたら
「どちらも今どきは見ない
 珍しいものですね」とのこと。
そう、これは母の若い頃の時代のものです。

だから、クリーニングは
信頼できるお店にお願いしたい。


着物のクリーニングって
信頼のおけるところに頼まないと
むしろ汚れて、手のつけられない
状態になって
返ってくることがあるんです。


その点、教室経由なら安心です。

クリーニングの手続きを
している間や
先生方とお話している間、
チビは
「糸をつくるの、見にいく!」と、
何度も何度も
こちらを見に行きました。

くみひもで帯締めを作る
職人さんの技が気になって
じっと見続けていました。


「おかあさん、これほしい!」と
持ってきたのは
金糸の入った藍の
豪華な帯締め。

はちまんさんぜんえん……。

「そ、それはね
 女の人の着物用なの」
と逃げると、
あからさまにガッカリするチビ😅

他にチビはこちらも
熱心に見ていました。

草木染めです。
自然の色は美しいですね。

下の三色は
りんごの木で染めたそうです。
実際の木のチップを
しげしげと見るチビ。

草履の職人さんは
私の浅草文庫の友禅染の
お財布をご覧になって、
そのお財布の色の出し方を
教えて下さいました。

展示会に来ると
実際の職人さんから
いろいろとお話を聞けて
とても勉強になります。

着物は意外と流行が
あるのですが、
トレンドが分かるのも
また楽しい。

だけど、
行く前に母が
LINEで聞いてきました。

「展示会に行くと、押し売りされない?」

はい。
残念ですが、それはあります。

今日も東レシルックという
ポリエステルの着物を
知らない先生に強く勧められました。

私は押し売りに動じず
のらりくらりと
しておりますがね。

教室の先生方が
勧めて来るのですが、
お断りするとあからさまに
顔に出る先生もいらっしゃいます。

以前は
「ダンナ様の給料から
 へそくりを作って
 そこで買いなさい」と
へそくりを強要される先生も
いらっしゃいました。

特に、知り合いでない先生は
押し売りが強い傾向があります。


ここは授業料も
他の教室と比べると
一桁安い方の
庶民的、良心的な教室なのですが。

中間マージンが
先生に入るのですかね。


私の恩師は品の良い方で
余裕があったのか、
少額のものでも
決して売りつけることはなく、
私が看板免許を取るまで
いわばその押し売りの手から
守ってくださっていたので
長い間、知りませんでした。


残念です。


着物のイメージに
特に着付教室の印象に
「押し売り」が入ってしまっているのは
辛いところです。 


だけど、そうまでしないと
先細りの着物業界の
職人さんを守れない、と
先生方が思ってしまうのも
事実なんでしょうね。


難しいところですね。
個人の着付教室に行けば
そういったことは少ないのかも
しれませんが、

日本人の身体の作りが
何年変化している中、
最新の技術が学べない恐れは
ついてまわります。


特に成人式などの着付は
昔のやり方では到底
今の子の体型に補正が
しっくりいきません。


また、小さい教室では
展示会やら着物ショーやらに
行く機会がなく、
目を肥やすチャンスも
減ってしまいます。


自分が着られるように
なる程度で良ければ
じゅうぶんなのでしょうがね。


熱心にくみひもを見続けるチビに
職人さんが言いました。


「坊や、紐屋(くみひも職人)にだけは
 絶対になるなよ。
 生きていけないぞ。
 職人になったら駄目だ。

 君は小学校4年生になったら
 いい塾へ通って
 いい大学へ行きなさい。」


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