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面白い本・好きな本|超高層建築の5000年史[古代、中世、近代、そして現代へ]

古代まで遡り、高さ世界一になった建物はいくつある?

現在の世界一はご存知の通り、ドバイにあるブルジュ・ハリファ。2010年に完成した高さ829mの建物。ちなみに、それまでは2004年完成、高さ509m台北101

Wikipedia|ブルジュ・ハリファ

では、2004年以前の世界一高い建物は?

と、過去に遡っていっても、よっぽど建築好きでもない限りわからない。答えは1998年完成のペトロナスタワー。2010年→2004年→1998年→、、と数珠繋ぎのように5000年前まで遡ると、いくつの建物が世界一になっているか?

10年ごとに記録更新されていれば、500棟
100年ごとに記録が更新されれば、50棟

さて、正解はいくつでしょう?という話。

超高層建築の5000年史

ネットで調べたらすぐわかると思ったけど、いいサイトが見つからない。Wikipediaにも近いモノはあったけど、エッフェル塔のような電波塔やモニュメントが含まれていて、よくわからない。なので、結局いろんなサイトの情報を寄せ集めて、自分でつくってみることに。

結果、歴代世界一の建物数は19棟。

世界一高い建物の竣工年と高さの変遷

想像より圧倒的に少なくてびっくり。グラフにすることで超高層の歴史が一目瞭然。4つの時代地域にキレイに整理できている。

こんなの学校でも学んでないし、専門書でも見たことがない。だから、完全な“持論”で学術的根拠もないけれど、これくらいが覚えやすくてちょうどいい。

古代、中世、近代、現代
4つの時代と地域で変遷を遂げる
超高層建築の5000年史

古代|王国|エジプト文明のピラミッド

3800年世界一を堅持したギザのピラミッド

ギザのピラミッド

古王国時代のファラオたちの王墓として建造。鉄器や機械が存在しない時代に、100万個もの巨大な石を正確に積み上げる。エジプト文明の最後はローマ帝国に組み込まれ、3000年続いた独立王国は終わりを告げる。

BC2612|62m|ジェゼル王のピラミッド
BC2596|101m|屈折ピラミッド
BC2589|104m|赤いピラミッド
BC2566|147m|ギザのピラミッド

中世|宗教|ヨーロッパのゴシック建築

ついに記録を塗り替えた、大聖堂のゴシック建築

ウルム大聖堂

都市間交流が活発になり、高度な技巧をもった職人が各国をまわり、都市での教会建設合戦という状況を生み出した。彫刻、絵画、音楽などの芸術が総合的に駆使され、大聖堂で権力の大きさを示す。

初めて150mの壁をゴシックが突破する。

1240|158m|旧セントポール大聖堂|イギリス
1311|160m|リンカン大聖堂|イギリス
1377|162m|ウルム大聖堂|ドイツ

近代|経済|アメリカの摩天楼

王国、宗教の建築を、ついに経済が凌駕する

エンパイアステートビル

エレベーターの発明が超高層建築を可能にする。建築が宗教芸術ではなく、土地を垂直に積層させる不動産となる。石造の重たい建築から、鉄とガラスによる軽い建築に変わり、ビルの林立する新たな都市景観が生まれる。

人類史上初めて400mを超える摩天楼へ。

1894|167m|フィラデルフィア市庁舎
1908|187m|シンガービル
1909|203m|メットライフタワー
1913|241m|ウールワースビル
1930|283m|トランプビル
1930|320m|クライスラービル
1931|381m|エンパイアステートビル
1970|417m|WTC
1973|442m|シアーズタワー

現代|独裁?|アジアの超高層建築

1894年から100年続いた経済大国アメリカが、ついに終焉

ブルジュハリファ

古代オリエント、ローマ・カトリック、経済大国アメリカを経て、ついにアジア世界一となる。オイルマネーチャイナマネーによる高層化は、アメリカの自由経済とは別次元の競争へ。

現在、サウジアラビアで計画中のジッダタワーは1000mを超える予定。いよいよ1kmの世界へ。

王国、宗教、経済と歴史がかわり、ここにきてエジプトの再来のように、王国の時代が到来しているとも言えなくもない。将来、アジア以外の大陸で世界一が生まれる時、世界の中心がアジアから移ることになる、と勝手に予測。それはアフリカ?そして、その要因は宗教

まわるまわるよ、時代はまわる

1998|451m|ペトロナスタワー|マレーシア
2004|509m|台北101|台湾
2010|829m|ブルジュハリファ|UAE

参考文献

高層建築物の世界史

なぜ、人類は高い建物をつくり続けてきたのか?古代ピラミッドから、東京スカイツリー、中東の超高層タワーまで…


都市は人類最高の発明である

都市が人類の進歩に果たしてきた役割を分析し、その重要性を明快に指摘する新しい都市論。


錯乱のニューヨーク

地表上をグリッドに仕切り数々の建築物を打ち立てたこの都市の誕生・成立・発展の過程、さらにその可能性と限界を、多くの貴重図版とともにエキサイティングに描き出す。

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