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人脈形成をナメるな〜「人脈」という言葉がなぜ胡散臭く感じるのか〜

よくフリーランスなど、個人で働いている人々が起業やビジネス、事業展開などを目指す時、「人脈」「人脈形成」という言葉をよく耳にするようになります。最近では、この言葉自体に胡散臭さを覚える人が増えた気がしますよね。ちなみに僕自身は、人脈づくりはすごく大切だと思っている派です。

というか、これからフリーランスを目指すトレーナーさんは、「人脈」という言葉をナメてはいけません。僕がこう思う理由と、世間における「人脈という言葉を胡散臭く感じる空気」の正体を考えてみようと思います。

人脈がビジネスを救うことがある

トレーナーとしてしっかりと稼ぐ中で、大事なことってなんでしょうか?

トレーナーとしての力量?
高いコミュニケーション能力?
SNSやオンラインを活用できる高い集客力?

これらの要因にプラスアルファで求められるのが、「あなたの周りにどんな人がいるか?」です。皆さんがどんな人脈を形成しているかは、技術やコミュニケーション能力、集客力と同じくらい重要だと思います。

例えば、皆さんがとあるお客様(便宜上「Aさん」と呼びましょう)ととても仲良くなったとします。Aさんはとある界隈でとても有名な人で、あなたのトレーニングセッションに感銘を受けて同業の友人を紹介してくれるかもしれません。「とある同業の有名人Aさん」との人脈によって、皆さんは事業の収益性を高めることができ、さらには「口コミ」という最強の集客手段を手に入れることができました。

別の例を考えてみましょう。皆さんは友人の誘いでとある交流会に参加しました。そこには、動画制作のスキルに長けたBさんというフリーランスがいました。Bさんの作る映像は、皆さんの提供するサービスのブランドイメージとも相性がよい。そこで皆さんは、Bさんに依頼してSNSやYouTubeでの動画配信をスタートさせました。動画配信の結果、新たに20代女性のお客様からの問い合わせが増えたり、他のYouTubeチャンネルなどのメディアにも露出する機会が増えました。

2つの話は創作ということもあり、ちょっと「うまくいきすぎじゃない?」と感じられると思います。ですが、こうした1つの出会いがビジネスを大きく飛躍させるきっかけになるというのは、決して珍しいことではありません。

人脈づくりというのは、資金援助や技術提供といった分かりやすいメリットにつながるだけではありません。フリーランスや起業では苦しいことが数多く起こります。そうした苦境に陥った時、それまでに出会った人々と話すことで精神的に救われることもあるんです。

しかしながら、人付き合いをおざなりにした結果、苦しい状況で誰からも助けてもらえず、気づいたら音沙汰がなくなってしまった人は多いです。そういうトレーナーを見ると、僕は「人脈形成をナメている」と感じずにはいられません。

普段は自宅からレンタルジムの往復で、それ以外の時間は勉強や自分の趣味に注ぎ、人付き合いをほぼ断っている。そういうトレーナーをたまに目にします。そのストイックさは素晴らしいと思う反面、こうした時間の何割かを使って、人脈形成も行うようにしてみてください。

人脈という言葉が胡散臭い理由

しかしながら、世間ではこの「人脈」という言葉はよく批判されがちです。この言葉を連発している人は、「意識高い系(笑)」「下品」といった悪い印象をよく持たれます。それはなぜなのでしょうか?

おそらく、人脈という言葉の裏にすごく露骨な「損得勘定」が見えるからなのでしょう。「この人とつながっておくと後々おいしい思いができる」といった、他人を金儲けの道具のように扱っているイメージが強いのかもしれません。人脈という言葉自体、「鉱脈」「金脈」といった儲けを連想させるというのも、理由の1つだと思います。

実際、人脈という言葉を用いる時、こういった損得勘定が一切ないかと問われれば、それはウソだと言えるでしょう。人と会うという行為には、大小さまざまな打算が存在するのが現実です。その点は意識しつつ、それでも人脈づくりをやめるべきではないと僕は思うんです。

人脈形成における考え方を変える

僕たちが注意すべきは、人脈形成における考え方を変えることだと思っています。具体的に何が必要か、いくつか考えました。

見返りを求めない

人脈形成に躍起になり周りから敬遠される人の多くは、「今すぐこの関係性から利益を得よう」とします。これでは、周りから嫌われて当然です。

人脈づくりの目的は、ビジネスの発展という点は変わりません。しかし、その発展は短期的に実現することもあれば、長期的に実現することもあります。そもそも、その関係性がビジネスという観点で実を結ばないかもしれません。

これは、皆さんが出会った人々全員のサービスを買わないのと同じです。どれだけ皆さんのサービスが優れていても、目の前の相手がその対象だとは限らないんです。そう考えると、出会いすべてに利益を求めようとする姿勢は、かなり危険だと思うはず。人脈づくりにおいて、見返りを求める姿勢はすぐに改めるようにしましょう。

相手との関係性を深めるのに重要なのは自分自身

冒頭で紹介したAさんBさんの事例を思い出してください。Aさんが他の友人にトレーナーのことを口コミしてくれたのは、その人のサービスが素晴らしかったからです。Bさんが一緒に動画制作をしてくれたのは、(適正な報酬を支払っているのは当然として)トレーナーのサービスや人柄に共感したからです。

人脈づくりというのは、さまざまな出会いの場に顔を出していくことで、その「きっかけ」をつくることができます。しかし、その後相手との関係が深まるかどうかは、皆さんの人柄やサービスの質です。

この点を忘れて、とにかくオフ会や異業種交流会に参加しまくるだけでは、知り合った人と浅くも深くも関係構築できません。人と出会う機会を作りながら、自分を磨く努力も忘れないでください。

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