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老舗のサービス

物欲なんてもう久しく
なくなったと思っていました。


仕事や生活に
「必要だから」買う。


食欲も同じで、
「生きていくために」食べる。


ただ仕事や育児だけに
慌ただしく、熱中し、
興奮状態になって
他のことへの欲は
減退してしまった。


※葬送のフリーレンは見ています。
 ↑しつこい。



昨日も書きましたが、
仕事用の靴を買いに
銀座へ行きました。


本当はあまり
行きたくない気持ちもありました。
ひたすらに布団の中で
寝ていたい。


学期中は出来ない
細かい掃除も断捨離も
しなければ。


だけど、前回の長いお休み
つまり冬休みのときに、
せめて自分のためにも
時間を使おうと思って
予定していたけれど、
体調が悪くなって
行けませんでした。


行っても疲れるな。
昔みたいに
いろいろと見て回っても、
心が躍るような気持ちに
なることもきっとないし。


そう思う気持ちを抑え、
いまだに来期の予定が出ないから
仕事も出来ないので、
くたびれてきた靴のために
電車に乗りました。


授業のネタ探しに
見たテレビ番組で
低迷する百貨店の中、
松屋だけが業績が良いって
知ったため


偵察に入ったところ


1階の最初から心躍る商品が!


あぁ、これは
英国キューガーデンの
石鹸だ。いい香り。


漆のアクセサリー、
沖縄の海みたいな色。


江戸切子の花瓶、
細かい手仕事だなあ。
私ならこの赤。


フェイラーのハンカチ、
定番も新作も可愛い。


コルクの椅子、
我が家ならどこに置こう。


なんだ。


私、物欲
ちゃんとあるわ。


少し疲れていただけだ。


ところで私、仕事用の靴は
ワシントンのものばかり
履いています。


歩き回る仕事ですし、
歩き方が下手なのかな、
すぐに靴擦れを起こすので


痛くならない、
疲れない、と信用できる靴しか
怖くて履けません。


きっとそんな靴は
他の靴屋さんにも
たくさんあるのでしょうが、
ワシントンはサービスも良いので
もう15年以上
通い続けています。


昨日は昨年そこで買った
靴を履いて行きました。


「この靴、最近
 ぱかぱかになってしまって......」


「それは羊の革なので
 伸びすぎてしまったんですね。
 インソールを入れてみますから
 お試しください」


インソールを
何種類か試してみて
履きやすい状態にして下さいました。


おお!全然ぱかぱかしない!


「これでよろしければ
 インソールを中に入れ込みますので
 他の商品でもご覧になって
 お待ち下さいね」


と、いうことで
新しい靴を物色して
待っていたところ


ピカピカになって返ってきた
元の靴が!


「少し剥がれそうに
 なっていたところも
 お直ししておきました。

 これならまた修理をすれば
 長くお履き頂けます。

 いつでも無料で
 お直し致しますから
 お気軽にお持ち下さいね」



さすが!
老舗はこれだからこそ
生き残るんですよね。


最近、近所にあった
靴の修理屋さんが
閉店してしまって
困っていたんです。


「随分と大事に
 お履き下さっているんですね。
 クリームを塗って
 ちゃんとお手入れされているのが
 よく分かりました」


私の相棒だもの
大事にしなきゃ。

履きやすい靴じゃないと
週に90分授業を12コマなんて
到底出来ないもの。 

新しい靴を選んでいたら

「こちらの革は
 伸びにくいものなので
 長く履いても緩くなりません」


「こちらは合皮ですが
 軽くて中敷きが多めなので
 疲れにくいです。
 よりカジュアルに
 お履き頂けますよ」


嬉しいな、この情報。
本当に気に入ったものを
丁寧に選べます。

結局、より長く履けそうな
革の靴を買いました。

履くと足まで綺麗に見えます。


昨年買った
お直しして下さった方は
ローファーなので
また違った印象が楽しい。



私、物を買うなら
多少高くてもこんな風に
しっかり自分に合うものを選んだ上で
長く大事に使えるものがいいな。



飽きて、または合わなくて
すぐに捨てて
罪悪感が出ることの
繰り返しだったら、
人生の幸福度も減ってしまいそう。



それよりも、
満足して買って
使うたびに
嬉しい気持ちが出るものに
囲まれていたら、

持っているものの数は少しでも
とても幸せだと思う。


いいものを
時間をかけて選んで買おう。


それが出来ないときも
よくあるけれど、
少しずつ
丁寧に選んで気に入った
長く使えるものを
増やしていこう。


そのためにも
タイパ、コスパの時代であっても
良いものを作り続け
お客様に寄り添ったサービスが出来る
老舗が末長く生き残って欲しい。


銀座ワシントンは
だいぶ昔と比べると
店舗がかなり縮小して
しまいましたが、
こんな変化の速い時代の波に乗って
上手く生き残り続けて欲しい。


そんな風に思います。


勝手に宣伝。



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