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「大人の夏休み」を取る。- 人間が変わろうと思う時に出来る行動 -

「大人にも夏休みがあってもいいじゃない?」と、ふと、思われたことはないですか?何もかもリセットしてやり直したいと思ったり、休みが欲しいと思う大人は少なくないはずです。

最近では、サバティカル・サバティカル休暇という名でキャリアブレイクをとる方も少しずついらっしゃるようにも見えます。ただ、まだまだ日本においては、社会人になって「長期休暇」「キャリアにブランクを作る」ということはネガティブな視線で見られることが多い印象です。



夏休みが欲しくなった

私は会社員時代、「大人の夏休みが欲しい」と、幾度となく思っていました。それでも目の前の仕事に責任を感じ、または生活のために働かなければという思いから、15年を過ごしてきました。

しかし新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の蔓延という外部要因によって、私のキャリアの道筋も自分自身も見失うことになります。


上記のnoteでは、上手く自身の形を見つけたようにまとめてますが、非公式に言うと、「すべてをリセットしたくなった」というのが本心です。

会社の看板ではなく自身のブランド力の無さを痛感し、社外でも社内でも頑張るだけではどうにもならないことに対し、自身を責め続けてしまう。自分自身が人生の中でやってきたこと判断してきたを後悔ばかりする日々。そしてどんどんと自信が無くなっていく。そんなコロナの3年間した。

そんな自分をどうにかしたい。

だから全てを「リセットしたい」、「変わりたい」、「打破したい」という思いが強くなりました。

何か新しいことを始めることで、新しい発見があるのではないか。夏休みの自由研究のように。


人間が変わろうと思う時に出来る行動

人間が変わろうと思ってもなかなか変わることはできません。だからこそ周囲の環境で変えられるものは全部変えようと思いました。

(後から気づいたことですが、私がやったことはすべて、大前研一さんの『時間とムダの科学』に書いてあることだとネットで知りました…。もっと前にこの本を読んでいればと読書の大切さを痛感。)

生活サイクルを変える

今思えば、私は仕事以外に自分の価値を見出せる場所が無いと思い込んでいたのかもしれません。朝から夜までずっとPCの前から動くことがありませんでした。仕事優先でお昼ご飯もUber Eatsで済ませ、夜ご飯ですら出来合いで済ませてしまう事もしばしば。

そこでまずは、仕事にしがみつくサイクルを変えようと思いました。それには何よりも仕事の量を自身で調整する必要がありました。そこで会社を辞める決意をしました。最後の最後まで会社を辞めることには迷いがあり踏ん切りがつきませんでしたが、場所を変える決断をしたことで踏ん切りがつきました。

仕事量が減り、時間に余裕が出来たことで新たに出来るようになったことで、新しいことを始める余裕が生まれました。場所を変えたこととも連動しますが、オーストラリアの地に来て運動量が増えました。家で仕事ばかりしていて1日300歩だった私が1日1万歩を歩く生活をしています。


住む場所を変える

場所は正直どこでも良かったんです。最初は昔住んでいた事もあり、友人の多い「韓国」で考えていて、ゆくゆく英語圏に行けたらいいなくらいの感覚でした。

ただ周囲からの助言もあり、本当にガラっと環境を変えたいのであれば、馴染みのある場所よりも新たな地が良いのではないかと思ったのと、韓国もワーカーホリックが多い場所なので、そこまでまた自責してしまいそうだとも思い、直前で場所を変えることになりました。

オーストラリアは、学生ビザであっても就業ができる点、日本との時差が1-2時間のためフリーランスで日本の企業と仕事をする場合にも利便性が高いこと、そして私のいるブリスベンは気候が良く、海も近いため気分転換しやすいだけでなく、シドニーやメルボルンのような都会の忙しさはさほどなさそうという点で選びました。


付き合う人を変える

場所を変え、生活サイクルを変えるとおのずと付き合う人も変わります。この歳になると友人は子育てで忙しいこともあり、独身だと疎遠になることも多く、今までは会社の同僚・上司くらいしか日々関わっていませんでした。

場所を変えたことで、新たな出会いがあるだけでなく、自分で知り合いを作ろうとする行動をとること自体がとても懐かしく、そして新鮮な気持ちになりました。


思考を変える

私は今まで、人生計画や目標を立てて進むことを好んでいました。そしてその目標のほとんどが仕事に偏っていました。結婚願望も無かったですし、家族とは疎遠でもあったので、余計に仕事と趣味に没頭していて、仕事は私にとって第一優先であり、いきがいでした。

そこで、「目標を敢えて立てない」ということを重点を置くことにしました。不安ですしまだ完全に出来ているわけではないんですが、「こうあるべきだ」「こうなりたいんだ」というある種の「こだわり」を捨てようという感覚です。

加えて、結婚や家族についても向き合って考える時間を作ろうと思いました。今までは一人で生きていくことが楽しく、楽だと思っていたのですが、コロナ禍で初めて、「ひとりでここで死んだら…」「心のよりどころって何?」と思ったのは事実です。


理想と現実のバランスをとる

変えられるものは全て変えようと思っても、すぐに出来るとは限りません。私自身、一番難しいと感じるのは「思考」を変えることです。
前途したとおり、「仕事が全てではない人生を送る」と言っても、それをすぐに出来るものではありませんでした。オーストラリアに来て最初の3か月以上は日本にいた頃と同じくらい仕事ばかり考えた生活でした。ただ徐々に変わっていく自分も感じることができました。環境を変え、仕事だけを考えることが出来ない環境を作ったからこそ、少しずつバランスを取ろうとしています。環境を180度、強制的に変えることで自分を変わっていくことを感じることが出来てきました。

人によって「自分を変える方法」は違うでしょう。この方法が万人の正解とは思いませんが、少なくとも自身にとっては、この「大人の夏休み」が上手く作用しているように感じます。


エピローグ

実はこのnoteは2023年9月24日に書いています。2023年7月1日にオーストラリアに移っているので、3か月が経とうとしている頃です。

必死にポジティブに書こうとして書き上げたのですが、どうしても当時の私は違和感をぬぐい切れず、最後の「結論:理想と現実のバランスをとる」を書けずに下書きのまま、約半年もこのnoteを眠らせることになります。

2024年3月の私は、こうしてこの記事に「結論」を書き加え、違和感なく投稿できるようになりました。少しずつですが、「成長」というか「変われている」のかなと思うと、この決断が間違いではなかったと確信できていること、この環境に感謝しかありません。また、私自身の歩みが、だれかの励みになれば嬉しいです。