アベノミクス以降の円安は、亡国の道だったのでは?
日経新聞に次のような記事が出ました。
ここにはドイツは物価高なので、ドルベースでのGDPを押し上げたことした書かれていませんので、ドイツは経済は好調か?と感じ違いするかもしれませんが、ドイツに関しては、フィナンシャルタイムズに以下の記事が出ています。
月曜日に発表された当初の推計によると、高インフレ、金利上昇、エネルギーコストの高騰により、欧州最大の経済国が世界で最も業績の悪い国の一つとなったため、ドイツの昨年の生産高は0.3%減少した。
ドイツ経済は最悪です。そのドイツに抜かれる見込みということです。
なぜか。
円安だからです。
円安なので、ドルベースでのGDPでドイツに抜かれるのです。
昔は円高が経済にとって悪い要素でした。しかし、今は違うのです。
昔の日本は製造業が円安で輸出を伸ばしていきました。したがって、円安によって経済が好調となっていきました。1980年代から30年も続いていた貿易黒字は、10兆円から15兆円という大きな赤字に転落しました。
2011年3月11日の東日本大震災の前後から輸出額は右肩上がりではなくなっています。円安で輸入物価が上がったため必需のエネルギー、資源、食糧の輸入支払額が増えて、貿易は赤字になっています。円安で原油・資源が高くなったとしても、同じ量を輸入しなければなりません。同じ量であれば、円安になれば、支払額が大きくなるということです。
1980年代までは盛んだった「円高亡国論」は、2010年代から「円安亡国論」に転換していたのです。それにも関わらず、アベノミクスで金融緩和、円安誘導を行いました。今も政府・日銀は円安の方がいいと思っているのではないかという政策です。
経済力を反映する通貨が高くなって、国は栄えます。円高で日本が滅びることはありません。現在の円安では、輸入物価が上がり、国民の実質所得が減って円安亡国論になります。
1ドル140円台の円安は、日本にとっては窮乏化になっていきます。政府・日銀に政策の修正が必要です。
輸出が50%以上の大手企業は国内の需要が減ったので、通貨レートに顧慮せず生産ができる消費地の海外に生産拠点を移していったのです。(海外直接投資の累積は270兆円:2022年)
ジャパンマネーは、毎年約15兆円から20兆円がドル買いとなって流出しました。このため対外資産だけは毎年増えてきました。しかし、国内の経済成長はありませんでした。典型は、トヨタが生産する1000万台のうち、70%が海外工場での生産になったことでした。企業はグローバル化し、海外生産の経済になっていきました。
このため、全生体の平均所得は1994年の664.2万円から545.7万円と18%減りました。
円安で株は上がりました。これは良いことです。しかし、今は行き過ぎた円安です。行き過ぎた円安は亡国への道としか思えません。
もしかしたら、政府・日銀はやはり円高こそが亡国だと思っているのでしょうか。
まだ、円安を容認するのか。皆さんはどう思われますか?
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