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京都・イノダコーヒで味わう、至福の朝食とクラシカルな時間

京都に来てはじめて、イノダコーヒに行った。イノダコーヒといえば、京都の老舗コーヒー店の代表格、みたいな存在。せっかくなので本店に足を運び、これまでもかと京都の歴史と優雅な気分を味わってきた。

1940年創業の歴史を誇るイノダコーヒ。なんともレトロなお店のたたずまいが京都の路地の一角に現れる。イノダコーヒ本店には、2つの趣の違うお店が並ぶ。1つは写真のクラシカルでおしゃれな外観の建物、もう1つは京都の街並みに溶け込むような町家づくりの建物。現在は2つめの町家のほうの店内が使われている。

本店の建物に足を一歩踏み入れた瞬間、サッと空気が変わるのを、肌で感じた。タイムスリップしたかのようなレトロな建物に、パリっとした接客をされるスタッフの方、どこかのお茶会のような広々とした空間。映画で見るようなマダムの世界が広がるかのよう。

わたしは旧館のほうに案内をしてもらったのだけど、雰囲気そのものに惚れ惚れとしてしまうような、うっとりする空間が広がる。緑あふれる中庭を見渡すための大きな窓、ふかふかで優雅な赤いイス、思わずきゅんとしてしまうギンガムチェックのテーブルクロス。

ちなみに中庭は豊かな新緑の木々であふれ、きれいに整備されている。テラス席は、京都市街のど真ん中であることを、そしていまが2023年であることを忘れてしまうような、不思議な空気に包まれていた。

まだお店に入り席に座っただけなのに、すでにイノダコーヒの魅惑に取りつかれてしまっている。さて、こんな素敵な空間で、なにを味わおうか。

せっかくなので、「京の朝食」を。ワンプレートに、ふわっふわのスクランブルエッグと、サラダ、にんじん、ハム、ポテトサラダがのっていて、別皿でクロワッサンがついてくる。クロワッサンは、地元のパン屋さんから仕入れているようで、サックサクでバターの香りがしっとりとして絶品だった。

サラダを食べたりパンを食べたり、途中でオレンジジュースを味わったり。外の揺れる緑を眺めながら、食べてもなかなかなくならない幸せを頬張る。

オレンジジュースとは別に、1ドリンクがついてきて、わたしはアイスコーヒーに。ずっしりとした深い味わいに感動しながらも、なくならないように丁寧に丁寧に味わってみる。

1,680円と、モーニングにしては決して安くない金額だけど、おいしさと、ただそれ以上に「この空間でゆったりと過ごす朝の時間」のためにお金を払っていると迷いなくいえるような、そんなひとときだった。

まるでタイムスリップしたかのような、まるで映画の世界のような、まるでホテルでいただく朝食のような。「まるで」をつい付けて語りたくなってしまうほど、せわしない日常から少し離れて、朝の時間を存分と堪能できた。

これから「優雅な朝の時間」と聞けば、一瞬でこの日の時間が思い出されるだろう。そう思えるほどの時の流れ。じっと立ち止まることを忘れてしまうほどの日々に追われたときには、ここに逃げ込もう。

京都らしい長い歴史と文化が根付いた、クラシカルで非日常の世界。そんな居場所が半径5キロメートルにある暮らしを愛して、また日常を続けよう。

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