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教員の働き方改革について大事なことが抜けている

教員はブラックだということが大々的に言われています。そして教員の希望者が少なくなり、挙句の果ては免許もいらないなんて言う法案が出そうな気配。
子供を持つ親御さん
本当にそれでいいんでしょうか?

教員養成課程。大学の学部としての卒業必修単位のほかに教員過程が30単位ほどあります。そして教育実習を経て、晴れて教員免許を取得できるのです。時間と努力を払わなければ免許の取得ができません。
だからこそ教員になれた時、皆本当にうれしそうに登庁します。

確かに、教員の力量不足など保護者目線でいえば、そういう教員も少なくないと思います。
しかし、わが子が社会人1年生になったとき、それが教員だったらと考えてみてください。
わが子が常に生徒の保護者から批判される環境。生徒指導ができていない、子供同士のトラブルが起これば「うちの子に限って・・」と怒り出す。その間に入って調整をとる。そして力不足であることを非難される。
そういう非難に耐えらるるように育てましたか?
クレームに対応するように育てましたか?

学校の先生は、「しつけ」までする義務なんてありません。「教育」は
しつけではありません。
少なくとも「人としてやってはいけないこと」は家庭で教えるものです。

それでも教員になりたい人もいる。これはある意味希望でもあります。
そもそも、ブラックと言われたとき超過勤務時間が200時間を超えていたなど表面的なことが多く語られます。
いやいややっていたのであれば、もっと早く問題になったと思います。
子供たちのため
ただその思いで、毎日教材を作ったり、遅くまで残って部活の指導をしたり。
そしてそういう先生は卒業式のとき、号泣しています。そして子供たちも先生を囲んで号泣しています。昔の青春ドラマさながらの風景を見ることができます。
この時、「教員冥利に尽きる」と感じるわけです。

もっとも、そうではない教員も一定数いるのはどこの社会でも同様かと思います。

教員の質だけでいえば、確かに低下している面もありますが、一生懸命勉強して教員試験を受かってきた教員はみな希望に満ち溢れ、不安もあるけれど
生徒と接する喜びを受け止めています。誇りをもって望む職業でもあるのです。
ではなぜ、今病休者が多く出ているのか?
その問題のほとんどが保護者対応にあります。
そこで、大きく非難されると、学校の管理職に指導を受ける。

なぜ、すべて学校が悪いのだろう。

学校は子育ての空間ではありません。しかし、子供にとっては社会経験のスタートです。ウマの合う子、合わない子、意地の悪い子、やさしい子、いろいろな子がいることを学習します、それは会社でも同じではないでしょうか?優秀な人材ばかりではありませんよね。でも、それぞれの個性が生かせる環境も工夫次第でできるのが会社です。学校も同様。
いろんな子がいて、自分にとって友達になれるかどうかも自分で決める。そういうことを感じる最初の経験です。
当然好きになれない子だっているでしょう。でもそういうことどういう距離感を持つのか。それも学習するわけです。
自分の子供がいじめにあう。こんな事絶対にあってはならないと思います。
ただ思い出してください。クラスに必ずそういう子がいたことを。
でも死なせるようなことはなかった。
昔と今の違いです。
なぜそこまで陰湿で追い込むことができるようになったのか・・・

子供たちの問題では解決できないのです。
報道でも、現象面だけで本質は伝えない。よく昔も「うちの子に限って」と問題を起こすモンペアのドラマがありましたが、それもまた今とは違ってきている。
この時は、まだ学校に子供を預けているということが前提で、学校の評価に対して文句を言っていました。
今は、学校の方針やうちの子がどんな教育を受けるべきか。まるで学校は自分の子供のレールの一部のように思っているのではないかと思いますが、自己中心的であるだけでなく、子供を預けているのではなく、うちの子が通うんだからこういう学校にして・・・というものを感じてしまいます。

学校は私物ではありません。
もちろん私学は設置者のものですが、その環境は私物ではないんです。

こんな状況で、子供たちのことを考えて一生懸命働く先生たちにも働き改革というひとくくりの政策で、彼らが救えるとは思えません。

先生になった我が子がいたら、どうしますか?
こんな保護者の圧力に耐えろと言いますか?
そして学校は保護者に文句を言われれば何とかしなければならない。
そうやって、描くことと違う仕事が舞い込んでくるんです。
教育委員会も保護者のクレームに敏感です。市民のクレームや議員の要望に敏感に反応します。そういう大人の事情がブラック化を招いていることを知るべきではないでしょうか。

生徒が好きで、一生懸命な先生はいつの時代も生徒に囲まれています。
いつの時代も同じです。

魅力ない仕事にしたのは、学校に対して大人の論理を持ち込んだからです。

働き方改革は必要です。ですが、免許もなく教員をやっていいとかそういうのはやめてほしい。教員の誇りを打ち砕くものであることは間違いありません。
いないから簡単にするのではなく
魅力ある仕事として、発信できるようにすることが大事なんです。




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