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映画 ジオラマガール・パノラマガール 思春期の屈折を描く

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東京に住む平坦で平凡な高校生・渋谷ハルコ、16歳。ある夜、橋の上で倒れていた神奈川ケンイチにひとめぼれする。“世紀の恋”だとはしゃぐハルコに対して、真面目でおとなしげなケンイチは、受験目前、衝動的に学校を辞めてしまいそれどころではない。さらに、勢いでナンパした危険な香りのする女の子・マユミに夢中になっていく。二人の平行線の恋はどこへ行くのか。友だちや家族や自分、悩みもがく少年少女の刹那的な視線を切り取った、恋と成長の物語。

高校生同士の青春ラブストーリー、のようでいて思春期映画だった。

主人公のハルコは高校を中退した同い年のケンイチに恋をする。

一方、ケンイチは売春婦の女性に恋をしている。ありきたりな三角関係。

ハルコはごく普通の女子高生だから、未成年特有の愚かさともろさを持っている。ナイトクラブや男遊び、そういうものにふっとまみれそうになったり、不法侵入、飲酒運転、危ないところに足を突っ込む。そのあやうさの萌芽は誰もが持っていた、もしくは持っているものだろう。羽目を外しても結局は日常に帰結する、未成年のつまらないお定まりを、ハルコも忠実に守る。「未成年の枠から脱出しようとする思春期の感情」がさわやかできもちよかった。

瀬田なつき監督の作品は初見だった。現実との違和を感じさせたのは唐突な場面転換が多かったところだけど、それも漫画原作を忠実に守っているからかな。

劇中音楽がめっちゃいい!!と思ったら相対性理論の山口元輝さん担当で納得。サプライズ的なうれしさ。

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