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【第二子妊活】妊活のための断乳

娘が生後9ヶ月の段階で、第二子体外受精をするため断乳した。
ホルモン剤などを飲んで治療するにあたり、断乳は必須条件だった。私としてはとても寂しかったけど、長い目で見たら今断乳した方がいいと踏み切った。

もともと、寝かしつけに添い乳はしない方針で、おっぱいが無くても全然寝られる赤ちゃんだったし、哺乳瓶も毎日鉄剤を飲ませるのに使っていたので、断乳自体はスムーズだった。一ヶ月かけて、徐々に減らしていったので母体にも負担なくやめられた。
そう。なんのトラブルもなく断乳できたのだ。

そして、断乳して約一ヶ月したある日。旦那が娘を寝かしつけている間に一人でお風呂に入った。ふと「まだ母乳は出るのかしら?」と少し絞ってみた。すると両乳とももはやじわっとにじむほどにしか出てこなかった。
それはまるで、暗い病室で初乳を必死で絞り出したときと同じようだった。

7週早く極低出生体重児として生まれてきてしまった娘は、生まれてすぐNICUの保育器に入れられた。たくさんの管に繋がれた娘は、面会できる時間は限られ、保育器越しにこわごわ触れることしかできず、抱くこともできなかった。

心の準備が一ミリもできないまま出産し、パニック状態の中、お腹の中で育てられなかったぶん、母乳をあげたいと小さなシリンジに雀の涙ほどのお乳をしぼり取り、本当に出るようになるんだろうかと焦った。

退院後は、赤ちゃんの居ない静まりかえった家で3時間おきのスマホのアラームを頼りに必死に搾乳し、冷凍母乳を毎日病院へ届けた。

保育器をやっと出られたら、それでもまだ2000gに満たない小さな娘と、病院の授乳室で直接母乳の練習した。それはもう幸せな時間そのものだった。体力が無くて、口に咥えた瞬間眠ってしまう娘の足の裏をくすぐり、「起きて〜」と呼びかけた。

そして、お乳に小さい手をあてて、一生懸命のむ娘の姿。
ちょっと飲んでは、「ハッハッハッハッ」と息継ぎしてる娘の姿。段々と飲むのが上手になって、ゴッゴッゴッとすごい勢いでおっぱいを吸う娘の姿。お出かけ先の授乳室で私だけに見せるニコーッという笑顔。

もう色んなことが走馬灯のように頭を駆け巡り、風呂場で一人で泣いてしまった。
本当は、折角たくさん母乳が出ていたのだからもう少し長くあげていたかったのだけど、娘にとってきょうだいと過ごす時間もきっと素晴らしいものだろうと思って泣く泣く断乳したのでした。

ありがとう、私のおっぱい。娘との愛おしい時間をたくさんくれてありがとう。そして、願わくばまた次の子が生まれて、お世話になれたらいいなと思う。

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