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”家族留学”体験が結婚・妊娠の決心に与えた影響

はじめに

私は、テレビ局に勤める父・フリーランスの編集者として働く母・姉二人の家庭で育った。中学生くらいの頃から、”家族”というものに関心を持ち始めた。
大学2年生の時に、Facebookで「家族留学」という広告を見つけた。直感的に面白そうだと思って参加してみた。
家族留学とは、海外に家族単位で留学に行くのではなく、日本の若者が日本の子育て家庭に1日訪問し、子育て体験や夫婦との対話を通して将来設計に役立てる体験型プログラムである。)

家族留学の体験

初めて参加した家族留学で訪問したのは、都内で3歳と0歳の二人の子供を育てる家庭だった。一緒に公園で遊んだり、餃子パーティーをして1日過ごした。今でもよく覚えているが、本当に楽しく学びある1日で、帰り道は高揚感に溢れていた。子供と触れ合う機会はほぼない日常だったので、3歳と0歳の子供と交流したことが新鮮で楽しく、単純に「いつか子供が欲しい」と思った。そして、見ず知らずの大学生を暖かく受け入れてくれて、結婚に至ったプロセスや仕事と子育ての両立の良い面も葛藤している面も包み隠さず話してくれた夫婦と出会えたことが心から嬉しかった。「こんな家族を作りたい」と将来の妄想が膨らんだ。

それから、何度か家族留学に参加していろんな家族と出会った。海外の家族の形も知りたいと、オーストラリアに留学し複数の家庭でホームステイをしたり、中国やメキシコ、コロンビアの友達に会いに行きホームステイをさせてもらった。

また、家族留学を運営するmanmaのメンバーになったことで、さらに多くの家族と出会う機会が増えた。シングルマザーの家庭や専業主夫の家庭、ステップファミリーの家庭、また仕事と子育ての両立の在り方やパートナーシップの在り方が様々な共働き家庭、一概に「家族」といっても多種多様な形があることを知った。そんなプロセスを通して、私の中で、パッと思い浮かぶ家族のイメージ像が「自分が育った家庭」だけでなく「これまで出会った様々な家庭」になっていった。

遠距離の中での結婚、そして妊娠

大学を卒業し、人材系企業に入社した(複業としてmanmaの活動も続けていた)。入社当時の配属先が愛知県だったため、愛知県での一人暮らしが始まった。
当時、遠距離恋愛中で付き合っている人がいた。彼は東京で、私は名古屋で、月に1〜2回夜行バスや新幹線でどちらかが会いに行く生活だった。会うたびに彼のことが好きになり、この人と家族になりたいという想いが募っていった。これまでいろんな家族に出会ってきて、「いつか自分の家族がほしい」と思っていたので、よく彼と家族になることを妄想していた。だけど、私は名古屋にいて彼は東京にいて、すぐに一緒に暮らすことは難しく子供を作る未来も描きづらい。仕事が好きだったので転職するという選択肢はなかった。悩んでいた。
そんな時に思い浮かぶのは、家族留学を通して出会った”様々な家族”だった。大学生の時に出会った、名古屋と東京の遠距離恋愛を経て結婚し、今は3人の子供を育てている家族。日本とアメリカの遠距離結婚で2歳の男の子を育てる家族。遠距離でも家族を形成し、子供を育てている人たちがいる。「今、彼のことが大好きで家族になりたいなら、結婚すればいいか。」と気持ちが軽くなり、プロポーズした。

愛知県で暮らし始めてから3年が経ち、東京への転勤が決まった。彼と付き合ってから初めての同棲生活。楽しくてしょうがない。彼との子供が欲しいと思った。
ただ、転勤後の配属部署は立ち上がったばかりの組織、私はリーダーという役割でメンバーがいた。「今、子供ができたら迷惑がかかる。」「挑戦する機会をもらった。今は自分自身のキャリアを積める時期のはず。子供を作るのはもう少し後にした方がいいんじゃないか。」「・・いや、でも心の根っこの想いは、授かれるなら授かりたい。」そんな自問自答を繰り返していた。
そんな時に思い浮かぶのは、これまで出会った様々な女性たちの存在だった。ある会社で役員を勤める女性は「(出産後に)仕事に使う時間は8割くらいに減ったけど、この子のために頑張ろうっていうモチベーションだったり生産性が上がって、結果として仕事への満足度は前より上がったよ」という話をしていた。ある女性は育休中にセブ留学をしていた。ある女性は大学院に行ったり、ある女性は産後に転職して新しいキャリアを築いていた。育休復帰後にマネージャーに昇進した人もいた。子供ができることが悲観的なキャリアに直結するのではなく、子供ができることで前向きなキャリアを築き自己実現している人たちがいることを思い出した。「授かれるのなら、授かりたい」そう思えた。

最後に

私のお腹の中には小さな命がある。もう少しで外の世界に出てくる。そして、私は親になる。
家族留学を通して出会った様々な家族のおかげで、結婚や妊娠の選択で悩んだ時には、背中を押してくれる前向きな事例を思い出し、自分で決めることができた。
ネットにも結婚や妊娠、キャリア選択にまつわる様々な情報が載っている。ただ、自分の目で見て耳で聞いたことではないから、ついついネガティブな情報や根拠のわからない情報に流されてしまう(そうでない人もいるかもしれないが、私は流されやすい)。
だからこそ、家族留学という自分の目で見て耳で聞いて知った”家族の多様な在り方”、”キャリア・結婚・子育ての多様な在り方”の事例は、前向きな未来を自分で決める上で大切だった。

※この記事を読んで、家族留学を体験してみたい、受け入れてみたい、と興味を持った方がいたら、HPを覗いてもらえると嬉しいです。
https://manma.co/page


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