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4月25日投開票の補選と再選挙について

 4月25日に行われる衆参の補選と再選挙の情勢が出そろってきたので、各社の報道のまとめを掲載しておきます。

⭐情勢の評価

 選挙の際に候補者の支持率が報じられるのは海外では一般的ですが、現在の日本ではそのようなことはほとんどなく、調査で得られたデータは取材状況などを加味して「安定」「優勢」「先行」などの用語に変換して報じられています。

 そこで過去の選挙結果をもとに、得票率にどれほどの差をつけて勝ったり負けたりしたのかということから、用語が意味する優勢度や劣勢度を逆算して評価することを行ってきました。

情勢表現格付け

 以下の情勢報道の評価は、この表の分類にもとづきます。ただし全国紙でも地方版によっては地域の候補者をより詳しく紹介していることがあって判断が難しいため、Fランクの「記述なし」はリストにも積極的には掲載していません。明確な記述がない場合をグレーで塗りつぶしています。

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⭐広島

 自民党の河井案里氏の当選無効にともなう再選挙ですが、もともと与党系が強い県なので逆風が吹いていてなお接戦とみられます。

 なお、毎日新聞が4月11日に「諸派新人の宮口治子氏(45)=立憲民主党、国民民主党、社民党推薦=がリードし、自民党新人の西田英範氏(39)=公明党推薦=が追う」と報じているものの、これは情報が古い点や他の報道とくらべて突出している点を考慮して、現在は除外してみた方がよさそうです。

 また河井案里氏が当選無効になった経緯(買収事件)からしても、自民側の候補に入れると回答しにくい空気がある可能性もあり、情勢調査がやや野党側に過剰に傾いていることも考えられます。野党側の名前が先に上がっている調査が多いですが、野党側の形勢がわずかに良いとみなすのには危うさが残ります。

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 ※用語の前にある数字は報道された記事の名前順で、リストの各候補者の序列は、この名前順の平均値が小さくなるように並べられています(つまり上ほど全体的に情勢が良いというわけです)。また、タイトルと本文で違った表現がされている時は本文を優先し、タイトルを括弧( )で併記しています。

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⭐長野

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 長野は、各社とも羽田氏の形勢が良いということで整合しています。優劣の食い違いがなく「接戦」表現もない場合、前回衆院選では逆転のおきた例がありません。

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⭐北海道2区

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 北海道2区は松木氏が明確に優勢とみて間違いありません。どれだけ差がつくかという情勢です。

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  ここまで見てきたように、4月25日投開票の補選と再選挙は「野党の全勝」か「野党の2勝1敗」のいずれかとなる可能性が高く、その決め手は広島になるとみられます。

 広島の再選挙はまだ注目度が伸びておらず、期日前投票も低調となっています。しかしその勝敗が全国に大きな影響をもたらすであろうことは間違いありません。

Twitter : 三春充希(はる)Mitsuki MIHARU
Facebook : 三春充希(みらい選挙プロジェクト)
note: みらい選挙プロジェクト情勢分析ノート