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腸脛靭帯炎(ランナー膝)はなぜ起こる②概要・評価方法の復習とリリース・ストレッチの方法とポイント

前回は腸脛靭帯炎について、腸脛靭帯や周囲の組織の特徴から原因や評価方法を確認しました。今回はその続き。最初に腸脛靭帯炎の復習をしつつ、どうやってケアをしていけばいいのか、アプローチ方法を紹介したいと思います。

復習!腸脛靭帯炎の概要と評価方法

腸脛靭帯炎は読んで字のごとく、腸脛靭帯という組織が炎症を起こします。そして腸脛靭帯は、大腿筋膜張筋・大殿筋・中殿筋の筋膜によってももの外側に形成されており、脛骨の外側にあるガーリー結節する場所に付着をします。また、腸脛靭帯は外側広筋と筋膜連結しているのも特徴の1つです。

評価方法

腸脛靭帯炎の主な評価方法は3つ。

①スクワッティングテスト

ランジのように足を前後に開き、上体を前方に倒して前足に体重を乗せた際、前足の膝に痛みが起こるかどうかを確かめます。

②グラッピングテスト

クライアントを立位や長座位など楽な姿勢にして、片脚を挙上させます。直接腸脛靭帯を押さえて、膝関節の屈曲・伸展運動を繰り返してもらい相手が疼痛を訴えるかを評価します。

③オーバーテスト

クライアントを側臥位にして、下方の脚を「股関節90°屈曲+膝関節90°屈曲」の姿勢にします。この状態で、トレーナーは上方の脚を「股関節伸展+膝関節90°」の姿勢に誘導します。この状態で、クライアントに上方の脚を内転させるように指示し、内転可動域が十分にある=上方の膝が床につくかを確かめます。
具体的な方法や画像による解説は前回のnoteを参考にしてください!
https://note.com/miyagishima1021/n/n226e725f8b02

腸脛靭帯炎をケアする方法!

腸脛靭帯炎のケアとして、まずは患部を安静にすることが第一です。初期段階では現在行っている運動を中止あるいは減らして、クーリングや湿布薬、飲み薬などで炎症の沈静化を図ります。その後、軽い運動を再開していくわけですが、重症時には局所麻酔やステロイドの注射なども必要です。

こうした医療的行為ではなく、パーソナルトレーナーとしてできることはなんでしょうか?

例えば、先ほど紹介したオーバーテストで画像のように、膝が床につかないクライアントがいたとします。こうした人の場合、腸脛靭帯炎や周辺の組織(大腿筋膜張筋など)がパツパツに張っていると判断できます。大腿筋膜張筋は股関節の内旋筋なので、外側の筋群が硬い方の場合、スクワットをするとニーインしやすい傾向にあります。

こうした方を見た場合、私はももの外側のリリースを行います。

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