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しょーもない組織でも面白くできる

若い時の話になる。
入社して5年ぐらいたったころだったか・・とにかく仕事がつまらない。
意見を言っても通らないし、ルールなんかほとんど無視されて日常の業務を黙々とこなす。それこそ「やってられんわ」なんて日々思っていた。まだ20代。他の仕事をしたいなって考えてもみたけれど、「そういやここしか入れなかったんだっけか・・・あーあ・・ここにいるしかないんだよね」という軽い絶望感を持っていた。

目次
1 研修を面白くする・・・
2「おじさん」たちへの挑戦状
3 「仕方ない」は面白くならない
4 どうでもいい悪意は無視しよう

1 研修を面白くする

昔はいろいろな研修制度があったので、若い社員はとにかくそういうものに参加しろと出されたわけだけど、とにかく黙って人の話を聞くのが好きじゃない。しかも概ね内部研修なんて面白くもないし、講師だって内部の人間がやるわけで、これまた興味すら持てない。
その年、いやいや行かされるにあたって注文を付けた。
チームリーダーになれというから、「やってもいいけれど、先に名簿を見せてください。メンバーを選ばせてくれるならやってもいい」と生意気なことをいったわけです。自分で選んだメンバーでスタートした研修チーム。

さて何をやろうか?

まず、仕事に関するアンケートを取ろう。
アンケートの結果がこちらの意図に繋がるように設問を考える。つまり若い人たちがどんな不満を持っているか。おじさんたちに突き付けようぜ!ってな具合だった。回答者も35歳までとかにした。
内容は「今の仕事に生きがいを感じますか?」「今の仕事を続けていて、喜びを見出せますか?」「上司に期待感を持てますか?」などなど
「業務内容を改善したいと思いますか?」「問題点を挙げてください」「その解決方法として意見を書いてください」

かなり好評で、みんな面白がって回答を返してくれた。それを記事にして少なくとも自分たちが所属する組織に撒いた。あの当時は全部紙ベース。
やってる自分たちだって、仕事じゃない作業だから面白くないとやれない。
中にはなんで年齢制限を付けたんだ?というものがあって、おじさんたちにも回答させろという意見があった。でもそれは無視。

なぜって、あの当時「あなた方が無策で希望を持てない組織にしているからこれを読んで考えろ!!」ぐらいの意識で編集していたからだ。

2「おじさん」たちへの挑戦状

反響は当然上の方の人から「誰だ!!こんなものを作ったのは!!」というお怒りもあり、むしろそういう意見を直接言ってくれば、この問題をどう解決するのか。インタビューでもしようと考えていたから、待っていたわけだが直接言ってきた人はいなかった。中間管理職辺りは何やらいろいろ言っていたらしいけれど、「直接あなた方に関わる内容なので、どう考えるのか。こっちだって石を投げたんだから何とか答えろよ」ぐらいの気持ちでいたわけだが、記憶では直接私に文句を言ってきた人はいなかった。

配布した後、ある大きな会議でこれをまいた理由を聞かれた。
「これは問題提起です。多くの先輩方に見てほしかった。若い人たちがどんな不満を持っているか。どうしたらやりがいのある仕事にできるのか。などです」と挑戦状をたたきつけた。そしたら何も言わなかったんだよね。みなさん。
面白かったのは、ほかの部署の管理職とかが面白がってくれたことだ。
「こんな面白いことしてるんだ。誰だよ?こんな企画した奴」と教えてくれた。結局それはかなりの範囲に広がっていった。面白がってくれたおじさんたちとは今でも仲良くしている。

ここで大事な事。
面白がってくれる人もいるということと、少なくてもいいから同じような思いを持つ人と出会うこと、そしてそれが生産性に繋がること。これは経験から得たものだ。「みんな」じゃなくていいってこと。

3「仕方ない」は面白くならない

あれから、何十年か経過したけれど
人員削減のせいで内部研修制度が無くなった。決められた研修だけを受けるだけになった。研修チームもなくなった。そうすると組織間の連携も薄くなった。同じ年代の横のつながりも持てなくなったのだ。
そして後にも先にも、ああいうアンケートをした人はいない。

