日本酒とGIS② 全国市販酒類調査データの確認(一般酒)

GISの勉強に,「全国市販酒類調査の結果について」の調査を利用します。平成21年度の調査です。ぱっと見つかる一番古いデータが,この調査ですので,このデータを前回作成した地図上に表示することを目指します。

その前に,使うデータを確認。

今回,利用するのは,一般酒に関するデータ。

日本酒には,一般酒,特定名称清酒と2種類ありますが,表示基準による区分で,特定名称清酒は,吟醸酒や本醸造酒が当てはまり,一般酒はそれ以外の日本酒です。

さてさて,HP上の表3のデータをいったん,ざっくりと確認。
調査点数から甘辛度,濃淡度,アミノ酸度といろいろ項目が並んでいます。

各項目について,上記のリンクより,引用しつつ,それぞれの項目について見ていくと,

まずは,日本酒度。

日本酒度は清酒の比重を換算した値です。日本酒度とアルコール分から清酒中のエキス分(ほとんどが糖分です。)を計算することができます。日本酒度の低い清酒は一般的にエキス分が多い甘口な酒である一方、日本酒度の高い清酒は一般的にエキス分が少ない辛口な酒です。

日本酒のラベルにもよく記載されているデータです。知っている人も多いかと。だいたいはこれを基準に甘辛を判別。プラスマイナスで,記載されてるし,日本酒をまとめた冊子にもよく載っている。ただ,文章中にも”一般的に”という記載がある通り,そんなにあてにならない。というか,甘辛自体があいまいな気が。

次に,総酸。

総酸は乳酸、コハク酸、リンゴ酸などの有機酸の含有量の多少を示す指標で、味の甘辛と濃淡に影響し、総酸が高いと清酒の味は一般的に辛く、濃く感じられます。

実際,データだけで味を判別するには,糖分(日本酒度)だけでは難しいなぁと。総酸の値を,ラベルで見たことないな。。。

次は,アミノ酸度。

アミノ酸度はグルタミン酸などのアミノ酸の含有量の多少を示す指標で、味の幅、こく等に影響します。アミノ酸度が高いと一般的に清酒の味は濃く、低いとスッキリと感じられます。

表2で,一般酒と特定名称酒を比較してますが,違いがあるレベルなのか。。。?

最後に,甘辛度・濃淡度。

甘辛度と濃淡度は、佐藤信ら(醸協,第69巻,774-777(1974年))による日本酒度と総酸から計算できる味の指標です。
<甘辛度・濃淡度の計算式>
甘辛度=193593/(1443+日本酒度)-1.16×総酸-132.57
濃淡度= 94545/(1443+日本酒度)+1.88×総酸- 68.54
 甘辛度の数値が高い(低い)ほど甘口(辛口)であることを、濃淡度の数値が高い(低い)ほど濃醇(淡麗)であることを示しています。

計算式にも,総酸が入っており,日本酒度だけで味は決まらないことが確かです。

着色度は,着色の濃いものほど高い値を示す。0に近いほど,水のような色合いに。

ざっと,各指標を見ていきましたが,一般的に言われる甘辛は,そこまであてにならない?というか,甘辛って表現が本当に適しているのかと考えてもいいのかなぁって感想です。甘辛かどうかはともかく,自分に会うお酒を見つけるのが一番幸せなことだなぁと。

ここから,GISの話に戻します。

表3をエクセルに貼り付けます。県ごとのデータが必要なため,全国と地方局のデータは削除します。

ファイル名は,sakeH21.csvにして,保存します。csvはコンマ区切りを選択。

データソースマネージャーを選択し,ブラウザから,sakeH21.csvを保存しているフォルダを選択し,ファイルをダブルクリックして開きます。

ファイルを開いたら,属性テーブルを確認します。

順番は,めちゃくちゃですが,きちんと表示されていることが分かります。

次回,地図上で表示できるように,結合処理をしていきます。



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