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(181)猫先生

なんだかカラダが重くて怠い日が続いていた。しばらくサボっていたワークアウトをしようと決意して床に座りストレッチから始める。私のワークアウトはネットで見つけたバレエの15分ワークアウトでシンプルなものだが、その中に四つん這いになってから右手左脚と互い違いに伸ばしてバランスをとるポーズがある。ところがヨガなどの体の下に空間のできるポーズをとると、なぜか猫たちが入りたがるのだ。この日はジジが前に伸ばした手の下をくぐろうとして、久しぶりのポーズにバランスが取れずにフラフラしていた私の左手が通り抜けようとしたジジの頭の上に落ちてしまった。 頭をさっと引っ込めたジジが非難するような驚いたような、何とも言い難い奇妙な表情で私をじっと見つめる。ごめんなさい!ごめん!ジジ!と笑いを堪えながらも謝ってみる。大きさの差から考えたらけっこう痛いのかもしれない。 しばしの間見据えるとさっと表情を変えて四つ足体制の私の前を歩き始めた。スーッスーッと右手を前に伸ばして左脚は後ろへ、左手を前に伸ばして右脚を後ろへ。私は静止しててもグラグラなのにジジの見本は歩きながらの上級編。さーすがジジ先生。 猫先生がバランスの取り方というものを、身をもって示してくれたのでありました。
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