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9_チョコレート嚢胞だった

前回は番外編みたいになっちゃってすみません。私は賢い人間のはずなんだが、こと恋愛絡みになると偏差値が測定不可能になるほどに低いのだった。…今回の記事も苦しい感じ続きます。。

…最悪だった8月の記憶の成仏日記 (笑)

さてさて、体調絶不調(首が痛すぎて上下に動かない、下痢と嘔吐、たぶんちょいちょい熱も出してたっぽい)という中で、無理やり連れていかれた婦人科クリニックであった。もう日本でさんざん診てもらってるし、自分の中では卵巣・卵管摘出で決心ついてるのに、サードオピニオンする意味がわからないし、とにかく体調がやばいからしんどい以外のなにものでもないので、キャンセルしてもらえないか頼んだのだが、「ママがせっかく予約してくれたのに、なに言ってんの」の一言で一蹴されてしまった。これを受診することによって彼と彼ママが納得するのなら、と思って身体をひきずるようにしてクリニックに向かった。

気分が悪いということをここまで尊重されないと、気分が悪いのももしかして私の気のせい?コロナ陽性になったらどうしようという自分の過剰な不安がうみだした「病は気から」みたいな状態なのか?もっと気持ちを前向きにしたらいいのか?のような余計な苦悩まで出てきて、とにかく色んな意味でしんどい。

ちなみに、この日の前夜は彼と彼の親友夫婦の四人でミシュラン星付きのお高いレストランでの食事が終わって帰ろうかというところで、今まで食べてた高級食材を消化しきれないまま全部フロアにぶちまけるという失態をおかした。シェフもドン引き。気分が悪いから早く帰りたいと訴える私の声を誰一人として聞いてくれず、キッチンを見に行ったり、ホテルのスイートを見に行くなどと言って誰も取り合わない。スイートルームを見に行くのは断って一人ホテルのロビーで待っていたのだが、待てど暮らせど彼らが帰ってこない。どんどん気分が悪くなってくる。あまりに遅いので彼に連絡し、ほんとに気分が悪すぎるから早く帰りたいと訴えて、やっと戻った彼のシャツに染み付いたワインの香りでもよおして、派手に嘔吐してしまったのだった。

カーリーヘアの白衣を着た女医は、英語で私に生年月日と名前を言わせ、症状を聞いてきた。私の知っている単語を並べて説明しつつ、彼が補足する。「イタリアで入院するなら、医療補助を受ける必要がありますがその権利はありますか」というようなことを聞かれた気がする。結婚してないんだし、ないよ。それと、彼が「あなたが婚約者ですか」みたいなことを聞かれていた。今まであの人、結婚手続きから逃げ続けてきて、婚約者っていう意識なんて全くなく生きてきただろうから、とまどったんじゃないかね。

今日は尿検査と超音波検査をやると言う。診察室の外のトイレで尿を採ってきてと言われ、トイレの個室に入ったが、お腹がしくしく痛みだした。お小水は採れたけれど下痢が(汚い話で恐縮です)。…と思うと、今度は強烈な吐き気が。やっぱりまだ全然体調が戻っていない。個室内に備え付けの洗面台にダッシュしてゲロゲロ吐いていると、彼がドアをどんどん叩いて今すぐ開けろ!!!と叫んでる。お尻丸出しで絶賛嘔吐中にて開けられず(笑)今思い出すと笑えるけど…壮絶すぎる!!!

身も心もフラフラになりながら診察室に戻ると、これから超音波検査をするからママは外へ。もう、これ何度やってるんだろう。ジーンズもショーツも脱いでと言われて脱いだが、先生PCに向かって何かを打っていて放置。お尻丸出しパートⅡ…。

どこの国でもやることは一緒。下半身裸になったら診察台に腰かけて、脚を広げる。M字開脚ね。ただイタリアは日本と違って、診察台と医師をへだてるカーテンがなし。なんかペンみたいな棒を袋から開封して、今からこれを膣内に差し込むと言っている。おそらく細胞診。痛みなし。そして触診。ぐいぃっと膣内に手を入れられた。それから何度もやっている超音波検査。もう3月の健康診断から数えてこれで5回目…。何度やっても、検査とはいえ他人の顔先に股を広げるのはどうしても慣れないし抵抗感がすごいので、一年で5回もこれやったって、かなりのストレスだったよ。

検診はこれで終わり。やっぱり私の卵巣は腫れてるし(当たり前)、年齢的なことを考えても摘出が妥当だろうと。これを先生の口から彼と彼ママに聞かせられたのは良かった。摘出が最適解なんだよ、やっぱり。そして「明日は血液検査があるからまた来てくれ」と言われ…。バカンスだと思ってたイタリアで何をやってるんだろう。彼が遅れて帰国したせいでゆっくり過ごせる時間はないし体調は悪すぎるし病院に2日も取られるし、そして婚姻手続きの書類の説明を彼が一切聞こうとしない、欲しかった書類へのサインも嫌がり、大喧嘩に。というか、この人がやっぱり私と一緒になる気がないことがこの旅で明白になった。

noteのほうでもしつこく彼との恋愛記を書いてきているのだが、2019年に彼がイタリアに帰国したことで同棲解消して、その後一緒になる約束を信じて私はこれまで色々と頑張ってきたけれど、この旅は本当に最後の、終了のサインだったんだろうと思ってる。

つづきはこちら。


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