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怖いけどスッキリする話 「窓から侵入してきた驚きの人物」

これは例の訳あり物件で起こったことです。今回はやや痛快な感じにしてみました。約2800文字です。心して読んでください。

昼寝中に侵入してきた謎の人物

その日、私は二階の寝室で、夫と愛犬は一階のリビングでそれぞれ昼寝をしていました。時期はあまりよく覚えていませんが、窓を網戸にしていたので初夏だったように思います。

どれくらい寝ていたのか、目を覚ますと日が傾き始めています。横になったまま心地よい風に当たっていると、ふいに
「シャッ」
とカーテンが開き、何者かが窓から侵入してきたのです・・・。

その瞬間、まだ薄明るかったこともあり、顔が見えました。
なんと、義父ではありませんか!ええ、夫の父親です!

嫁に襲いかかる義父

義父は風に乗って軽やかに入ってくると、ベッドに寝たままの私に襲いかかってきます。
そして、私の両手首を掴んで押さえつけてくるではありませんか!
ものすごい力です。
(なんだ、こいつ)
(冗談じゃない)
払おうとしますが抵抗できず、夫を呼ぼうにも声が出ません・・・。

とはいえ、格闘していたのはせいぜい十秒程度だったろうと思います。
ようやく声が出て

「出て行け!」

強い口調でそう言うと、義父は消えてしまいました。

あれは、何者?

さて、何もなかったかのような穏やかな夕闇を見ながら、私は考えました。

(お父さん、死んだのかな?)
(ついに幽霊見ちゃったのかな?)

そして、心の中でニヤッとしましたw
あとで解説しますが、それくらいの存在というか、問題の多い義父だったからです。
ところが、違いました。後でさぐりを入れたところ、義父は健在でした。ガッカリすることにそれは現在に至っても変わりません。

とすると、あれは生き霊だったのでしょう。
実は、生き霊というものを姿として見たのはこれが初めてでした。幽霊などは見ることがない私。人間の念は強いものほど形があらわになって見えるようです。義父は、嫁の私が邪魔で邪魔で仕方ないのだと感じました。そして、その後も義父の姿を家の中で見かけることが何度かありました。
義父の呆れた本性と欲望が原因で・・・。


【解説】義両親の実態

結婚当初の私は義父を慕っていました。
結婚した頃、義父は定年を迎えたばかり。それまでは地元で1、2を争う優秀な高校の校長を勤めていました。教育委員をしていたこともあるそうです。表向きは優しく、元教師ということもあって話しやすい義父でした。
自分の父を亡くしたばかりだった私は、新しい父ができたことに喜び、困ったことがあれば相談し、解決すればお礼状を書き、父の日や母の日には贈り物をして良好な関係でした。正確に言えば、良好だと思い込んでいました。

義父は、ものの数ヶ月ほどで正体をあらわにしたのです。覚えているだけでもこんなことがありました。

・私のブログに嫌がらせのコメントや指示(息子の趣味をやめさせろといったもの)を入れる
・頻繁に深夜に泥酔して電話をかけてきては夫を罵ったり大声で叱ったりする
・深夜、私の携帯に連続でワン切りをする
・私たちの知人に「嘘つき夫婦だから信用しないで欲しい」と悪質な嘘を伝える
・私にセクハラメールを送る
・「あなたは子供が嫌いで産まないようだが、私は孫の世話をしたい」と決めつけ、何年も産めと要望される
・ブログをやめると「書きなさい。そっちの様子がわからない」と命令してくる
・夫の名を使って私たちが知らない人に贈り物をし、後日請求書と相手の方からのお礼が届く(夫が知らない親戚らしい)
・嫁が意外に高収入(当時の話です)と知るとお金を無心してくる
・私に夫の嘘の情報を吹き込み、夫婦仲を壊す

私がはじめに(おかしい)と感じたのはブログの指示でした。
私は両親にこういったことで指示や命令をされたことなどありません。子供の意思を尊重する両親であり、過保護気味ではあっても危険が及びそうなときに心配されただけで、基本自由でした。やりたいことを親として支援し、見守ってくれただけです。

もっとも困ったのは深夜の電話でした。常識で考えれば、深夜の電話など緊急事態です。当時夫の祖母が健在でしたし、何かあったかと出るようにしていました。ところが、相手は決まって酔った義父で、楽しい酔っ払いの電話ならまだしも
「お前、結婚したら調子に乗ってるな」
「お前の母親をどうにかしろ!(随分前から家事放棄で引きこもっています)」
「明日は法事だ。10時に来い(しかも法事は嘘)」
などなど、酷い内容ばかり。毎回愚痴や文句です。しかも、夫の傷をえぐるような内容ばかり。

他にも、ときどきどうでもいい夫宛てのDMを転送してきて、封筒の隅には必ず戒めのような嫌がらせの言葉を添えていました。どうも、こういったことを子供の頃からされていたようで、夫の精神はボロボロでした。
私と結婚してから思うように支配できなくなり、いら立ちは増していたようです。

私は義母には同情を寄せていましたが、次第に嫁を完全無視している人であることが発覚します。どうも、プレゼントをくれるお財布という感覚だったようです。お礼もとうとう一度も言われていません。
うちの母ならすぐお礼の電話を入れ、会ったときも再びお礼を伝えて何かお返しをするというのに。呆れたものです。

そして、反撃開始!

私がキレた、完全に見限ったのは私の母の死を無視したことでした。母に義母のことを話したとき
「可愛そうだから、面倒みてあげなさい」
と言った人です。夫にも同情し、会わせたときにすぐ名前も好物も覚えてくれて、実家に行くたびに用意して待ってくれていました。その母が亡くなったことを知っても何も言ってもこないのですから、人として扱う必要はありませんよ。
夫の祖母が亡くなったとき、母はもちろん、私の兄弟全員が香典を出しているというのに。

さて、私のストッパーは外れたわけで、まず夫婦で私の旧姓に戻しました。あんな人たちと同じ姓など名乗るのも吐き気がします。もともと結婚と同時に運気もダダ下がりでしたし。夫もすぐ同意してくれて、自分の家は捨てると言います。はい、絶縁です。

義父が送ってきたくだらない書簡には「受け取り拒否」のメモを貼ってポストに投函。実家に電話をして、義父には直接
「どういうことですかっ!!??あなたが嘘をついたことは全部知っていますよっ!」
「私は健康体ですし、子供は好きで、希望していました。子供を持つことに抵抗があったのは息子さんです。原因はあなたが作った家庭環境にあるそうですよ。本人に聞いてごらんなさい!」
全部ぶちまけてやったわけです。車で片道7時間はかかる遠方ですが、近ければ拡声機持って押しかけ、近所にもお知らせしたいくらいの勢いでしたw
夫も
「うちの奥さんにセクハラメールなんか送ってんじゃねえよ!変態!」
とぶちまけていましたww 夫もすっかり呪縛から解放されていたので。

義父は反論できず、しどろもどろ。最後は義妹に受話器をあずけ、どこかへ逃走。義妹も似たようなもので、妙な返事をしていました。
実家に電話したのはそれが最後です。
ああ〜、すっきりした〜〜〜www


長文になってしまいました。すみません。



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