さよならニルヴァーナ / 窪 美澄

たまに、私は頻繁に訪れるのだが、体に悪いものを目一杯食べたくなるときがある。

ドラッグストアで二つのカップラーメンと二つの菓子パンを買う。安い。

お湯を沸かし始める、午後十一時。

まず一つ目の菓子パンを口にする。その間にカップラーメン二つを一気に作ってしまう。

どちらも一つ目は十分もしない内に食べ終わる。楽勝。

二つ目のカップラーメンに飽きた頃に二つ目の菓子パンを爪の大きさだけ齧る。きつい。

もうとっくに次の日になって、目の前にはしなしななパンと冷たいカップラーメンが半分以上残っている。ちなみにカップラーメンはどちらも汁なし。油そば、美味しいよね。

この後は想像つくだろう。あ、私はもったいないおばあちゃんなので残すことはない。確実に、ない。

まあこんな具合で体に悪いものをどんどん蓄えていってるわけです。

正直辛いし、お金も勿体ないし、安いけど、肌にも悪いし、今回で終わりと思っても次回がやってくる。

この前の本のお返し、と悪い芝居の山崎さんに貰った本。

ずっと前にいい本はありますか?と聞いて教えてもらった本。

差し入れてもらうまで完全に忘れていた本。

ごめんなさい。そして、ありがとうございます。

僕の好きなの暗いよ、と言っていたけど、私にはどこが暗いのか全く分からなかった。

だって終わってすぐに体に悪そうなものを食べたくなったのが何よりの証拠だ。食べてはない。と言うのは嘘で、カップラーメンを一つ食べた。それだけ。

私が産まれてすぐに9.11があった。テレビで見て怖かった、とママは言う。新型コロナウイルスには無反応、に見える。

小学校中学年では3.11があった。その前もその後も色々あったが、あまり覚えていないのが正直なところだ。

どちらも、衝撃的だと思う。でも、どちらも今ひとつ飲み込めていない。

どこか他人事で、私の見たこともない場所で起こった出来事。

こんなこと言うと怒りの言葉が飛んでくる。本当に。

でもそこで嘘をついたところであっさりばれてしまうのは重々承知している。

結局のところどんつきに出るわけだ。

私の思う"暗い"はそういうものだと気づいた。

心臓がドッドッと高鳴って、息が切れるような、そういうもの。

14歳の時に女児を殺害し、身を隠すように暮らす元「少年A」。少年に惹かれ、どこかにいるはずの彼を探す少女。その少女に亡き娘の姿を重ねる被害者の母親。そして環の外から彼らを見つめる作家志望の女性。運命に導かれるように絡み合う4人の人生は思いがけない結末へ。人間の深奥に切り込む著者渾身の物語。あらすじ(ウラスジ引用)

p.381で、なっちゃんがルーにかける言葉。

私にはまだ分かりっこない。


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