エジプトには有名な巨大ピラミッドがあります。
　しかし、何のためにこの巨大なピラミッドが建設されたのか…を巡っては論争が繰り広げられ、今もってミステリとされています。
　特に最も大きなピラミッドはクフ王のピラミッドです。高さは、最初は140m以上あったそうです。
　これを、クフ王の墓とする説も多くあります。しかし、棺やそれに類するものも発見されていません。
　いかにエジプト王朝の権力が絶大だったとしても、これほど巨大なピラミッドを建設するのは、どう見ても無駄であるし、人民を酷使するにすぎません。
　またこのクフ王のピラミッドは『（神聖な）泉』の上に建てられていたのをご存じでしょうか？これは、類似のピラミッドの構造を持つメキシコのピラミッドも同じです。
　話は飛びますが、人類の歴史上、実は人間が生存して行くうえで重大な危機を与えるのは、もちろん、自然災害であった訳です。
　火山の噴火、地震発生、津波・豪雨による大洪水、隕石衝突などです。
　これらは、何度も、何度も人間に襲い掛かって来たものばかりです。
　この内、水による災害は規模も大きく人的被害も甚大になることが知られています。
　火山も悲劇的災害を引き起こしますが、一時的には地域限定的なものです。火山の噴火による異常気象もありますが、直ちに人命を奪うというより、気温低下による不作になったりしますが…。
　洪水の被害（津波も含んで）は、短時間で多くの人命を失うケースが非常に多くあります。
　例えば、東北震災では、犠牲者の9割以上は、津波に伴う溺死であったと言われています。地震動によって建物の倒壊などの犠牲者の数は想像以上に少ないとされています。神戸震災でも火災による被害者が多かったとされています。
　さて、このような洪水（津波も含む）被害から人間が逃れるためには、高台に逃げる・・すなわち高いところに逃げたり、住んだりしておくことが極めて重要です。
　その意味でも、東北震災の際にリアス式海岸に沿って建てられていた神社の8割以上は震災被害を免れていたことが知られています。
　これは、古代から『神社は避難場所』と考えられて造られてきたからです。また、この地域では、ある高さの場所に、『これより下には家を建てるべからず』という標識が建てられていました。
　この東北震災の地域では、それまでも歴史的に大震災が起きていたことは周知の事実であって、今回の東北震災と津波は十分に『予見可能な（周期的）震災』であったのです。『貞観地震』などは常識的にも良く知られた天変地異であった訳です。
　地震や津波などは、その発生メカニズムからも周期的に起きる…という事は常識です。特に、巨大地震などは正確に発生する時期を特定することはできませんが、将来起きるであろう、ということがほぼ１００パーセント確実です。
　以上を知らなければ災害の発生やそれに伴う悲劇を最小にすることはできません。
　知らなかった…では済まされない、予期された被害を見す見す招いているのですから、極論すれば、人災と言っても過言ではありません。
　以上見て来たように、人類はまさに周期的に頻発する水（洪水）との戦いであったのです。
　逃げるが勝ち・・これは至極当たり前の事です。
　水から逃げる・・高いところにいる➡高い構造物を建築する
このような当然のことが歴史上に繰り返され、洪水で活躍できるのは水に浮かぶ『（規模の大きい）船』であった訳です。皆さんも『ノアの箱舟』をご存じだと思います。
　そう！頻発する洪水、巨大洪水から逃げるには
　★『高い建築物』
と移動可能な
　★『（規模の大きな）船』
をまず準備しておかなければ大きな洪水から命を守る事は出来ません。
　下の写真を見て下さい！

そうなんです。クフ王のピラミッド横には43メートルの長さの船が２艘分組み立てられるように準備されていました。
　高いピラミッドを造り、船を用意しておく…備えあれば憂い無し。
古代の人達は歴史を知り、災害が繰り返し起き、規模を知り、その準備に余念がありませんでした。
　命を守る、だからこそ巨大なピラミッドを建設した…切実だったのでしょう。
　これは世界中にある類似のピラミッドに纏わる伝承とも一致しています。下の図は、右端のクフ王ピラミッド左下に船２艘があったことを示ししてます！

もうお分かりと思います。上図は、新・ビジュアル　古代遺跡事典」Newton別冊二〇二三年三月からのものです。
　最後に、人間が生き残る上で欠かせないのが『水』（飲料水）なのです。すでに述べたようにクフ王のピラミッドは『（聖なる）泉』の上に建てられ、地下水を汲めるように工夫されていました。
　さぁ、これでクフ王は大洪水が起きても当面は生き残り、様子を見ながら船で移動できました…賢いですね。