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”Pay”と高齢者

さあ、10月から消費税増税(8%→10%)、軽減税率が始まります。

さらに、キャッシュレス決済の促進政策としての「5%のポイント還元」。

キャッシュレス決済が脚光を浴びたのは約1年前。
「〇〇ペイ」が一気に誕生し、名の知れた大企業からスタートアップベンチャーまで次々に出てきました。

アーリーアダプターとして、お金と時間のない20代30代が食いつき、ユーザー数を伸ばしてきました。
一時的にでも経済の流れに変化がつき、今度は政府が政策として「ポイント還元」事業を発表しました。

これだけ毎日のニュースで流れていると、気になるのが「高齢者」の反応です。

”ポイントが返ってくるんでしょ?”
”ペイってどうやるの?”
”やり方教えて欲しいなあ〜”

そんな声もちらほら聞こえてくるので、
「スマホ教室」を通してのリアルな現状と僕の対応についてまとめます。

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不安感と期待感

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幸いにも高齢者の”ペイ”への関心は高まっています。

以前、スマホ教室に置いてお金の話が一番盛り上がる趣旨のnoteを書きましたが、この”ペイ”の話題についても相当な関心事になっています。

その中でも、ご高齢の方々の意見には大きく2つに分かれています。

・不安感

”現金で買い物出来なくなるの?”
”どうやって登録するの?”
”ド◯モの請求から引かれるの?”
”騙されないかな?”

こんな感じです。
しかもこの方々はテレビニュースや新聞、ネットニュースもチェックしている情報強者高齢者です。

それでも、情報の理解・認識はなかなかスピーディーに追いついていかないし、実際に使っている人の声を聞けない環境でもあります。

特に〇〇詐欺といった類のニュースも日々ある中で、嬉しいことというよりむしろ、高齢者にとっては暗闇の世界になってきているのです。

・期待感

一方で、”よくわからないけど”期待している声も聞こえてきました。

”便利になりそう”
”簡単になりそう”
”トクしそう”
”もっとスマホのことを知れそう”

日常的にスマホを使い(LINEとか、電話とか、ニュース観たりとか)、スマホのすごさに少なからず気づいている方々は期待しているような声もたくさん聞こえてきました。


しかし、「高齢者×キャッシュレス」の現状を複雑にさせているのは、多くの人はこの「不安感」と「期待感」の両方を同時に思っているという事実です。

この事実を解き明かし、利用者のペースで理解度を深めていくことができれば、「高齢者のキャッシュレス利用」を相当に加速させることができるのではないかと思っています。


課題:構造の理解

なぜ、高齢者はキャッシュレスに「不安感」と「期待感」の両方を同時に、しかも強めに感じているのでしょうか。

それは多分、というか、ほぼ確実に、「構造の理解」が追いついてない・出来ていないからだと思います。

以前からこのマガジン「スマホ教室コミュニティ〜シニアをアップデートせよ!〜」の中でも何度も書いてきましたが、テクノロジーに対しての情報格差は、僕たち現役世代と比べて圧倒的に低いです。

時にはその情報弱者の立場を利用した”詐欺”や”多額請求”、”行き過ぎた過剰サービス”の餌食になることもあります。

スマホの料金なんてその典型です。

なぜ70代後半、1日30分しかスマホに触らないおばあちゃんが1ヶ月15,000円もスマホだけに払うのでしょうか。

QRコードをかざした後、どのような流れで現金の移動があるのか、分からないままでは怖くて使わせられません。

”今のところ”オススメしない

だから僕は、キャッシュレスを勧めていません。

目の前で仲のいいおばあちゃんが騙される姿を見ているから。


それでも、テクノロジーの進化と時代の変化を冷静に見つめなければなりません。

「高齢者はキャッシュレスを使うべきではない!」
と頭ごなしに主張しようとは思っていません。

いずれ使わなければ生活できなくなるんです。

「私らは年寄りだから大丈夫」とよく言われます。

あと10年、20年しか生きないから、とも言われます。

では、10年前に今の「スマホ社会」を予想できたでしょうか?

今や、地域の活動や体操教室の情報までもがスマホの中でやりとりされ始めています。
僕の主催しているスマホ教室では、ほとんどの人がLINEグループの情報をスマホで確認してやってきます。

あと10年もすれば、当たり前になります。
現金なんかせいぜい中高年・高齢者向けの百貨店や商店だけでしょう。

いや、商店はむしろキャッシュレスを導入したほうが賢明かもしれませんね。
決済機能だけでなく、財務機能も果たしてくれるでしょう。

いずれそんな社会に、高齢者が適応できるように、情報・ノウハウ・知見・規模を獲得したいと思います。


おまけ:”高齢者向け”ペイ

最後に、「それでもキャッシュレスにしたい!」と思っている方のために、高齢者向けのサービスを紹介します。

・交通系電子マネー、”チャージ式”電子マネー

Suica、PASMO、ICOCA、nanaco、WAONなど。

支払いのためには「チャージ」をしなければなりません。
一部クレジットなどからのオートチャージもありますが、オートチャージ機能はオススメしません。

キャッシュ(現金)の移動がわかりやすく、理解しやすいのでオススメです!

・ゆうちょペイ

「ゆうちょ」を利用したキャッシュレスサービスです。
地域に無数にある郵便局の多さも、高齢者にとっては相談しやすい利点があります。
また、ゆうちょの口座はすでに多くの高齢者が解説しているので安心です。

こちらも、口座から現金を移動させるだけなので、仕組みが明快で安心ですね。

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<終わり>



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