生まれつきの身体。

「なんでこの人の言うこと聞かなきゃいけないんだろ?」

保育園のころからそう思っていた。

私が四つん這いになったところに、同級生のいじめっ子が背中に乗って
「いけー!!!」
なんて言われて言われるがままに動いてたっけな。

確か参観日のような日で白いパンツを履いたオールバックの親父が腕を組んで見ていた。

目をやると
目を逸らされた

保育園、、、なんてところだ。
小さいながらに強く記憶に刻まれたし
今でも鮮明に覚えている。

小学1年生になった。
歩いて5分もかからないところにスクールバス乗り場がある。

確か5〜6人くらいが毎日乗り込む場所。

背が高い6年の男子が私に向かってこう言った
「おい!白髪じじい!」
小さな一年の私に向かって
威圧的に言ってくる6年。

うるせぇ!
なんなんだよ!
という感情というか、ツラい、逃げたいという感情になり
自宅へ泣きながら戻った。

家に帰ると親父がいて
「どうした?」
と聞いてきた。

「白髪じじいって言われた、、、」
って泣いた。

親父は
しばらく黙った後にこう言った。

「行きなさい」

はっ?嘘だろ。
そう思ったけど、親父には怖くて何も言い返せなかった。

どこに怒りや悲しみをぶつけていいのかわからなくてブツブツ言いながら泣いてバス停に戻ったら6年は笑っていた。


「白髪じじい」そう言われたのには私の身体上の見た目からだ。

生まれつき左肩と後頭部の皮膚の組織が白く生えてくる髪の毛が白髪なんだよね。

自分が鏡で見ても見えない
手鏡を持ち洗面所の鏡で見ると白髪なんだ。

人と違う見た目だけでなんでここまで言われなきゃいけないし傷付かなきゃいけないのさ。

人との違いは他にもある。
生後6ヶ月で心臓の手術をしている。
「総肺静脈環流異常症」
という病名。

生まれつき肺静脈(肺から心臓に戻る血液が流れる血管)が、本来とは別の場所でつながる病気のこと。

わかりやすく言うと、心臓に穴が開いていてうまくポンプ機能を果たせてないということ。

母が言うには
「産まれた時から色白だったんだよ」

ある日のこと
家族全員が風邪をひいてしまった。
私以外みんなが治り元気になるのに、私だけ治りが遅かった。
不安に思った両親が病院へ。

心音を聞いた先生が

「もっと大きな病院へ行ったほうがいい」

そして病院へ行くと病気が発覚した。

生後6ヶ月という小さな身体で手術をした。
まだハイハイもしない小さな身体で。
今も胸に傷跡がある。
首元10センチくらい下からヘソ上5センチくらいまで。
左右のお腹には2センチずつ管を通したであろう跡もある。

縫わないでテープだけで止めたから、綺麗な傷跡。

とはいえ小学校の身体測定で上半身裸になれば傷跡はモロ見える。

小さな頃は6ヶ月に一回、病院で検査。
エコーや心電図、問診受けて。
2時間はかかったろうな。

学校上がるタイミングでは、体力テスト的な事もあった。

ランニングマシーンで走る。
キツくなったら言ってくださいと、聞いてたからキツイです、と言うとランニングマシーンの角度が急になりまだ走る。

その繰り返し。
他にも水の中で息を止め時間を、測ることも。
小さな頃から水だけは本当怖いと強く潜在意識に入り込んだ。今も泳げない、カナヅチだ。

あとは24時間ホルダー?だっけかな。
心電図の体にペタペタ張って24時間日常生活するってやつ。

大きめなカセットテープみたいなショルダー型の機械が録音する。
学校の時ももちろんつける。

カセットだから静かになるとジーって音がしているからめちゃ嫌だった。
寝る時も枕元に置いて。

階段の登った時や食事、トイレなど行動した時は手持ちのメモに時刻を書き込む。

生まれつきの身体がいわゆる普通ではなかった私。
いじめられる事もある。
自殺?
考えた事も何度もある。
なんでこの世の中は人との違いを探して攻撃してくるのだろうか。

顔や性格だってみんな違う
違いを探し出せばキリがないはずなのだ。

高校生の時
同じ中学から高校へ進んだ同級生からイジメを受けた。
スクールバスで1時間以上学校までかかるんだが、ある日乗ると、バスに乗っているみんなが私の事を無視し出した。
なんだよ、変な空気と思って寝たフリをして過ごしてた。

そしたら、その同級生が
「だせぇんだよ!」とか聞こえるようにみんなに言っている。
寝てるのをいい事に顔を近づけて言ったりもしてきた。

その場で目を開けて殴ってもよかったんだろうけど暴力ってのはほんと嫌いなんだよな。

就職して同級生で飲む事があった。
30人くらい集まっただろうか。
イジメてきた同級生が隣に座って
「ゆうき、ごめん」
と謝ってきた。

私は
「ん?なんのこと?とりあえず飲むべ!元気してらが?」

って話すと涙目になっていた。

人は自分の立ち位置、居場所を作ろうとイジメに走ってしまうだろうな。
誰かを、攻撃して自分はこうなんだぞ!
って周りの人に承認してほしい欲求なんだろうな。

イジメられている人も、イジメてる人もどうやって接していいのか。
自分の感情との付き合い方。
育ってきた家庭環境。

寂しさから起こる事なんだろうなと感じた。


赤ちゃんや子供の頃。
子供を抱きしめて
「かわいいね、好き」って素直に氣持ちを伝えただろうか。

人は受けるべく愛情を受けるべく時期に受けないとココロのビョーキとやらになってしまうんではないか?

人と人との付き合い方。
1番小さな社会、「家族」
家族の在り方から地元地域がある。

地域での在り方やどんな存在なのかが人生における必要なコミュニケーション能力が培われると思う。

じいちゃんばあちゃんたちが、地域の人とどんな付き合いをしているのかを小さな頃から見る場面。

田舎出身なら思い浮かぶだろう。

親戚の方からお小遣いと言われお金を渡された時。

親や祖父は
「いいよ、いいよそんなぁ〜」
なんて言いながら遠慮している姿を見て

遠慮ってこうなんだ
と経験すること。

日常的に家族が他の人とどう言う付き合い方をしているかを見るだけで知らず知らずのうちに学び身につけるコミュニケーションなはず。

おかしいと世の中を思い育った幼少期、今も変わらない。

多くを学ぶ日々が大切だと実感できれば日常の小さな幸せに氣づける。


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