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フリーランスになる「前」に一度就職するメリット。独立前に培うべき能力

将来的にフリーランスになりたい方は、リスクヘッジとして「一度就職して会社員として働く」という選択肢を考えていることが多いです。僕はその決断に、2つの理由で賛成しています。そして、これらの理由を踏まえて、フリーランスや独立開業を目指す人が養っておくべきある能力があります。今日はその点を少し深掘りしていきましょう。

①かなり有力なリスクヘッジになる

フリーランスの前に就職を挟むメリットの1つ目は、なんといっても固定給という安定収入が得られるという点です。初手でいきなりフリーランスとなり、まったくの無一文から集客して稼いでいくのと、最低限の暮らしの保証がある中で空いた時間に自分のビジネスを展開していくのとでは、安定感に雲泥の差があります。

リスクヘッジという観点で、会社員というポジションを得るのは非常に有力です。

②会社員としてビジネスのルールを学べる

企業の中で働くことで、フリーランス=1人で働くだけでは得られない学びがいくつも得られます。組織で働く上でのルールやマナー、また仕事をどのように作って売上を伸ばしていくのか。売上を達成するためにどのように社員のマネジメントをしていくのか。こうした、いわゆる一種の「ビジネスのルール」が学べるわけです。

このメリットは、皆さんが考える以上に大きいと僕は考えています。というのも、フリーランスになったはいいものの、悪い意味で「学生ノリ」が抜けきらずビジネスがうまくいかない人が多いからです。

例えば、お客様とのやり取りでフランクすぎるLINEを送ってしまったり、セッションの時間管理が杜撰過ぎたり、強引なクロージングをしてクレームが出まくったり。そんな馬鹿なと感じる事例ですが、若くして独立したトレーナーの少なくない割合が、こうした「仕事の基本」を身に着けていなかったりします。

その人自身の個性が評価されやすい、フリーランスの活動ではそれでも一定の収入を得られるかも知れません。しかし、自分でジムを持って部下を持ってというフェーズに入った時、部下に対して接客の指導がまったくできない結果、売上が思うように伸びずジムを廃業……という結果に終わってしまうこともあります。

その点、会社というのは組織として成長するためのノウハウがちゃんと蓄積されています。中の人としてそれを間近に見られるのは、フリーランスから独立・開業へステージを変える時の大きなヒントになると思います。

もちろん、組織のあり方を学べるよい企業もあれば、悪い企業もあります。前者の企業に就職するために、ある程度学力も磨いておく必要はあるかもしれません。最近では「大学不要論」もチラホラ耳にするようになりましたが、僕はまだまだ現状の日本にとって、大学というのは次のキャリアへ進むのに欠かせないステップだと思います。

本業と副業とのバランス〜ズルさを身につける

このように、フリーランスを目指す人が一度会社員を経験することは、なかなか大きなメリットがあります。ただし、ここで注意したいのが「本業と副業とのバランス」です。もっとハッキリ言うのであれば、「本業はそこそこに副業に心血を注ごう」というのが、ここで僕が伝えたいことです。

就職先の会社には悪いですが、皆さんはその会社に入社した理由は、会社で高く評価されて出世もして、定年まで働くためではありません。あくまで自分のビジネスの一環としての就職であるという、前提の部分を忘れてはいけません。

そうなると、本業はなるべく定時で上がりつつ副業に割く時間を確保していきたいところ。実際僕も、フィットネスクラブで働くかたわらでパーソナルトレーナー活動をしていた時期がありました。

真面目な方がこの話を聞くと、「お前は社会に対して不誠実だ!」と言われるかもしれません。しかし、業務時間の範疇でちゃんと自分の仕事をこなした上で、副業活動をするというのは違法でもなんでもありません。むしろ、こうしたズルさをある程度養っておく方が、後々1人で活動する時には役立ってきます。

本業と副業のバランスを〜というズルさの他に、別のズルさを発揮させる領域もあります。会社の同僚や先輩に、お客様になっていただくということです。パーソナルトレーナーの仕事をスタートさせる時、どうしても最初につまずきやすいのは「お客様に見せられる実績がない」というものです。

大抵の場合、モニターなどを募集して一定期間のパーソナルトレーニングを受けていただき、ビフォーアフターの結果などをSNSやHPに活用します。このモニターを会社のメンバーから募ることで、最初のつまずきを減らすというわけです。身近な人を練習台に、営業やクロージングの訓練にもなると思います。ここで相手からの了承を得られるよう、そこそことは言いつつ本業もちゃんとこなす必要があるでしょう。

ちなみに、会社員として働いていると時間が確保しづらく、副業が伸び悩んでしまうという方もいます。その会社が超絶ブラックという条件を除き、厳しいことを言うと、副業でうまく行かない人が独立しても、ビジネスでうまくいくことはないでしょう。限られた時間でも、どうにか時間を捻出してできることはたくさんあります。

自分の実力や本気を試すという意味でも、就職という選択は結構メリットが大きいと僕は思います。

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