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別れ

翌日、私は簡単にまとめた荷物を持って、真琴の部屋に転がり込んでいた。

事情を察してくれた真琴は黙って私を部屋に招き入れてくれた。


亮司と住んでいた部屋には短い手紙を置いてきた。

「あなたの病気は一生治りません。サヨナラ」とだけ。


その頃は、携帯電話など無い時代。

翌日、会社に亮司から電話がかかってくる。「仕事中です。」と言って受話器を切る。

その翌日は、亮司の先輩から電話がかかってくる。ひととおり話は聞くが、私の決断は固かった。

そしてまた、しばらく経った土曜日の昼過ぎ、会社終わりの時間に亮司が会社の出入り口に待ち伏せしていた。

私は、彼を無視して、目の前のタクシーに乗り込み、「出してください。早く。あ、銀座へ。」とドライバーを急かす。亮司は走り出したタクシーを追いかけてくる。それでも、私は一度も振り返ったりしなかった。

女がいつまでも待っていると思ったら大間違いなのよ。あなたも少しは学習できたでしょう、と言ってやりたかった。

ああ、まるでテレビドラマのようだわ・・・と思いながら、銀座で待つ男の元へ向かう私。その男も私をナンパしてきたアメリカ人の男だった。アメリカ大使館に勤める外交官の息子。日米の混血だった。



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