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【SDGsを考える絵本】ワンガリの平和の木~アフリカでほんとうにあったおはなし~

先日、5年生の読み聞かせがあり、「今日はノーベル平和賞を受賞したケニア人女性のワンガリ・マータイさんという方のお話を読みます。」と話したら、「知ってる~。」と何人かから声が上がりました。
どうやら、5年生の道徳でマータイさんのことが掲載されているようです。

ワンガリ・マータイさんといえば、日本語の「もったいない」(MOTTAINAI)という言葉を世界に広めた方ということで話題にもなりましたが、彼女がノーベル平和賞を受賞したのは2004年なので、今の小学生はきっと知らないだろうと思っていたんですよね。授業でやったばかりということで、それはそれでタイムリーでした。

「ワンガリの平和の木~アフリカでほんとうにあったおはなし~」は、ケニアの小さな村で生まれたワンガリ・マータイさんが環境破壊が進んでしまった故郷の村に、少しずつ木を植え、緑をとり戻していくお話です。この運動はその後、「グリーンベルト運動」として世界中に広がり、植樹は30年間で3千万本にも及んだそうです。ただ、これは簡単にできたことではありませんでした。

故郷が砂漠化する様子に危機感を感じたワンガリが始めた木を植える運動は、村の女の人の助けを借りて少しずつ広がり、それがよその村や遠くの町の女の人たちにも広がり、女性たちは収入を得られるようにもなりました。
最初は順調そうに見えるのですが、残念ながら、植えても植えても、木はあいかわらず切り倒されてしまうのです。

ワンガリは「会社のビルより、公園の方がだいじです。」と主張するのですが…

おやくにんたちの考えは ちがいました
じぶんたちのやりかたを じゃまするやつだ、と、
ワンガリをぼうでたたいて、ろうやにいれてしまいました。

「ワンガリの平和の木~アフリカでほんとうにあったおはなし~」より

ワンガリは、経済の発展に力を注ぐべきと考える政府と対立してしまいます。
しかし、「木を植えればまきで料理ができるし、葉や草は家ちくの餌になり、果物が実れば食料にもなり、女性の働く場も増える。」、そして「環境を守ることこそが世界に平和をもたらす。」と考え、活動をやめませんでした。

ちなみに、ワンガリ・マータイさんは学校の勉強ができたため奨学金をもらいアメリカ留学をし、それからケニアに戻りナイロビ大学では東アフリカの女性で初の博士号を取得。その後、国会議員にもなっています。とても優秀だったんですね。
もちろんそれだけでなく、やはり自分が何をすべきか考えて、実行する行動力が素晴らしい。本になるような人って、ただ勉強ができるとか運動ができるとかだけでなく、新しいことを恐れずに実行したり、他の人がやらないくらい多くの努力をしたりしていますよね。
ちょっとしたことでも、なかなか行動に移せない私には、かなり刺激になりました。

ところで…
その後、子どもが使っていた道徳の教科書を見てみたら、なかなか面白い。道徳というと、友だちとこんなトラブルが起きたときにどうしたらいいかな?みたいなことを話し合ういう授業で、あまり楽しい教科というイメージはなかったんですよね。(なんとなく答えの方向性は決まっていてそこに向かって、話し合いをさせられているという感じがしたので…)
でも、今の道徳の教科書は「手塚治虫」「新渡戸稲造」などの歴史的人物(内村航平さんなど最近の方も載っています)や、ユニバーサルデザインや環境破壊、東日本大震災、世界遺産といった、いろいろなテーマの文章が載っていて、いい内容だなと思いました。授業が面白いかは先生の進め方にもよるのでしょうけど。
去年、娘がなぜか手塚治虫さんの漫画を図書館で借りてきて読んでいて不思議に思っていたのですが、あとで聞いたら道徳の教科書で知ったのがきっかけだったそうです。
小学生のお子さんがいらっしゃる方、お時間あるときにお子さんの教科書を開いてみてはどうでしょう。結構楽しいと思いますよ。



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