ちょっと前のわたしには、思い浮かぶことがたくさんあった。

スマホを見ながら返事をすること。
ぼーっとするために子どもを預けること。
子どもの食事より自分の食事を優先すること。

わが子が生まれたばかりの頃は
もっともっとあった。

3時間たつまでは絶対に授乳をしない。
赤ちゃんが起きたら自分もからだを起こす。
朝起きたらすぐに服を着替えさせ、全身にクリームをぬる。

文字にしてみると、ガチガチでこわいくらい。

でも、きっとみんなそれぞれ
『わたしのフィルター』を持っていて
わたしだけの常識やあたり前がある。

それを、ひとつ、またひとつと
手放せるものから手放していく。

とてもこわくて、どうなっちゃうんだろうわたし。
誰かに何か言われるかも。
なんて心配しながら。

…やってみると、誰も何も言わない。

一番自分にうるさく厳しく
冷たい目を向けていたのは、わたしだった。

『ママなんだから』
『ママになったんだから』
『母親として』

誰が言ってるのかもわからないような
頭のなかのあたり前を盾に

一番大切なはずのわたしに
いじわるな言葉をぶつけてしまうわたしたち。

なんでだろう。
なんなんだろう。

理由がわかっても、わからなくても
とりあえずやめてみることはできる。