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血管の老化は身体の老化。血管を若返らせる6つの食事パターン

ダイエットや美容では「身体の中からキレイに」という言葉をよく目にしますよね。この「身体の中」が意味するものの一つが「血管」だと思います。ある研究者は「人は動脈と同じように老いる」と表現していますが、病気の発症リスクを特定する上で、血管年齢が年齢よりも重要だとされています。

今回は、血管の老化に対して食事がどのような影響を及ぼしているのかをまとめた研究を紹介します。そこで紹介された6つの食事パターンが、血管にどう作用するのかを解説します。

①地中海食

海外の健康的な食事の定番と言えばこれ、地中海食です。季節の果物や野菜、ナッツ類、穀類(主に全粒穀物)、豆類、オリーブ油、魚類を多く摂取し、アルコールと乳製品を適度に摂取し、肉類と肉製品をあまり摂取しないことが特徴だといえます。

いくつかの研究では、心血管疾患や代謝性疾患のリスク軽減や健康的な加齢において、地中海食が重要な役割を果たすことが実証されています。高齢者を対象とした研究では、地中海食は体内での一酸化窒素の活用能力を高め、血管拡張が促進されます。

また、地中海食はあ腸内細菌叢の恒常性を維持する役割もあり、それによって血管の炎症を防いだり、血管の内表面(血管内皮)の健康や再生能力にも効果を発揮するといわれています。心血管疾患をもたない若年成人を対象とした調査では、地中海食を生活に取り入れている人ほど、血圧の数値がよかったそうです。

心血管疾患をもたない肥満患者に地中海食を取り入れさせた実験では、取り入れていないグループと比べて血管の内皮機能が改善されたと報告されています。別の実験では、低脂肪食と地中海食の影響を調査したところ、地中海食の方が血管内皮機能が改善されていました。糖尿病患者や糖尿病予備軍への実験でも、地中海食で血管内皮機能の回復・改善が見られています。

②DASH食

DASH食は1990年代にアメリカで提唱された、高血圧予防・改善を目的とした食事方法です。果物、野菜、全粒穀物、魚、ナッツ類、乳製品、植物油を多く摂取し、加工肉、砂糖製品、アルコールの摂取を控えるという食事スタイルが特徴でもあります。

DASH食は特に、飽和脂肪とコレステロールの含有量が少なく、ナトリウム摂取量も少ないため、心血管疾患の予防・改善するのに有益な食事パターンとして知られています。

DASH食と地中海食は一見似ていますが、DASH食はナトリウム摂取量を減らすことに主眼を置いているのに対し、MD食は全体的な食事の多様性を重視している点に違いがあります。例えば、DASH食は低脂肪製品の摂取を重視していますが、地中海食ではエクストラバージンオリーブオイルの摂取を奨励しています。

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