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向日葵の花言葉《④》

むしろ見知らぬ女が急に泣きじゃくり訳の分からない事を言っていることに困っていた。
私はとりあえず状況が整理できなかったが、ひとまず深呼吸をし、自分の自己紹介をし彼に自分は不審者ではなくガス欠で助けが来るのをひたすら待っていたという事情を説明した。
すると、彼が乗っていた車から見知らぬ女の人が『どうしたの?大丈夫?』と歩み寄ってきた。私は胸が締め付けられながらもその人が彼の彼女だと悟った。
『この方の車がガス欠を起こしてしまったらしいんだ。今日はもう日が暗くなったからひとまず宿泊先まで送って行こうかと思うんだけどいいかな?』と相変わらず優しい彼の対応。すると彼女は『もちろん。』と返事すると『寒くないですか?どちらにお泊りですか?』と優しく語り掛けてくれた。泣きじゃくった私の顔を見て心配してくれたのだ。ここに向かう事だけしか考えていなかった私は宿泊先なんて考えていなかったのでそう2人に伝えると2人は近くのホテルまで送ってくれ明日また車を取りにいく為に迎えに来てくれる約束を残し行ってしまった。

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