CL プレーオフ1stleg vsレンジャース(A)
試合の印象
レンジャース 2‐2 PSV
45' Sima (1-0), 61' Sangare (1-1), 76' Matondo (2-1), 80' Luuk de Jong (2-2)
先週末、リーグ戦のフィテッセ戦でのプレーぶりがとても悪かったので不安が先行。スタメンは、先週のリーグ戦で活躍したサイバリが先発に繰り上がり。ランも間に合い、けがのファンアーンホルトに代わって新加入のデストも先発。
序盤はバカヨコとサイバリの判断の悪さ、強引さが攻撃を単調なものにしてしまい、ボックス内を人で埋めるレンジャースの前にシュートが枠を外れるか、キーパーの正面に飛ぶだけの単調な展開。
前半終了直前、サンガレがCBの位置まで降り、キーパーのベニテスからボールを受けたところをプレスで嵌められ、ボールを奪われると、最後はシマが右足でゴール右上にきれいにシュートを巻いて1‐0。サンガレのこれがこの試合で出るか…とため息。
後半に入っても不用意なロストが続き、次第にアイブロックスの大声援を背に受けてレンジャースがラインを上げ、中盤から前のプレスでPSVを嵌めにかかる。しかし、たまたま訪れたワンチャンスをサイバリとバカヨコのボール交換で翻弄、最後はフリーになったサンガレへボールが出て、冷静に枠へ。1‐1、汚名返上。
試合は終盤残り15分、ロングカウンターの場面。ラインをぎりぎりで破る美しいパスがカントウェルから右サイドを走るデッセルスへ。彼からもファーに走ったマトンドの足元にぴったりの見事なアシスト。右下隅に巻いたシュートが決まって2‐1。
しかし、レンジャースのリードは全く続かず、コーナーからルークが競り勝ち、肩に当たったボールがネットを揺らす。2‐2。
ホームで勝ちを狙いに行くレンジャースをしのぎ、PSV出身のランマースの登場に感傷的になりながらそのまま試合終了。
押し込まれた際に決壊寸前まで行きながらも、かなり悪いプレーを連発した中で得られた最高の結果。
ボスの選ぶスタメンに思うこと。
現在崩壊している4バックには早急にテコ入れが必要という話は今に始まったことではなく、2023年に入ってからPSVについてずっと言われている。そのため、ボスカリがせいぜい及第点で、現状ボスはほかのCBに満足していないだろうと思う。
特に、今日の試合でもミスを何度も犯し、2戦続けて不調を露呈したラマーリョは、彼がセットプレーで得点を量産するなどそれを補って余りある別の何かがない限り、しばらく難しいと感じた。
自分の裏に出たボールを追いかけながら、相手選手を背中を使って守備をする場面で競り負け奪われる、もしくは落下点を見誤ってちぎられるのは決して今日だけのプレーではないのも気がかり。長いシーズンでどの選手にも必ずいてほしい時期が来るだけに、空回りをほどくためにも一度休養が必要なように見える。
また、新加入のデストが早速デビューも、試合勘が相当に削がれているせいか、素晴らしいボールタッチをすべて無駄にするプレー判断の悪さが目立ったうえにコンディションも悪く、まだ90分フル出場は難しい現状。
デストに代わって途中から出場したサンボには期待。
かつてヨングでウィングをやっていた彼は、二度の膝の靱帯の大けがを22歳にして経験済み。
しかし、早い段階で身体能力頼みのプレーから解き放たれたとも言え、無謀なプレーは選ばず、まず守備ポジションとしてのサイドバックをこなせるのがとても好み。個人的にはいまのPSVにいるSBで一番いい選手だと思う。
10番にサイバリやババディを起用する柔軟さと競争あるので、テゼを右CBにし、サンボを起用するだけでかなり好転しそうなだけにこの布陣が見てみたい。
セカンドレグはホーム。奇しくも、去年と全く同じ、アイブロックスを2‐2で折り返し、ホームに帰ってくる。再現ではなく、違う未来を見せてもらいたいと願いつつ、まずは互いに全力を出し切る素晴らしい試合となりますように。
<了>
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