教員の「相談しにくさ」を考える
学校に限ったことではないのだろうけれど、
先生方は職場(学校)での困り感を人に相談しにくいなと思うのは、きっと私だけじゃないと思う。
困った時は相談をする
これが良い対処法なのは分かってる。
でも、話しにくい。
個人的に、この先生方の相談のしにくさには、大きく3つの理由があるような気がしています。
これは私が、ずっとずっと感じてたこと。
でもきっと、私だけが感じてるわけじゃないこと。
①日々感じる世界のせまさ
教員は世界がせまい!みたいなことが言いたいわけではありません。
ここで言いたい「せまさ」とは、やたらとみんな知り合いであるということです。
これは、市町によって事情が違うのかもしれませんが、私の務める市では例えば、転勤して新しい学校へ行くと「〇〇先生と同じ学年だったんでしょ」「こんなこと担当してたんでしょ」などと声をかけられることがとても多い。
着任する前から、ウワサのようなものが流れているということです。
「〇〇の役職をしていたらしい」とか「あの時代の〇〇中学校にいた人らしい」などという、いわゆるネームバリュー的なウワサもあれば
「こんな困ったことをやらかしたことがあるらしい」とか「あの〇〇先生と仲が悪かったらしい」といったゴシップ的なウワサまで、それはそれは凄まじい情報量です。
中には「アイツは管理職になっとるけど、学生時代はこんなヤツだったらしいで!」などという、何十年も前の情報まであったりして、私はただただ圧倒されるばかりです。(学生時代はみんな多少おバカなことをしてるものなんだから、許してあげなよとも思う)
ちなみに、いろいろなウワサを教えてくださる先生方が悪い人かというと、そんなことはありません。
むしろ「あの先生はこんな人だよ」と情報提供として、善意で教えてくださる方が多いです。
でも、だからこそ、ナイーブな話は、そして打ち明けてみないと反応の分からない話は、しづらい。
もしも自分の感覚がズレていて「アイツこんなワケ分かんないこと言ってたよ」と出回ったら…、何十年も評判としてついて回ったら…と考えてしまう。
ウワサが広まってしまいそうで怖い。
だから、学校内では職場の困り感を相談しにくい。
そんな声は、とても多いです。
②"学校"の特殊性
学校内で相談がしにくいのなら、学校外へ。
というのが普通の発想だと思います。
でもこれも、結構難しい。
その1つは、特殊性。
"学校"や"教員"は「専門性が高い」と表現されることが多いけれど、私は個人的に「専門性」というよりも「特殊性が高い」場所だと思っています。
生徒指導・児童理解・生徒理解・教育課程…
他では聞くことのない特殊な言葉が日々飛び交う
運動会・文化祭・合唱コンクール・学習発表会
この場所でしか行われない活動に溢れている
こういう時はこうするものだ、という
暗黙の了解だらけの特殊な世界。
だからこそ、子どもや保護者を含めた世間の皆さんに、その暗黙の了解や学校では当たり前に使われている言葉のニュアンスが伝わりにくかったりする。
学校の先生は、子ども時代から(好きかどうかは別として)"学校"というシステムに適応していた人が多いし、その上さらに、毎日学校の中にいることで、どの辺りがどう特殊なのかが分からなくなりやすい。
職場での困り感を学校外の誰かに相談する時、そんなとても特殊な事情をいちいち説明しながらお話するのは、エネルギーが必要で。
考えただけで少しくたびれる気さえしてしまいます。
これも、私が実際によく耳にする声です。
あなたはどうですか?
③"学校"がもっている情報
学校外では相談しにくい事情。
もう1つは、情報。
"学校"という場所には、膨大な情報が集まっています。
学校外で子どもの名前などを出すのは論外として、「こんなケースがあって…」という相談も、決して誰にも子どもが特定されないように話すのは、結構難しい。
直接的に言わずとも、自分の勤務している学校がどの辺りで、何年生を担当していて…などという情報を組み合わせれば、特定できてしまう可能性があるからです。
さらに、出してはならないのは、子どもの情報だけではありません。
子どもたちに気持ち良く通ってもらうために、部外秘ではなくとも伝えるべきではない情報というのもたくさん存在します。
部外秘じゃないからといって、お客様に何もかも暴露していいわけではない、というやつです。
こういった情報の取り扱いを考えると、学校外での相談はしにくいという声も、実際たくさん耳にします。
目の前の相談相手が、どこかの学校の関係者(保護者や地域、親戚など)かもしれない…。
今は関係者ではなくても、かつては関係者だったかもしれないし、今後関係者になるかもしれない…。
相談相手は今は直接の関係者ではないけれど、近しい人に関係者がいるかもしれない…。
これも、全国に支店(のようなもの)が存在する。そして、ほとんど全員が一度は関係者だった"学校"がもつ、特殊な事情だと思っています。
それでも相談が必要だから
まとめです。
"学校"は"教員"は、とても相談がしにくい。
①みんな知り合い
②特殊な業界
③出すべきでない情報
でも私は、「だから相談できなくても仕方ないよね」では済まされないなと感じています。
メンタルヘルスの観点から見ても、先生方のキャリアに関しても、学校教育界全体を考えても、先生方が相談をする場は必要です。
1人で抱え込む先生が少しでも減るように
先生方が目の前の子どもたちに全力を注げるように
心ある先生ほど相談しにくい現状が改善されるように
現場も分かる、客観的にも見れる。
そんな私にできることを模索しながら、日々活動をしています。(なんだか宣伝のようなまとめになってしまいました)(一筆書きゆえ、ご容赦ください)
先生方が活き活きと活躍できる教育界であることを、願っています。
私が力になれることがあれば、ご連絡くださいね。
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