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時に 涙は 残酷なもの

  (その時涙は 勇気に変わる)

絡み付いて解けぬまま触れる事すらない
幾筋もの 心の糸を
不意に紛れ込んだ 小さな欠片が爪弾く

己が想いに背き
折れた翼を引き摺って 辿りきた途

滔々と 冬の風が
低く 高く 哀しく 歌う…

凍てつく大地を溶かし こみ上げる温みは
遠い日に 奥深くへと沈めたはずの
薄青色の想い出

時に 涙は 残酷なもの

拭う術もなく ポロポロ 沸いては落ちる

戻る事 叶わぬものなれど
せめて 落とした心を探す為

雲間に忍ぶ月よ  枯れ野を照らしたまえ

一条 その光の元    風の翼で 飛び立たん

たとえ その場で まっ逆さまに落ちようとも
羽ばたく事を忘れぬ為に

その時     涙は  勇気に変わる


2010.2


拙い文章です。サポート頂くことは考えておりませんが お心遣い下さった方へ、心から感謝申し上げます どうかこれからも暖かく見守っていただけますように。