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従業員へM&Aを発表するときの留意点|M&Aアドバイザーのプチお役立ち情報

こんにちは。かきもとみさです。私は世の中には数少ない女性M&Aアドバイザーの仕事をしています。

本日はニッチなテーマですが、「従業員へM&Aを発表するときに気を付けたいこと」について書いてみたいと思います。

場面としては、売主を買主で譲渡契約の締結が完了し、入金も確認できた後、「さあ、いよいよ会社のみんなにもこの件を発表しよう」という場面を想定しています。

・・・まぁ何と言っても1番、「ざわつく」場面ですね!


①「混乱を避ける」が優先。簡潔に、わかりやすく!

まず、何よりも大事なのは「簡潔にシンプルに」伝えること。

従業員というか一般の人たちは「M&A」というのは未知の世界であるケースが圧倒的に多いです。

売主買主がアドバイザーと共に、クローズドな空間で案件を粛々と進めている間は、その内容に慣れてきてそれが当たり前のように感じてきますが、一般の人からしたら「株式譲渡が完了した」とか、「株を譲渡し、株主が新しくなった」という厳密な事実というのは、想像がつきずらく「え?何が起こったの?」となりがちです。

従業員への発表の際には「混乱させない」ということが第一優先ですので、イメージしやすい説明をシンプルに行うことが重要です。

例えば、
「社長が変わることになった」(譲渡と共に社長交代ケース)
「〇〇のグループ会社になることになった/グループ傘下に入ることになった」など

Simpe is the best!

こういったシンプルでわかりやすい説明が好まれると思います。

②「いままでと変わらない」ということを強調する

大抵のケースでは、従業員の雇用条件や役割責任、業務内容は急に大きく変わらないと思います。

なので、「これまでと変わらない」ということは強調したほうが良いでしょう。基本的に人は「変化」を嫌いますから。

「社長が変わる」という重大発表をされたら、大抵、最初にするのが「自分の心配」です。

「家族がいるのに、クビになるのでは・・・」
「給料がさげられるのでは・・・」
「勤務地がかわるのでは・・・」
「仕事が急に激務になるのでは・・・」

発表したあとに一瞬で、こういった「不安」で従業員の頭の中は一杯になります。

ここをとにかく払拭することが第一優先。

「これまで通りに、業務に励んでください」
「従業員の処遇は変わりませんので安心してください」
「勤務地や勤務時間も変わる予定はありません」

例え長期的な戦略においては「(よりよい環境にするために)軌道修正が必要」という内容があったとしても、この時点では「変わらない」ということを強調したほうが良いでしょう。

③直近、次に何が起こるのかを説明する

重大発表された従業員は、その日家に帰って、「社長が交代するらしい」とか「どこか知らない会社の子会社になっちゃった」とか、不安を家族に話したりするでしょう。

M&Aスキームが株式譲渡であれば、法的には当然ながら雇用関係もそのまま継続されますが、少なくともずっと会社を辞めようと思っていた人材などがいる場合には「この機会に辞めようかな」と思いなおすきっかけを提供する機会になり得ることには変わり在りません。

事情は何にせよ、不安をそのまま放置しておくのは良くないことなので、多くのケースではM&A成立後に「新社長と1人1人面談をする」というような従業員対策をすることが多いです。

なので、この従業員発表の段階で「近々、新社長との面談を予定しています。不安や質問、相談事のある方については、その際にお話を聞かせてください」という風に近々のスケジュールを伝えておくほうが良いです。

そうしておけば、1人で不安になって勝手に辞職を決断をされる前に「とりあえず新社長と話ができるのなら、その面談を経てから辞職するかどうか考えよう」と猶予期間ができるので。

④情報漏洩しないよう留意してもらう

従業員に発表するときに、「顧客企業や取引先については新社長とともにご挨拶にいく際に直接お伝えしたいので、従業員から取引先に情報が洩れないように留意してください」と伝えることも重要です。

とはいえ、噂話は流れるケースもありますが・・・

形式的にでも、きちんと伝えておきましょう。

⑤その日では終わらないフォローが必要

最後に、一番大事なことを書きたいと思います。

それは、従業員へ発表した日が「始まり」であるということ。

この発表の日に、不安を完全に払拭することはまず不可能です。

その日は、上記に書いたようにシンプルに明確に、不安を煽らない伝え方に徹することは重要ですが、もっと重要なのは「その後のフォロー」です。

この発表の日を皮切りに「一体、この会社はどうなってしまうの?」という不安を払拭していくためには、買手の手腕、そして売手の手厚いフォロー体制が欠かせません。

ここ従業員一人一人と丁寧に向き合うことで、PMI(統合後プロセス)を前向きなものにするか後ろ向きなことにするかが大きく変わってくると思います。

その日を境にポジティブなエネルギーに転換できれば「◎」

従業員への発表から、きちんと説明を重ね、徐々に従業員たちの間で「今回のM&Aによって、うちの会社はなんか良い会社に生まれ変わりそうだな!」とか「社長、良い決断をしてくれたなぁ!」「グループ傘下に入れてもらったことで、もっと強い会社になりそうだ!」というプラスのエネルギーを生み出すことができれば、もう大丈夫。

従業員自らがこれまで以上に業務へ献身し、改革を助けてくれる存在になってくれるはず。

もちろん、混乱を巻き起こすのは間違いないので簡単ではありませんが、きちんと向き合って対応することが大切です。


ニッチだったかもしれませんが、参考になれば幸いです。

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