もっと面白がればいいのに・・・・年齢を重ねて思うことだ。
若い子が何を言ったって受け入れることが出来る。経験も積んだしね。
まあ、最近困っているのは「脳の機能障害」チックな若者の対応だが、まるで子供を扱うように細かく指示を出さないといけない。それは置いておいて、そういう挑戦的な態度で臨んでくる若者が少ないと思う。諦めが早い。
でも、話を聞くと面白くない仕事・面白くない組織・面白くない人たちと3拍子揃っている不満はいつの時代も同じだったりする。
でも、そのままでいいのか?ときいても「仕方ないですよ」と返ってくる。

ふーん

私なら、仕方ないなんていわないなぁ・・・
なんか面白いことないかなとか、面白いことしたいなってっていつも思っているから、問題解決しなくちゃいけないなんていうとがぜんスイッチが入る。周囲からは「いつも元気だねぇ」なんて言われたり・・・年も取ってるから「相変わらず元気だねぇ・・・」とくるわけだ。
そういうこと続けていると、周囲の人たちも「こういう問題があるけれどどうしようか?」なんて聞いてくるようになる。今はメールなどという便利なものがあるから、速攻組織全体に問題提起ができる。もちろん今も昔も有効回答率などというのは良くて70%。生産性のある回答に至っては20%がいいところ。でもその中から「いいもの」を見つけることが出来る。

リサーチって大事です。

こういう作業から、若い人たちの意見とかを読んでプロジェクトチームの要員を探す。でも半数は断られてしまう。なぜか。
「仕事がいっぱいいっぱいでお手伝いできません。」なんていわれてしまう。

わかっているよ。そんなこと。別に私だって暇じゃない。

でも、莫大な経費をかけてやってることで、経過的な問題を解決するには今やらなくてはならないことが数多くある。それは組織間を超えたものだから日常業務に組み入れることが困難だということは百も承知している。どこかで、だれかがやらなくてはこのまま問題を抱えたまま進めたら経費は増大するだけでなく全く使えないものになる可能性があるわけだ。お金に還元しないからできないのかもしれないけれど・・・・褒章はないからね・・・こういう仕事には。でもやれたら満足感はあると思う。

4 どうでもいい「悪意」は無視しよう

働き方改革・・・「人」を無視した制度改革としか思えないのだが、本来仕事というのは、生産性があって成果を見ることが大事なわけで、この制度で行けばルーティンだけになり、およそ生産性とかアイディアとかは生まれなくなると思う。ベンチャーとかでこれからの未来を描いて仕事をする集団は、なぜ新しいことに取り組めるのか。時間だけじゃなく密度も考えて、面白いことしようぜ!!ってやっていると時間も考えなくなる。いいか悪いかじゃなく、人間って面白ければやれることって沢山あるよね。そういうスタンスも否定されたら、面白い社会なんてできっこないわけ。

大きな組織で「しょうもない組織」を批判して、面白くなったかと言えばそんなことにはなっていない。ただそれをやってるときは面白かった。

やってみて思ったことは「どこそこの偉い人がこんなこと言ってったって」なんて悪口を言われていることを教えてくれる人たちがいる。これって善意でやってるように思うでしょ?
ちがうんだなぁ・・・これは悪意でしかない。
そんなもの聞かなければなかったことになるわけで、知らなければそれで済むでしょ。今流行のSNSとかも同じ。匿名だから好きなことを言えるのでまた聞きにならないけれど、そんな悪意は見なければいいだけ。
匿名の無責任さは、また聞きよりも悪い。

人に何を言われても平気って言うと、何を強がっているんでしょうか。なんて思われがちだけれど、そんなこと気にしなければ忘れていくものです。

人のうわさも75日

ましてや無責任であれば、もっと短いと思っていい。
面白くする方法って、自分が面白がれるかどうかだけ。面白がった方がより楽しく生きられると思います。

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