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『舟を編む』&春ドラマ感想

冬ドラマの中で『不適切にもほどがある!』はインパクトも面白さもピカイチで好きでしたが、『舟を編む』はそれ以上にシンプルにドラマとして一番好きだったかも。
ラストまであと少しですが。

『舟を編む 〜私、辞書つくります〜
 一冊の辞書に情熱と心血を注ぐ、作り手たちの奮闘物語』

NHK BSプレミアム4K・NHK BS 日曜よる10時

【原作】三浦しをん 『舟を編む』
【脚本】蛭田直美 【出演】池田エライザ 野田洋次郎 ほか

池田エライザさん、野田洋次郎さんがメインキャストということで、当初は本格的な役者さんというわけでもない、もともとは別分野の人たちが演じることに正直ちょっと半信半疑でもありました。
…が、見たらすごく良い!お二人がとてもよい。ストーリーも穏やかに進むけれども登場人物たちの熱い思いが伝わってきて。

辞書作りという、私たちが普段気にも留めていない存在でもある「辞書」に、これほどのパワーを注ぐのかというほどの驚きと感動をもたらしてくれます。
松田龍平さん主演の映画版も見ましたが、映画は映画でよかったですが、ドラマは1話50分を全10話で描くから、やはり一つ一つのエピソードが丁寧できめこまかい。
映画は2時間前後という時間内に物語を凝縮させないといけないのでその違いはあるのかなと。

原作&映画版での主人公・馬締光也(野田洋次郎さん)ではなく、新入り社員・岸辺みどり(池田エライザさん)の視点で描く、まったく新しいドラマ版『舟を編む』もすごくいいです。
視聴者は新入り社員の岸辺みどりと同じ目線で物語に入っていくことで共感も生まれやすいような気がします。

そして、あけぼの製紙の用紙担当者・宮本慎一郎を演じる矢本悠馬さんもとてもいい。これまでもさまざまな役を演じてきていますが、今回ほどさわやかで気持ちのいい誠実な人物が似合っている役はないというぐらい矢本さん、ここでもいい仕事してます。
特に7話、みどりと宮本が用紙の打ち合わせを行っているとき、宮本が昔開発したシール剥離紙について「誰も注目なんてしてくれないんですけどね」と虚しそうに笑って打ち明けたら、みどりは驚いて、何年も前からシール集めが趣味で持ち出すときにはあけぼの製紙のシール剥離紙が一番好きで使っていた、という奇遇のエピソードに二人が笑うシーン、とても好きでした。

矢本さんだけでなく、全キャストが申し分ない顔ぶれで、この物語と同じようにすべていい仕事しています。キラキラわくわくした表情に元気をもらうというか。
玄武書房の元辞書編集部員で今は営業のセクションにいる西岡役の向井理さんもカッコイイ。
知的な役が似合いますね。パリピ孔明とはまた違うし。

放送はNHKBSということで、再放送がNHK総合でも深夜にありましたが、ぜひまた再々放送をやってほしいし、できることなら民放、特にTBSの日曜劇場枠にも合うのではないかなと勝手に思っているのですが。
モノづくりにかける人々の思いや、ピンチにみんなで立ち向かう一発逆転のストーリーなどはまさに日曜劇場にもってこい。しかもキャストや脚本もこのままでいいから。
…絶対無理でしょうね(笑)

  ◇    ◇

4月からの春ドラマはプライムタイム以外も含め続々スタートしていますね。
これまで見た分で軽く感想を書き留めておきます。
(一部敬称略です)

『虎に翼』NHK朝ドラ
【脚本】吉田恵里香
【出演】伊藤沙莉  仲野太賀  小林薫   ほか

「ブギウギ」も終わり早々に始まった「虎に翼」。なかなか面白いです。主人公寅子の友達役の花江(森田望智さん)がわざとらしいぶりっ子口調でキャラを強めに作っている感がちょっと気になりますが⋯メインは別の人達の話なので気にしないようにします。
女性の地位が本当に低かったんですね。今後どのようにその壁を突破しているのか楽しみです♪

『366日』フジテレビ 月曜よる9時
【脚本】清水友佳子 【出演】広瀬アリス 眞栄田郷敦 ほか

また広瀬アリスさんを恋愛ものに使うか⋯と思いましたが、まだ様子見です。
広瀬アリスさんは、最近はコメディエンヌのイメージも加わったのと、普段のトークでも開けっぴろげなケタケタ笑う印象もあってか、シリアスなものは役に相当ハマらないと、どうかなと思いましたが。
眞栄田郷敦さんは好きな俳優さんなのでコケないでほしいな。月9の恋愛ものは最近リスク高めなので⋯

『Destiny』テレビ朝日 火曜よる9時
【脚本】吉田紀子 【出演】石原さとみ 亀梨和也 ほか

石原さとみさんの3年ぶりの連続ドラマということですが、相変わらずお綺麗ですね。
大学生の時のシーンから現在までが初回で出ましたが、大学時代はメイクも控えめで地味めでそれなりに若く見え、現在の検事役では髪型を少し変えてメイクもしっかりめでスーツ姿の大人の女性、と時間の変化が分かる感じになっていました。
サスペンス&ラブストーリーということで今後の展開が気になります。
個人的には亀梨くんじゃないほうがよかった⋯

『くるり~誰が私と恋をした?~』TBS 火曜よる10時
【脚本】吉澤智子
【出演】生見愛瑠 瀬戸康史 神尾楓珠 宮世琉弥 ほか

生見愛瑠さんが好きなのでそういう意味で楽しみにしてました。記憶喪失という要素が入った物語ですが、それまでの「記憶喪失もの」の設定とは少し違って、記憶ないけどなんだか明るいキャラ?というか意外とさっぱりしてるんだが。記憶なくしてるのにそんな風に振る舞える?と思ったけど、まぁこれはドラマだしそこは目をつぶって寛容になりましょう。
でもそういう記憶喪失により自分がそれまでどんな人物だったのか主人公と一緒になって推測してしまう感じが意外と新鮮かも。

『天使の耳 〜交通警察の夜』NHK 火曜よる10時
【原作】東野圭吾『天使の耳』【脚本】荒井修子
【出演】小芝風花 安田顕 ほか

東野圭吾さん原作ということもあり、安定のサスペンス感。小芝風花さん、安田顕さんも安心して見られます。「ハコズメ」じゃないけど、警察ってこういうお仕事してるのか、というリアルな実務の部分も描かれ、そこから物語が展開されていくので面白く思えるのかな。

毎回思うけど、出演に皆さん引っ張りだこで小芝風花さんは主演級のものが多く続いているので少し休ませてあげてほしいなぁ。ドラマで見るのは楽しいけど。

これから始まるドラマも楽しみです♪

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