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田村正和様のご冥福をお祈り申し上げます。

田村家の方々には映画ドラマ等沢山のメディアで楽しませて頂きました。長男高廣様、三男正和様、四男亮様、そしてご兄弟のお父上様の板東妻三郎様。ありがとうございます。

今日はその坂東妻三郎主演の映画『王将』を紹介。伊藤大輔監督脚本。1948年公開日本映画。

関西の将棋棋士の坂田三吉さんの実話ベースのお話。私が知っていたのは村田英雄さんが歌って大ヒットしていた歌謡曲『王将』から。作詞”青い山脈””蘇州夜曲”等の西條八十。作曲”矢切の渡し””兄弟船”等の船村徹。

” 吹けば飛ぶよな 将棋の駒に
賭けた命を 笑わば笑え
うまれ浪花の 八百八橋
月も知ってる おいらの意気地

あの手この手の 思案を胸に
やぶれ長屋で 今年も暮れた
愚痴も云わずに 女房の小春
つくる笑顔が いじらしい

明日は東京に 出てゆくからは
なにがなんでも 勝たねばならぬ
空に灯がつく 通天閣に
おれの闘志が また燃える”

主人公三吉は、長屋住まいでわらじを編んで生活をする極貧生活。妻も子供もいるのに、僅かな家財みんな質屋に入れてまでも、将棋の大会に出る為の金策をする。あまりの酷さに妻は自殺しようかと思うほどに将棋バカな主人公。呆れ果てた先に、それ程将棋が好きならば日本1になりなさいと応援に転じる妻小春。

ドヤ街から自分の指一本で、日本1の将棋指しになった立身出世の物語。戦後の日本がみな応援し、励まされた物語。

映画の坂東妻三郎さんが、将棋好きでたまらない三吉さんを好演。映画を見るまでは、生活をかえりみず、妻子に苦労ばかりさせる役ただすの旦那なんて、普通に三下り半でしょ。妻小春が良く我慢強く支えたものだと思っていた。だけど、三吉の将棋が好きすぎて誰にも負けない将棋への執着や周りをも巻き込む程の将棋の才能に、遂には応援してしまう妻小春の気持ちが良く分かった。


ところで、最近WOWOWで『明日のジョー』がリマスター版で週4話づつ再放送されている。有名タイトルだけで、実は見たことがなかったので、毎週楽しみに見ている。現代とは違う社会情勢に生きる人々の所作の違いに新鮮味を感じている。また、今とは違う画像の力強さやストーリー展開など驚きに満ちている作品だと思う。

主人公ジョーは不良だったという設定は知っていたが、最近のようなクールな不良と思いきや、手八丁口八丁の詐欺師でビックリした。少年刑務所も暴力事件で収監されたのかと思っていたが…詐欺だった。えっ? 丁度貧乏長屋の様子も出てきて、腕っぷし一本でボクシングの世界で頭角を表し始めたジョーをドヤ街の皆んなが応援する場面があり、映画『王将』と重なった。

そんなこともあり、『王将』を思い出したのかも知れない。

現代に置いても一芸に秀でた人が一心に、その芸に打ち込む姿に、みんな応援したくなるし、自分が果たせなかった夢をその方に託して一緒に夢を見ているのだと思う。

役者さんも然り。これからも、なにがしかの映像でそのお姿を拝見出来ることが鑑賞者の喜びであり、胸に響いた役者さんはいつまでも心に残り続けるのだ。ありがたいと思う。




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